バスケのカット(カッティング)とは? ボールを受けられるようになる動き方の基本
バスケットボールは、1チーム5人でボールをつなぎながら得点を目指すスポーツです。実際の試合では、ボールを受けることができなければ、ドリブルやパス、シュートといったプレーにもつなげられません。味方選手からボールをもらうために「カット(カッティング)」と呼ばれるテクニックを鍛えることが大切です。
しかし、カットがどのような技術なのかわからない、というバスケ初心者の方も多くいらっしゃるでしょう。
ここでは、バスケットボールにおけるカットの概要や、基本的な種類をご紹介します。
【目次】
■バスケのカット(カッティング)とは?
バスケットボールにおけるカットまたはカッティングとは、ボールを持っていない(オフボール)の選手が、コート上を移動するプレーのことです。
オフェンス側の選手は、プレーの選択肢を増やしたり、質を高めたりするために、相手ディフェンスのプレッシャーを受けない場所でプレーするのが理想です。
とはいえ、その場に立ってパスを待つだけでは、ディフェンダーにパスコースやシュートコースを塞がれてしまい、プレーの幅が狭まってしまいます。そもそも、味方選手がパスを出してくれないかもしれません。
カッティングを駆使して、オフボールの時に相手ディフェンスの隙を突くような動きができれば、オフェンスは思い通りにプレーしやすくなります。
また、オフェンス側の選手が動きまわることで、相手のチームディフェンスを崩す効果が期待できる点もメリットです。カッティングを行った選手にボールが行かなかったとしても、別の選手がプレーしやすい環境を作り出せる可能性があります。
ボールをもらいやすい場所に移動するというカッティングは、一見すると地味なプレーかもしれませんが、バスケットボール上達を目指すうえで欠かせない技術のひとつです。
■主なカットの種類
前述のとおり、カット(カッティング)はボールを持っていない選手が移動するプレーの総称です。非常に多くの種類があるため、全てを習得するのは時間がかかります。バスケ初心者の方は、基本的なカットの動き方を覚えることから始めましょう。
代表的なカットの種類や特徴は、以下のとおりです。
・バックドアカット
バックドアカットは、相手ディフェンスのディナイ(自分がマークしている選手にパスが渡らないように行うディフェンス)が厳しい時に行うものです。
相手ディフェンスの意識が外れた瞬間にオフボールの選手がゴールに向かって走り、ボール保持者はタイミングを合わせてパスを出します。ボールをバウンドさせて味方にボールを渡す「バウンズパス」だと、相手ディフェンスに奪われるリスクが下がります。
パスを受けた選手はそのままシュートを打つのが基本ですが、ボールを受けた場所が悪い、相手ディフェンスが素早くリカバーしてきたなど、難しい時はノーマークの選手にパスを返しましょう。
動き自体はゴールに向かって走るだけとシンプルですが、効果的に使うには、瞬時にゴールに向かう瞬発力などが必要になります。
・Vカット
名前のとおり、オフボールの選手がアルファベットの「V」を描くように動くカットです。ペイントエリア(ゴール近くにある長方形に区切られたエリア)に切り込んでディフェンスを抑えてから、タイミングよく3ポイントエリアに切り返してボールを受けます。
ディフェンスを振り切れた場合はそのまま3ポイントシュートを打ちましょう。距離を縮められている時は、ドリブルで相手を抜いたり、パスで立て直したりすることもできます。
・Lカット
ペイントエリア内やゴールに近い位置から、アルファベットの「L」を描くようにアウトサイドに飛び出てボールを受けるのがLカットです。
ディフェンスの前に自分の足を入れて動きを封じてから、サイドに飛び出すことを意識すると、ボールを受けてから自由にプレーできます。
Vカットと同様に、ディフェンスのプレッシャーが弱い時はシュートを打ち、シュートが難しい時はパスやドリブルに切り替えて態勢を整えましょう。
・ディープカット
ベースライン沿いにゴール下を横断してパスを受ける動きがディープカットです。コートの隅から一気に逆サイドまで走り抜けるため、ディープカットを成功させてシュートに持ち込むには、相手ディフェンスに負けない体力と足の速さが欠かせません。
相手ディフェンスがボールを持っている選手に意識を向けている間にパスを受けられることから、ゾーンディフェンスを敷いているチームに対して有効です。
・UCLAカット
アメリカのバスケットボールの名門大学「UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)」のコーチが考案したとされるカッティングです。
UCLAの基本的な流れは、以下のとおりです。
【UCLAカットの流れ】
1.コート真ん中付近にいる選手がウイングの選手にパスを出す
2.別の選手(センター)がバックスクリーンを行う
3.最初にパスを出した選手がゴール下に走り込む
4.センターか3で走り込んだ選手がパスを受ける
UCLAのメリットは、コートの中央に簡単にパスを通すことができる点です。コートの中央にパスが入るため、そのままシュートを打つ、サイドの選手にパスを戻す、ドリブルで切り込むなど、幅広い攻撃につなげられます。
・カールカット
スクリーナー(相手の動きを邪魔する役割を果たしている選手)を軸に、回り込みながらパスを受けに行く動きがカールカットです。Cカットと呼ばれることもあります。
ゴール側に向かって巻き込むようにカールカットを行い、相手ディフェンスが動きについてこられなかった時は、ゴールに近い位置でボールを受けられます。
■カットを成功させるコツは?
カッティングは、プレーヤー1人がやみくもに動くだけでは成立しません。これは、相手ディフェンスに動きを読まれて先にスペースを潰されたり、味方選手の動きとかぶってプレーに必要なスペースがなかったりする恐れがあるためです。
カッティングを成功させるには、チーム全体でどのように動くのか、どこにスペースを作ってシュートにつなげるのかなど、すり合わせを行う必要があります。
もちろん、どこに移動すれば良いのか判断する能力や、狙った場所に正確なタイミングでパスを出すボールコントロール力、ゴール付近でボールをキープする能力など、個人のテクニックも不可欠です。
日々の練習の中で、カッティングに必要な能力を鍛えておきましょう。
■日頃の練習で連携を高めることが鍵
カッティングは、相手のディフェンスを簡単に崩すことができる有効なプレーです。特に、1人で戦況を打開できる絶対的なプレーヤーがいないチームは、積極的に採用してみてはいかがでしょうか。チーム全体で動きを合わせることで、相手のディフェンスを翻弄しやすくなります。
ただし、カッティングを成功させるには、正確なパスワークや判断力、チームとしての戦略などが欠かせません。
日頃からチームで練習を行い、パスワークや判断力を鍛えておきましょう。
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