球速アップするためのコツは? 効果があるトレーニングと合わせてご紹介
野球において、速い球を投げることができるのはピッチャーの魅力のひとつであり、打者を打ち取るためにも重要です。特にトレーニング理論が発展した近年は、150キロを超えるストレートを投げる投手がプロ、アマチュア問わず珍しくありません。メジャーリーグでは160キロを超えるボールもよく見られます。
では、そのような速いボールを投げるためにはどのような点に注意し、どのようなトレーニングを行う必要があるのでしょうか。ここでは、球速アップのために注意したいコツと、効果的なトレーニング方法をご紹介します。
【目次】
■球速アップのコツ
球速をアップさせるためには、どのような点に注意して投球すれば良いのでしょうか。まずは、球速アップに欠かせないコツをご紹介します。
・正しい投球フォームを覚える
勢いのある力強いボールを投げるためには、ボールにしっかりと力を伝えきらないといけません。そのためにはまず、正しい投球フォームで投げることが重要です。
正しい投球フォームを習得することで球速アップだけでなく、コントロールが安定したり怪我のリスクを減らしたりできるといった、副次的な効果も期待できます。
ピッチングの際は、利き腕の肘をしっかりと肩の高さまで上げられているか、適切なステップ幅で足を踏み出し、腰の回転を利用してボールを投げられているかなどを確認しながら投げると良いでしょう。
・上半身の筋肉を鍛える
正しい投球フォームを覚え、自身の持つ力を完璧にボールに伝えられたとしても、前提となる筋力が不足していれば球速アップは見込めません。
そのため、球速アップを目指す際は筋肉を鍛えることも重要です。特に投球の際に使われる肩甲骨周りや股関節周り、腹筋や背筋といった体幹、インナーマッスルを重点的に鍛える必要があります。
球速アップだけでなく怪我の予防や打撃への影響もあるため、筋肉を鍛えておいて損はありません。
・下半身を強化する
上半身の筋肉だけではなく、野球は下半身の筋肉も重要なスポーツです。
特に投球動作に関しては、一度完全に静止した状態からボールを投げることになるため、下半身がぶれない持久力と瞬発的に力を発揮することが求められます。
下半身の筋肉量が不足していると投球フォームがばらついてしまい、結果としてボールに力をうまく伝えられない、コントロールが悪くなるといったさまざまな悪影響を及ぼすため、上半身の筋トレだけでなく、下半身も重点的に鍛えるようにしましょう。
・体重移動
投球の際は一度軸足に体重を乗せてから、踏み込みの際に前足側へ体重を移動させる必要があります。上半身が突っ込んだ、いわゆるタメのない体重移動を行うと、地面を蹴りだした際の下半身の力をボールに乗せることができず、力のないボールになってしまいます。
体重移動のコツは、軸足に乗せた体重と上半身はできる限り後ろ側に残し続け、ステップする足(右投げの場合は左足)が地面に着いた瞬間に体重を前方に移動させるように意識することです。
軸足に体重を乗せる際は、軸足の親指側半分に体重を乗せる意識を持つと良いでしょう。
・ボールのリリースにも注意
ボールを投げる際は、投げる瞬間まで指先がボールに触れています。指先をうまく使えないと、ボールに力を伝えきることができません。
体全体の筋肉をしっかり鍛え、正しい投球フォームや体重移動を身に着けたら、ボールのリリースポイントにも気を付ける必要があります。
リリースでボールに力を伝えられると球速アップに役立つだけではなく、回転数が多くノビがあると形容されるストレートを投げることができます。
ノビの良いストレートは球速以上にボールを速く見せる効果もあるため、ただ球速が速いだけのボールよりも打たれづらいなど、メリットも大きいです。
コツとしては、リリースの瞬間に最大限の力を発揮し腕を振れるよう、リラックスした状態を意識して投球を行うことが大切です。
また、ボールを軽く握ることによって指に力が入りやすく、リリースポイントにしっかりと力を伝えられるようになります。
■球速アップに効果があるトレーニング方法
ストレートの球速をアップさせる際に注意したいコツは前述の通りですが、球速アップにつながるトレーニングにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、球速アップのために取り入れたいトレーニングをご紹介します。
・シャドーピッチング
バッターが素振りでバッティングフォームを固めるように、ピッチャーも投げ込みやシャドーピッチングで投球フォームや体重移動を体に覚えさせることが大切です。
シャドーピッチングの場合は室内で行えるため、雨の日などでも練習できます。しかし、マウンドの傾斜が無いなど、グラウンドでのピッチングとは感覚が多少異なるため、下半身の使い方や腰の回転の仕方を覚えることに力を入れると良いでしょう。
屋外で行う場合は、ブルペンでの投げ込みやキャッチボールで投球フォームを確認することができます。もしくは遠投を行い、ボールを投げる際の体全体の使い方を確認するのも手です。
・筋トレ
ピッチングの際に使う筋肉を効率的に鍛えるには、筋力トレーニングを行う必要があります。腕立て伏せや腹筋、背筋といった体幹を鍛える筋トレがおすすめです。
腕立て伏せは肩幅より少し広めに腕を開いた状態で、肩甲骨を意識しながら行いましょう。肩甲骨の可動域を増やし、その周辺の筋肉を鍛えることで、より力強いボールを投げられるようになります。
腹筋や背筋は腰を痛めてしまう可能性もあるので、注意して行う必要があります。プランクなど、腰への負担が少ない筋トレを行うのも良いでしょう。
速いボールを投げられるピッチャーは背筋力が強いことが多いため、背筋は積極的に取り組みたいトレーニングです。
また、ゴムチューブなどを利用してインナーマッスルを鍛えることも重要です。
体の内側にあるインナーマッスルを鍛えることにより、球速アップや怪我の防止が期待できます。ゴムチューブは体重移動のトレーニングにも活用できるため、あると非常に便利です。
・走り込み
プロ野球選手も行っている走り込みは、下半身を酷使する野球において非常に重要なトレーニングです。下半身を安定させることで投球時に軸足がふらつかず、力強い蹴りだしを行えるようになります。
逆に下半身が安定していないと、球速の速いストレートを投げる以前に、コントロールが安定しません。
野球では下半身の瞬発職と持久力の両方を必要とするため、長距離のランニングと短距離のダッシュを両方行うと良いでしょう。
また、スクワットの姿勢からジャンプするトレーニングも、下半身の瞬発力強化につながるためおすすめです。
・ストレッチ
肩回りや胸部、股関節といった部位の可動域が狭いと、速いボールを投げることはできないうえ、体をうまく使うことができず怪我につながる恐れもあります。
速いボールを投げることができるピッチャーは股関節の可動域が広く、下半身をうまく使えていることが多いため、股関節周りは重点的にストレッチを行うようにしましょう。
練習前後にストレッチを取り入れるなど、日頃から体を柔らかくできるように心がけることも大切です。
■球速アップのためには日々のトレーニングが大切
球速アップを目指すうえで重要なことは、上半身と下半身の動かし方やリリース、体の筋肉量です。基本的な練習を繰り返し、投球フォームを体に覚えさせながら筋力を上げていくことが、結果として球速アップにつながります。
日々のトレーニングを怠らず、地道に努力を積み重ねていくことが大切です。
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