子どもとの山登りで自然に触れよう! 事前の準備が安全に楽しむコツ
豊かな自然の中で体を動かせる山登り(トレッキング)は、老若男女を問わず人気が高いアウトドアアクティビティのひとつです。休日に、子どもと一緒に山登りにチャレンジしてみたいと考えている保護者の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、子どもは体ができあがっておらず、大人よりも体力面で劣ります。親子で一緒に山に登る時は、いつも以上に入念な準備が必要です。
ここでは、子どもと山登りにチャレンジする魅力や、事故を防ぐために注意したい点などをご紹介します。
【目次】
■子どもと山登りに行くメリットは?
親子での山登りは、自然を楽しむ以外にもさまざまなメリットを得ることができます。子どもと一緒に山登りを楽しむメリットとしては、次のような点が挙げられます。
・基礎体力が身につく
山登りでは、長い時間をかけて山道を歩き続けることになります。体を動かし続ける持久力をはじめ、基礎体力を鍛えることが可能です。
坂道や階段といった道が多いため、足腰の強化にもつながります。
山によっては道がしっかりと整備されておらず、岩場などの足元が不安定な道にチャレンジすることもあるでしょう。足に力を入れて踏ん張る、リュックを背負いながら真っすぐ立つなど、バランス感覚を養うこともできます。
自然を楽しみながら基礎体力を身につけられるのは、子どもと山登りに行く大きなメリットのひとつです。
また、普段から仕事が忙しく、なかなか運動するタイミングがない保護者の方にとっても、山登りは子どもと一緒に体を動かす良い機会になります。
・達成感を得られる
困難に打ち勝って山を登り切ったという経験をすることで、達成感を得られる点もメリットといえます。
山登りは、経験の少ない子どもにとっては大きな挑戦です。山に入ること自体を恐ろしく感じたり、長く歩き続けるうちに疲れたりすることもあるでしょう。
そのような困難を克服することで、「自分でもがんばればできる」という気持ちを持たせられます。
山頂までたどり着けないこともあるでしょうが、山登りの目的は山頂に行くことだけではありません。坂道をがんばって登った、自分で荷物を背負ったといった小さな体験の積み重ねが、達成感や自己肯定感につながります。
・非日常感を味わえる
都会では、自然と触れ合える場所は減りつつあります。緑に囲まれた山道を歩くことで、非日常感を味わえる点も山登りの魅力です。
普段は見る機会がないさまざまな植物や川のせせらぎ、野生動物の鳴き声、土の感触など、五感を刺激することにもつながります。
また、山という非日常的な空間に家族全員で挑むことで、コミュニケーションのきっかけになる点もメリットです。
■親子での山登りを安全に行うコツ
子どもの成長につながる、非日常感を味わえるなど、さまざまなメリットを得られる山登りですが、道迷いや滑落など、大きな事故につながるリスクも秘めています。
安全に山登りを終わらせるためには、事前の準備や行動中の心構えが欠かせません。
子どもと山登りにチャレンジしたい方は、以下のコツを覚えておきましょう。
・子どもの体力に合った山を選ぶ
山登りは、基本的には何歳の子どもでも楽しめるアクティビティです。とはいえ、1~2歳の子どもを連れて標高2,000mを超える高山に登ったり、距離が長いルートを歩いたりするのは現実的とはいえません。
子どもの体力や成長度合いに合わせて、山登りの計画を立てることが大切です。
子どもが幼稚園や小学校低学年くらいの場合は、標高差(登山口から山頂までの標高の差)が小さく、急斜面などの危険な場所がない山を選びましょう。
大人と比べて倍の移動時間がかかると見積もり、余裕を持って下山できる短いコースを設定するのがポイントです。
朝早くに山登りを開始して、天候が崩れやすくなる午後には下山するような計画を立てると、より安心できます。ロープウェイが整備されており、すぐ下山できる山を選ぶのも良いでしょう。
また、人気が高く多くの登山客が訪れる山は、登山道やトイレが整備されている可能性が高いです。子どもが一緒でも安心して登りやすくなります。
子どもが小さい場合は、山頂などの目的地を目指すのではなく、山歩き自体を楽しむことを意識してみてください。
体力がついている中学生や高校生の場合は、標高が高い山にチャレンジしてみるのもおすすめです。
・山登り用の装備をそろえる
山の中は、日頃生活している市街地とは大きく環境が異なります。快適に山登りを行うには、山の環境に適した服装や道具の準備も必須です。最低限、次の装備は用意しておきましょう。
【最低限用意したい装備の例】
・トレッキングシューズ(登山靴)、衣類、リュック、レインウェア、帽子、携帯食・飲み水、救急キット、地図、コンパス、タオル など
衣類は、脱ぎ着して体温を調整できるように、複数枚を重ね着するのが基本です。速乾性に優れているものを用意しましょう。悪天候に備えて、レインウェアも必須です。
また、時期によっては、日焼け止めや虫よけスプレー、使い捨てカイロなども用意しておくと役立ちます。
・こまめに休憩を取る
年齢にもよりますが、子どもの体力で大人と同じように動き続けることはできません。子どもの体調やペースなどを鑑みて、こまめに休憩を取ることも大切です。
ただし、長時間の休憩を設けると、子どもの集中力や興味が途切れてしまう可能性があります。ご飯休憩以外は、水分補給やおやつ、トイレといった小休止程度にとどめると良いでしょう。
・山でのルールを決めておく
普段とは異なる場所に行き、日頃目にすることがないものを見ると、テンションが上がってしまうものです。子どもが興味の赴くまま、1人でどこかに行ってしまうこともあるでしょう。
山の中ではぐれたり、道に迷ったりすると、命に関わる恐れがあります。目を離したすきに足を滑らせて、滑落してしまう恐れも捨てきれません。
事前に、必ず保護者と一緒に行動する、1人でどこかに行かないなど、山歩き中のルールを決めておくことが大切です。
また、山道には普段とは異なるルールも存在します。すれ違う人にしっかりとあいさつする、自分で出したごみは必ず持ち帰る、石を蹴飛ばさない、植物を持ち帰らないといった、山の基本的なルールやマナーも伝えておきましょう。
■親子で山登りにチャレンジしよう
子どもにとって、普段とは異なる環境で行動する山登りは、さまざまな体験ができる貴重な機会です。長時間山道を歩き続けることで、基礎体力を身につけたり、達成感を得たりできる点もメリットといえます。
とはいえ、山は危険と隣合わせの場所です。けがをすることなく安全に楽しむには、しっかりとした事前準備が欠かせません。
ご紹介した内容を参考に、トレッキング用の装備を用意したり、計画を立てたりして、親子で山登りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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