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baseball2023.09.28

【野球】ボークとは? ルールを知って反則を防ごう

野球にはさまざまなルールがありますが、その中でも特にわかりづらいのが「ボーク」ではないでしょうか。野球の試合を見ている方だけでなく、実際に野球をプレーしているが、具体的にどのような状況でボークを宣告されるのかよくわかっていない、という方も多いかもしれません。
この記事では、野球のルールのひとつであるボークの概要や、ボークを宣告される具体的な場面についてご紹介します。

 

【目次】

■野球のボークとは?

■ボークが取られる場面

・投球動作に関するボーク

・ピッチャープレートに関するボーク

・牽制動作に対するボーク

・捕手が関わるボーク

■ボークを取られるとどうなる?

■ボークを取られないようにルールを覚えておこう

 

■野球のボークとは?

野球におけるボークとは、ピッチャーが投球したり各塁に送球(牽制)したりする際の反則行為のことです。英語ではBalkと書き、「ためらう」「躊躇する」「妨害する」といった意味を持ちます。

ピッチャーが不正行為をして、バッターまたはランナーが不利になることを防ぐために設けられているルールです。
具体的には、ピッチャーがボールを投げる動作でバッターやランナーを騙し、アウトを稼ごうとしたりヒットや進塁を防ごうとしたりするプレーにおいて宣言されます。

 

■ボークが取られる場面

ボークが取られる場面

 

ボークのルールは、公認野球規則によって全部で13個のパターンが定められています。ここでは、いくつかの場合に分けて、それぞれのパターンについてご紹介します。

 

・投球動作に関するボーク

ピッチャーの投球動作そのものに対して発生するボークとしては、次のようなパターンが挙げられます。

【投手が投球動作を途中で中止した】
投球動作に入ったピッチャーは、どのような場合においてもボールを投げなければいけません。投球動作を途中でやめてしまうとボークが宣告されます。

【セットポジションにおいて、完全に静止せずに投球した】
セットポジションとは、投球の際に片足を前に出し、ボールを体の前で持つ姿勢のことです。投球動作を短くできるため、主にランナーが塁にいる場面で使われます。
セットポジションの際に静止する時間が短すぎると、ボークを取られる恐れがあります。静止時間は明確に決まっておらず、審判の判断によるところが大きいため、プロでも見かけることが多い反則のひとつです。

【打者に正対しないうちに投球した】
野球では、基本的にバッターとピッチャーがそれぞれ構えてからプレーが始まります。そのため、バッターが構えていないタイミングでボールを投げるのもボークです。

【遅延行為を行った】
投球をなかなか行わないなど、ピッチャーが試合の進行を遅らせる遅延行為を行うのもボークとなります。また、リードが小さく牽制する意味が薄いランナーに対して、しつこく牽制を繰り返すのも遅延行為とみなされる場合があります。

【反則投球を行った】
反則投球とは、公認野球規則で禁止されているピッチャーの動作のことです。具体的には、ボールに異物や傷をつける、グラブや服でボールを擦る、ボールや投げる手に唾液をつける、などが挙げられます。
ボールに細工を行うことを防ぐのが目的のルールで、反則投球の警告に従わない場合、退場が命じられる恐れもあります。

また、投球姿勢に入った後に、投球や送球を除いた理由でボールを手から離してしまうのもボークです。

 

・ピッチャープレートに関するボーク

マウンド上のピッチャープレート(投手板)が関係するボークもいくつかあります。具体的には、プレートに触れずに投球動作に入った、ボールを持たずにプレートに立った、プレートに触れている投手がボールを落とした、の3つが挙げられます。どれも偶然・故意に関わらずボークが宣告されるので、注意が必要です。

これらの行為がボークとなるのは、隠し玉を防ぐことが目的のひとつに挙げられます。肩慣らしを目的に投球動作の真似を行うのもボークになるので、マウンドやピッチャープレートに立ったら、無駄な動作を行うのは避けた方が良いでしょう。

