バスケットボール初心者必見! ゾーンディフェンスのメリット・デメリット

バスケットボールは、より多くの点を取ったチームが勝つスポーツです。たくさんシュートを決めて点を取ることはもちろん重要ですが、それと同様に無駄な失点を防ぐことも欠かせません。
相手チームの攻撃を防いで、失点を減らすための戦略のひとつに、ゾーンディフェンスがあります。実践するのは比較的簡単なゾーンディフェンスですが、効果を発揮するにはメリットやコツを把握したうえで活用することが大切です。
ここでは、バスケットボールにおけるゾーンディフェンスの概要を解説します。
【目次】
■ゾーンディフェンスとは
ゾーンディフェンスとは、ディフェンス側の選手が、自分の担当するエリア内を守る戦略のことです。コート上の各プレーヤーに担当エリアが割り当てられていて、そこに侵入してきたオフェンスを止めることで失点を防ぎます。
ディフェンスの戦略には、特定の相手選手をマークする「マンツーマンディフェンス」もあります。ゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスの大きな違いは、ディフェンス時の考え方です。
ゾーンディフェンスが「スペース」を守るのに対して、マンツーマンディフェンスは相手選手1人に対して守備を行います。
動き方がわかりやすく初心者にもおすすめの戦略ですが、日本バスケットボール協会は競技力強化のために、小中学生(15歳以下)のチームのゾーンディフェンス禁止に取り組んでいます。
■基本的なゾーンディフェンスのフォーメーション
ゾーンディフェンスは、3ポイントラインの内側を中心に選手を配置する「ハーフコートゾーン」と、コート全面にディフェンスを配置する「オールコートゾーン」の2種類に分けられます。
さらに、選手の配置から2-3や3-2、1-2-1-1などに細分化することが可能です。
主なフォーメーションとそれぞれの特徴は、以下のとおりです。
【2-3】
前に2人、後ろに3人の選手が並ぶハーフコートのゾーンディフェンスです。ハイポストやアウトサイドからのシュートに弱い一方で、ゴール下を守りやすいという特徴があります。
真ん中に1人配置する2-1-2というフォーメーションも、特徴はほぼ同じです。
【3-2】
2-3とは逆に前方に3人、後ろに2人の選手が並ぶハーフコートのゾーンディフェンスです。ボール保持者に対してプレッシャーをかけやすいという特徴を持っています。
一方で、2-3に比べるとゴール近くの守備は手薄になります。
【1-2-1-1】
オールコートゾーンプレスの一種で、ゴールに近い場所から積極的にボール保持者にプレッシャーをかけるフォーメーションです。決まると一気に大量得点を狙えます。
ただし、フォーメーションの配置が遅れると相手の攻撃を簡単に許してしまう恐れがあります。
■ゾーンディフェンスのメリット・デメリット
ゾーンディフェンスには複数のフォーメーションがありますが、いずれも共通するメリット・デメリットを持っています。ゾーンディフェンスを成功させて失点を防ぐには、メリット・デメリットを踏まえてプレーを行うことが大切です。
ゾーンディフェンスの主なメリット・デメリットをご紹介するので、プレーの参考にしてみてください。
・守備を固めやすい
ゾーンディフェンスは、マンツーマンディフェンスとは異なり相手オフェンスについていくわけではありません。各選手が自分の担当するエリアを守ることに集中すれば、比較的守備を固めやすい戦術といえます。
インサイドでのプレーに対応しやすく、ディフェンスリバウンドを取りやすい点もメリットです。
また、選手同士が一定の距離を取った状態でプレーできるので、個人の守備範囲が減る点もメリットといえるでしょう。誰かが抜かれてしまったとしても、別のエリアを担当する選手がカバーに回るなど、連携をスムーズに取ることができます。
・速攻に移りやすい
ゾーンディフェンスは、選手がディフェンスを担当するエリアが決まっています。ボールを奪って攻守が切り替わる(トランジション)時は、毎回ある程度決まった場所に選手がいるということです。
そのため、ボールを奪ったら誰が走り出すのか、どこにパスを出せば良いのかを、事前にチーム全体でルール化しておくことができます。
速攻(ファストブレーク)までの流れを作りやすく、オフェンスチームからボールを奪った後すぐ攻撃に移りやすい点もメリットです。
・パス回しに弱い
ゾーンディフェンスの基本は、ボールを保持しているオフェンスに対してディフェンスを行うことです。マンツーマンディフェンスとは異なり、相手選手に常について動くわけではありません。
一人一人の守備の負担は減る一方で、素早いパス回しをされるとフォーメーションが崩される恐れがあります。
フォーメーションが崩れることを嫌い、手を出さずにパスを続けさせても、ディフェンスが手薄になってしまう可能性がある点に注意が必要です。
・アウトサイドからシュートを狙われやすい
ゾーンディフェンスでは、基本的には3ポイントラインの内側にディフェンスがポジショニングします。オフェンスが3ポイントラインの外でボールを保持していても、各選手の守る範囲はある程度決まっているため、ディフェンス選手は前に出てプレッシャーをかけることができません。
結果として、アウトサイドに位置する選手へのプレッシャーが手薄になってしまい、遠くから3ポイントシュートを狙われる可能性が高くなります。
■ゾーンディフェンスを敷かれた時の攻め方は?
ゾーンディフェンスは、個々の選手のディフェンス力が低くても、ある程度失点を防げるのが魅力の戦術です。相手チームにゾーンディフェンスを敷かれた時に備えて、対処法も覚えておきましょう。
相手チームにゾーンディフェンスを敷かれた場合は、基本的にはディフェンス同士の間を攻めるのがおすすめです。
ボール保持者にディフェンスが2人寄ってくるので、別の場所で数的優位な状況を作り出せます。
「どちらがボールにチャレンジするのか」をディフェンス同士が迷っている間に、自分でシュートやドライブにチャレンジすることも可能です。
また、ゾーンディフェンスは陣形が完成していないと効果を発揮しません。フォーメーションが組まれる前に速攻を仕掛けたり、ゾーンの範囲外から3ポイントシュートを狙ったりするのも、ゾーンディフェンスへの対応策になります。
■チーム間で連携を取ることが大事
決められたスペースを各選手が守るゾーンディフェンスは、マンツーマンディフェンスに比べると初心者でも守りやすいのが魅力の戦術です。
守りやすいとはいえ、チーム戦術として取り入れられる陣形なので、チームメートとの連携が求められる点には注意しましょう。
また、ゾーンディフェンスでどれくらいの失点を防げるかは、最終的には個々のディフェンス力に左右されてしまいます。
試合で活用するには、日頃からチームでディフェンス練習に取り組むことが大切です。
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