ランニングでマメができたらどうする? 原因や対処法・予防法について解説
履きなれた靴で毎日ランニングを行っていたとしても、足の裏や指、サイドにマメができてしまうケースはよくあります。足のマメを放置すると、痛みを避けるために違う部分に負荷がかかってしまうので、早めの対処が必要です。
この記事では、普段のランニング中やレース中にできるマメに悩んでいる方に向け、原因や対処法、予防法について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
■マメとは
マメとは足の裏や指などが短期間で擦れ、そこに体内の水が集まってできる水ぶくれです。新しい靴やサイズの合わない靴を履いたときに起こりやすく、靴擦れなどもマメになります。
マメと同様に足に起こりやすいトラブルにウオノメやタコがあります。
ウオノメは、靴に1カ所が圧迫され続けて角質が硬く芯のようになってしまった状態で、足の指の付け根あたりにできやすいのが特徴です。
タコもウオノメと同じく、刺激を受けた角質が硬く盛り上がった状態ですが、芯がなく広い範囲で盛り上がり、足の裏にできることが多いという違いがあります。
ウオノメは痛みを伴うこともありますが、タコは通常痛みを伴わず、発症に気づかないケースが多いのも特徴のひとつです。
■ランニング中にマメができる原因は?
ランニング中にマメができる原因は、足が靴の内部で擦れてしまうためです。
足が接地するたびに、摩擦によって皮膚に力が加わり、皮膚の表面の表皮部分と奥にある真皮部分の間がずれて剥がれます。その隙間に体内の水分が溜まることで、マメができるのです。
マメが酷くなると水ぶくれや出血、痛みを伴うようになるため、早めに対処する必要があります。また、水ぶくれが破れて傷口から雑菌が侵入し、化膿を引き起こす可能性もあるので注意しましょう。
靴の中で足が擦れてしまう原因は人によって異なるため、考えられる原因をまとめてみました。
・シューズが足に合っていない
シューズのサイズが小さすぎると、つま先や足の指など特定の部分が圧迫されて血液の循環が悪くなり、逆に大きすぎると摩擦が増えてしまいます。靴の中で足指を伸ばしても先端に当たらず、適度に指を動かせる余裕のある程度が適切なサイズと言えます。
親指の付け根にマメができる場合は、シューズの横幅と足幅が合っていない可能性があるので、少し大きめの靴を選びましょう。
また、サイズが合っていても靴ひもの締め方次第で靴がゆるくなったり、きつくなったりするため、靴ひもの締め方にも注意しなければなりません。
靴ひもをきつく締めると足が圧迫され、摩擦が生じやすくなってマメができるリスクが高まります。緩く締めるのも内部で足がズレて摩擦が増えるため、マメができやすくなります。
シューズはかかとを起点に設計されているので、靴ひもを結ぶ前に自分のかかとを靴のかかと部分に合わせることが、シューズの適した位置に足をセットするポイントです。適した位置に足があると、靴ひもをちょうどよく結びやすくなります。
・間違ったランニングフォーム
ランニングフォームが間違っている場合や、疲れによりフォームが乱れたまま走り続けてしまうことも、足にマメができてしまう原因となります。
本来であればランニング中の足の接地はかかとから行いますが、長時間のランニングで疲れて脚が上がらず、かかとではなくつま先から接地してしまうのが疲れによるフォームの乱れの一例です。
フォームの乱れにより足の特定部分または片方の足に過度な負荷がかかってしまい、圧迫や摩擦が引き起こされることでマメができてしまいます。
・シューズ内の通気性が悪い
靴内の通気性が悪いと足が蒸れて湿気で皮膚が柔らかくなり、乾燥しているときよりも摩擦のダメージを受けやすくなります。前述のように、マメの原因は摩擦によるものなので、シューズ内の通気性が悪いこともマメができる原因です。
基本的に、ランニングシューズは通気性に優れているメッシュ素材のものがほとんどです。足の甲を覆う部分(アッパー)やインソールに穴があいているものなど、より通気性のよいものも多く販売されています。最近では、靴底からソール経由で靴内に空気を送り込む放熱対策がされたモデルが特に人気のようです。
・ソックスのシワやたるみ
シューズはサイズがピッタリで、フォームにも自信があるのにマメができてしまうという方は、ソックスに原因があるかもしれません。
ソックスにシワが寄っている状態でランニングをすると、シワの接触している部分に摩擦がかかり、マメができやすくなるのです。
ソックスに関しても自分の足の大きさに合ったものを選ぶことはもちろんですが、スポーツ専用のソックスはシワができにくく、足にぴったりとフィットするのでおすすめです。
■マメができた場合の対処法
足にマメができてしまった場合、早めに適切な治療をすることが練習を再開するための近道です。では、足の裏や指などにマメができてしまった場合や、マメが悪化し大きな水ぶくれになってしまった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。
マメや水ぶくれができてしまった場合の対処法をご紹介します。
・水ぶくれは潰しても良い?