 

・牽制動作に対するボーク

ランナーの盗塁を防ぐ目的で行う牽制も、ボークが適用される場合があります。ボークの中でも複雑なものが多く、特に起こりやすいので注意が必要です。

【一塁または三塁への偽投】
偽投とは、牽制球を投げるふりをして実際は投げないプレーです。ピッチャープレートに触れたまま一塁や三塁へ偽投を行う行為はボークとなります。一塁か三塁に偽投を行う場合は、プレートから足を外して行うことが重要です。
ただし、二塁ランナーに対しては、プレートに触れたまま偽投を行ってもボークになりません。

【ランナーのいない塁に牽制動作を行った】
ランナーがいない塁に牽制や偽投をするのも、ルールで禁止されています。通常は牽制を投げる必要がないため、ほぼ見ることがないボークといえるでしょう。
ただし、二塁ランナーが大きく飛び出していて、アウトにする目的で三塁に送球したなど、送球する必要があると判断できる場合はボークに当たりません。

【踏み出さないで牽制球を投げた】
ピッチャープレートに触れている場合、ピッチャーは牽制する塁に向かって足を踏み出して牽制球を投げる必要があります。一塁か三塁への偽投と同様に、プレートから足を外していれば、足を踏み出していなくてもボークは取られません。
軸足がブレて踏み出せなかったなど、故意ではない場合もボークを宣告されるので注意が必要です。

 

・捕手が関わるボーク

キャッチャーが原因でボークを取られるケースもあります。具体的には、キャッチャーの両足がキャッチャーボックスについていない時に、ピッチャーが投球を行った場合です。
このルールは敬遠(故意四球)を狙った場面に限って適応されます。投手の手からボールが離れる前に、片足でもキャッチャーボックスから外に出てしまえばボークです。

ただし、プロ野球では2018年から、高校野球では2020年から、守備側の監督が審判に意思を示すだけで敬遠が成立する「申告敬遠」がルールとして導入されています。
ルール改正によってボールを投げずに敬遠を行えるようになったため、現在はキャッチャーが原因のボークを見かけることはほとんどないといって良いでしょう。

 

■ボークを取られるとどうなる?

ボークを取られるとどうなる?

 

ボークはランナーがいるシーンで宣告される反則です。ボークが宣告された投球は無効となり、打者のカウントは増えません。塁上のすべてのランナーには1つ先の塁に進める「安全進塁権」が与えられ、一塁にいたランナーは二塁へ、二塁ランナーは三塁へと進むことができます。
三塁ランナーがいた場合は、無条件で相手に1点入ることになるので、非常に大きなペナルティといえるでしょう。

そのため、ランナーがいない状態でピッチャーがボークに当たる動作を行っても、特にペナルティはありません。反則投球に当たる場合は、投げたボールのコースに関わらずボールカウントを1つ増やして試合を続行します。

ただし、ボークと宣告された投球をバッターが打ち返してヒットやエラーにつながり、ランナー全員とバッターが進塁できた場合は、ボークは適用されずに試合続行となります。キャッチャーがボールを後逸してランナーが進んだ場合も同様です。
打ち返した打球が捕られたなど、ランナーがいる状態でバッターがアウトになった場合は、ボークが宣告されます。

 

■ボークを取られないようにルールを覚えておこう

ボークは、プロ野球でも比較的見ることが多い反則のひとつです。塁上にランナーがいる場面で安全進塁権が与えられるので、攻撃側に有利な状況となってしまいます。ピンチが広がり、最悪の場合無条件で1点を相手に献上するなど、試合の流れを左右する恐れもある反則です。そのため、ピッチャーはボークを取られないように心がける必要があります。
多少複雑でわかりづらいルールもありますが、何をしてはいけないのかをしっかりと理解しておくことが大切です。ルールを覚えておき、ボークで無駄な失点をしないようにしましょう。

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