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running2021.12.24

【レビュー】アディダス アディゼロ タクミ セン 8は、ネオレーシングフラット

■ すでに実績十分のアディダス アディゼロ タクミ セン 8登場!

アディダスからアディゼロシリーズの象徴的なラインナップ、レーシングフラットモデルのタクミ センが、8代目になって大きくモデルチェンジ、12月にリリースされましたね。


22mm/17mm (ヒール/前足部)というスタックハイト(ソールの厚み)だった前回モデルから、ナント、33mm/27mmと、『前回モデルのヒール部より、前足部が厚い』という今回のそのルックスは、もはや“薄底“とは言えないですね。

そして、9月12日にドイツ ヘルツォーゲンアウラハのアディダスヘッドクオーター「ワールドオブスポーツ」内の周回の世界陸連公認コースで、その名も『Adizero Road To Records』が開催され、そこで、すでに、エチオピアのセンベレ・テフェリ選手が女子単独5kmロードで14分29秒の世界記録達成していてその実績はお墨付き。

しかも、ロード記録は、通常、男子選手がペーサーになり得る男女混合レースと女子単独レースをはっきり区別しているのですが、この記録は、女子単独走で男女混合5K世界最高記録を上回った素晴らしい記録なのです。(ちなみに男女混合5Kの世界最高記録のタクミ セン 8で達成されていることを追記)

そのベールを脱いだ【タクミ セン 8】で早速実走してきましたので、レポートしましょう。


■アディダス アディゼロ タクミ セン 8のその正体は?

さすがに、アディダスが誇るスーパーシューズ、いわゆる厚底レーシングのアディゼロ アディオス プロ2よりは、ヒールで6mm薄い(ヒール:39 mm / 前足部:31.5 mm)のですが、走りだすと軽量で反発弾性があるPEVAベース特有の“ポコポコ“という素材音は健在。反発弾性、体がどんどん前にいく助力感を感じます。


足の中速骨からヒントを得た5本骨状のエナジーロッドEnergy Rods)は、カーボン製ではなくて、しなやかにしなるグラスファイバー製、地面からのレスポンスの良さ・速さを意識した仕様になっています。

セラーメッシュ2.0は、「レガシーインディゴ/ターボ/スカイラッシュ」のこのド派手なカラーリングでシースルー、そして、ミニマムな作り、レーシングアッパーのそれ、そのものの作りになっています。


そのアッパーは50%以上がリサイクル素材(海洋廃棄ペットボトル)で作られた、2024年には全商品をリサイクルマテリアルで作成するというミッションを持つアディダスの象徴そのもの、そんな商品です。


■ 実走してみると…これはやはり薄底です!

しかし、走った感想は、この貼り付けのレーシングチューンのインナーソール、ミニマルなアッパーのシューズから感じるこのフィット感といい、履いた感触はこのシューズはいままでのセンシリーズそのものというフィーリングがします。

もちろん今までのタクミ センとはスペックでは全然違うのですけど、まあ、わたしも厚底レーシング・スーパーシューズたちに慣れたせいもあるのか薄くさえ感じるんですよね。

それにやはり前足部には確かな地面を捉える接地感の中にも、ソフトで優しい接地感が共存していて、レーシングフラットの接地感覚とスーパーシューズのクッションのまさにブレンドされたソールです。

ピッチ(回転数)をあげてスピードを出せそうな感覚はセンシリーズそのものですよ。

真っ先に浮かぶのが「駅伝ならこれだなあ」という感触です。まさにうたい文句通りの5K・10Kのレース用というのはドンピシャな感じのレーシングですよね。

やはり基本的には、レーシングフラット(薄底)のようにスピードを発揮したいランナーへの機能を備えたモデルだと言っていいですね。


■ 薄底がマラソンにも復権?

そして、こんな厚みがあれば、フルマラソンでも使えるのでは?という声もチラホラ聞こえてきます。

ちなみにアディダス契約アスリートの九電工の大塚翔平選手は、先日の福岡国際マラソンで日本人2位になったときには、アディゼロ アディオス プロ2。駅伝に出ることの多い積水化学の新谷仁美選手はタクミ セン 8で、基本的にはこれがオーソドックスな使い方になるのかなと思います。

また、出雲駅伝では着用する選手がいたように、2022年正月の箱根駅伝では使用する選手はいるかもしれません。ハーフマラソンの距離であれば好みはあるでしょうね。

しかし、6mmドロップという低ドロップは、8.5 mmドロップのプロ2に比べて、つま先の跳ね上げとセットでのガイド感覚は少なくて、厚みはあるにせよ、よりフラットな形状になり接地感覚が増していますように感じます。

プレートもカーボンはより強いガイド、グラスファイバーはスパイクにも使われていて、より蹴り出しと良いコンビネーションになる素材です。比較的ペースが遅くて、走る時間が長いフルマラソンではアディゼロ アディオス プロ2に分があると思いますね。


■ 厚底レーシング一強、一択の終焉 ネオレーシングフラット誕生!

実は、2022年東京マラソンを残した「ワールドマラソンメジャース」1〜3位の2021年のシェアは、すでにアディダスが40%と46.6%のナイキに肉薄する結果になっていて、さらに男女優勝者10名のうち60%にあたる6名がADIZEROシリーズを着用と、勝率No.1シリーズとなり圧倒的なナイキシェアであった数年前までの状況とは変わっています。

そんな厚底レーシング自体すでにブランド1強の時代が終わろうとしているこの2022年ですが、このタクミ セン 8がシーンに与える、ランナーに与える大きなインパクトは、厚底レーシング一強、一択の終焉でもあります。

フルマラソンのレースデイシューズは2017年以来、革新的に変わって、もはやそれがスタンダードになったわけです。ルールさえ変えました。それらスーパーシューズは、5K・10Kと行ったショートディスタンス、ときに1マイルレースすらその活躍の場を独占してきました。

それは、それらが単純に、この距離では今まであたり前のように履いていたレーシングフラット(薄底)のパフォーマンスを上回ってしまったからです。箱根駅伝でもそれら薄底レーシングを使う人は稀になってしまいました。

しかし、2022年、アディダス アディゼロ タクミ セン 8は、まさにネオレーシングフラットとして、この距離でのパフォーマンス・扱い使いやすさをターゲットにして生まれ、生まれ変わってきました。

ハーフ・フルマラソンはプロ2、5K・10Kはセン8、といった使い分けは、ここからそれが新常識となる、そんな予感がする1足、それアディダス アディゼロ タクミ セン 8ですね。

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