マメができると水ぶくれもできてしまいますが、潰すと雑菌が入り感染症などを引き起こすリスクがあります。また、水ぶくれの中にある水分はダメージを保護して治りやすくする作用があるため、なるべく潰さないようにしましょう。
ただし、足の裏に水ぶくれができてしまった、圧迫感や痛みを覚えるなど、潰した方が良い場合があるのは事実です。その場合でも、エタノールなどで殺菌消毒した針を使って小さい穴をあけ、中の液体を抜く程度にとどめましょう。
潰した後は水道水などで患部を洗い、ガーゼや湿潤療法専用の絆創膏を貼って傷口を保護してください。水で傷口を洗った後は絆創膏が貼れる程度に水を拭き取るにとどめ、患部を無理に乾燥させる必要はありません。
ただし、痛みが強く患部が赤く腫れるなど、感染症を疑う症状があるときは医療機関への受診をおすすめします。
・水ぶくれが破れてしまった場合
もしも水ぶくれが破れてしまった場合は水で洗い、雑菌が繁殖しないように傷口を保護する湿潤療法専用の絆創膏などを貼りましょう。水ぶくれが破けると皮を剥きたくなりますが、正常な皮膚までダメージを及ぼしてしまうこともあるため、自然に剥がれるのを待ってください。
・足のマメを早く治す方法
水ぶくれは潰した方が早く治ると聞いたことがある方も多いかもしれません。
しかし、水ぶくれの中にある液体には傷が治るのを促す成分が入っているので、残した方が治りは早く、小さな水疱程度ならば2〜3日で液体が吸収されて自然に治っていきます。
前述のように残った皮を無理に取るのも避け、患部が擦れないようにテーピングや絆創膏などで保護したら、あまりいじらないことが大切です。
・もしランニング中にマメができたら
ランニングやマラソンなど、走っている最中に足の裏や指にマメができていた場合は、絆創膏やテーピングで患部が擦れないように保護する必要があります。絆創膏などを持っていない場合は、靴ひもをしっかりと結び直し、靴擦れが酷くならないようにすることが大切です。
マメができても、基本的には触らず安静にしていれば問題はありません。痛みが強い場合や大きな水ぶくれができた場合は、放置せずに皮膚科などの専門医に相談しましょう。
■マメができないようにする予防法
一度マメができてしまうと、ランニングを再開するまでに時間がかかってしまう場合もあります。走る前にしっかりと対策しておくことが大切です。
特に、長距離のランニングは走る時間が長くフォームも乱れやすいため、普段のランニングよりもマメができやすいです。
ここでは、定期的にランニングを続けていくために、マメができないようにする予防法をご紹介します。
・足にフィットするシューズを選ぶ
無駄な圧迫や摩擦を避けるためにも、適切なサイズのシューズを選ぶことが大切です。
かかとをフィットさせたときに、少しつま先にゆとりがあるくらいが最適なサイズです。サイズと同時に、親指や小指が当たってキツくないか、土踏まずの部分が合っているかもチェックしましょう。
また、長さだけではなく足幅のフィット感も確かめるようにしましょう。幅広の人はワイドタイプ、足が細い人はスリムタイプを選ぶと効果的です。
ウオノメやタコも靴による圧迫や刺激による角質の変化が原因なので、適切なサイズのシューズを選ぶことは、マメ以外のトラブルの予防にも役立ちます。
・正しいランニングフォームを身につける
ランニング中にフォームが乱れないように癖をつけることで、マメを予防できます。
ランニングは全身の筋肉を使うので、間違ったフォームを改善しなければ、マメ以外の怪我の原因にもなります。初心者のランナーは背筋を丸めて猫背になる傾向がありますが、猫背は足や腰などに負担がかかるので改善していきましょう。
基本のフォームは、肩の力を抜いて背筋を伸ばし、かかとから着地します。つま先方向に重心を移動しながら、親指の付け根で蹴り出すのを意識するのがポイントです。
上半身のブレを抑えることができれば、腰や膝への負担を軽減でき、靴内の摩擦も軽減されます。
呼吸は一定のリズムで行い、2歩で息を吸い切り、2歩で吐き切るようにすると、酸素を効率的に取り込んでフォームを安定させることができます。
・保湿剤やテーピングを活用する
足の裏や指など、いつも同じ場所にマメができてしまう場合は、保湿剤を塗ると効果的です。
保湿剤は皮膚を外的刺激から保護する働きがあるため、マメを予防することができます。保湿効果により皮膚がツルツルになると靴内で摩擦が減るため、熱がこもりにくくなるのもメリットです。
保湿剤の他には、表面が滑らかなテーピングを貼ることで皮膚を補強し摩擦を軽減できます。
【簡単にできるテーピングの巻き方】
1.テープを足の裏に縦と横に貼る(その際、テープの端は足の甲に2cmほど巻き込むようにする)
2.足の指も締め付けない程度に1本ずつテープを巻く
その他、かかとなどの擦れやすい箇所にもテーピングをすると良いでしょう。
また、テーピングは伸縮性の高いものを軽く貼るようにすると摩擦が起きにくくなります。
・5本指ソックスを着用する
足の指を1本ずつ覆う構造になっている5本指ソックスは、足の指同士の摩擦や指の間のムレを軽減してマメを防止します。靴内で足の指が自由に動くため、足指で地面の感覚を掴むことができてフォームが良くなるのもメリットです。
履き始めは違和感を覚えることもあるので、普段のトレーニング中から5本指ソックスを履いて慣らしておくと良いでしょう。滑り止め付きの5本指ソックスであれば、靴内で足が動くのを抑えてくれる効果もあります。
■まとめ
今回は、ランニングでマメができる原因や、できたときの対処法、予防法をご紹介しました。
マメができる原因や箇所は人によって異なるため、考えられる問題点を意識して改善していきましょう。マメができてしまった場合や水ぶくれが破れてしまった場合も、早めに正しい対処をすることで練習を再開できます。
マメができやすい方は、トレーニング中からマメができないように予防することが大切です。
フォームは癖になっている場合も多く、シューズのサイズのように簡単に改善できるポイントではありませんが、少しでもマメができにくくなるように、諦めずに努力していきましょう。
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