【★短期連載★最終回】「脱・初心者キャンパー」宣言!! 嫌な小雨も「趣」に変える、タープを使ったキャンプ術
2024年1月から始まった短期連載も最後。
最終回は、タープを使ったキャンプについて、ヒロシさんにうかがいました。
タープをテントの上にかぶせる、タープをテントの代わりに使う。
初心者キャンパーから抜け出すための、タープ術をレクチャーしていただきました。
【目次】
■小雨を「趣」に変えるタープ
第4回のコラム で、初心者は、まず、コスパのいいドーム型テントを買おう、という話をしました。そして2つ目に買うテントの話もしたのですが、今回紹介するタープ使いは、その中間的な扱いかもしれませんね。
タープは、要は1枚のキレです。レジャーにも使えるブルーシートと思ってくれてもいい。防水加工になっているタープを、キャンプに導入するだけで、より快適になったり、より楽しめたりするんです。
キャンプに行ったときに、もっとも困るのが雨ですね。大雨になったら、諦めて帰るしかない。増水する川の近くや、山の土砂崩れが心配される地域は、危険ですから。
一方、ちょっとした小雨が降ってきた場合。心配する危険のないスポットでキャンプをしていたら、帰ったり落ち込んだりするのではなく、普段はできない〝小雨キャンプ〟を楽しむのも、大人の楽しみ方といえます。
そこで使用したいのが、タープなんですね。
たとえば、使っているドーム型テントの上に、4本のポールを使って、タープで傘のように覆う。すると、テント周りの雨を、防ぐことができます。
僕のような、ソロキャンプで1人用のテントを使っている場合であれば、小さいレジャーシート(1.8メートル×1.8メートル)をテントの入り口の上に張るだけで、身の回りの雨を防げます。薪を濡らさずに置けるスペースができたり、タープの下で焚き火も楽しめますよね(タープと焚き火は、一定程度、離してくださいね)。それに。靴が泥で汚れないことも、地味に嬉しい。利便性や快適性がグッと上がります。
子どもや友達とかと、大きめのテントを張っている場合ではどうか。大き目のタープ(3メートル以上×3メートル以上)があれば、雨に濡れないスペースを広げられます。そこに椅子やテーブルを用意すれば、タープの下が、カフェスペースに早変わり!
雨の中、タープの下では、悠々自適に過ごせます。タープに当たる雨の音も、趣深いですよね。こういう、外なのに守られているスペースって、子どもにもスゴくウケるんですよ。
なので、タープを買い足して、「テント+タープ」といった楽しみ方を覚えてみるのは、いいと思います。
ヒロシが使うタープはDDハンモックのもの。3.5メートル×3.5メートルの大きさだが、これだけ大きいと、汎用性は高い!
■タープ1枚でデイキャンプを楽しむ!
それと、タープ1枚で簡易的なテントを作ることもできます。ただ、これには大きなタープ(3メートル以上×3メートル以上)が必要となってきますね。100円ショップとかでも売っているような1.8メートル×1.8メートルのレジャーシートだと、難しい。
タープ一枚でいろいろな張り方があるのですが、デイキャンプを気軽に楽しむときにおすすめのが、ビークフライという張り方です。これは初心者でも簡単に立てられるうえ、しっかり立てれば、雨や風にも強いというメリットもあります。
用意するのは以下です。
・3メートル×3メートル、もしくは3.5メートル×3.5メートルのタープ1枚
・ポール(3メートル×3メートルのタープなら150センチほど、3.5メートル×3.5メートルのタープなら170センチほど)2本
・ロープ3本
・ペグ6~8本
設営はとても簡単です。ここでは僕が使っているDDタープを例にします。
①まずは、タープを裏返しに広げたら、③と⑤と⑨の3箇所にペグを打って、地面に固定します。この3点でできる三角形のスペースが、テントの底になります。
タープは、レジャーシートと違って、ループがついているものが多い。これがあるのとないのでは、利便性が全然違う!
②次に、ポールを⑤の近くに立てて、その先にタープの⑮についている輪っか(ループ)を持っていき、ポールの先端に引っ掛ける。引っ掛ける輪っか(ループ)がついていないシートを使っていたら、麻紐などを別に用意して、簡易的な輪っかを作ってください。
③そして、ポールが倒れないよう、ポールの先端と地面を、ロープで緩みが出ないように突っ張って、ペグを地面に打ち付けます。これで大方、完成ですね。
大方完成のビークフライ。
あとは、前を跳ね上げて、別のポール(こちらも地面に対してロープに緩みが出ないように固定!)に引っ掛ければ、屋根付きのスペースが作れます。この下に、
第3回目のコラム
で紹介したような、折りたためるアウトドアチェアを置いてもいい。周りのレジャーシート組をよそに、一気に優雅な感じになります(笑)。
後ろにもループがついている。ポールを使ってこれを後ろに突っ張ると、ビークフライの中が、少し広くなる。
それに、全部を閉じて、外から中を見えないように、フルクローズドすることもできます。
ここでは、入り口を止めるのには麻紐を使っているが、カラビナを使うと脱着しやすいし、おしゃれになる。
ただ、ドーム型テントと違って、地面を這う昆虫は、簡単に侵入できます。なので、「これで一泊!」というよりは、日帰りのデイキャンプ向けの張り方だと思いますね。わざわざテントを持っていかなくても、キレ1枚で済むため、荷物を減らすこともできますから。
タープの張り方って、他にもたくさんあって、たとえば、形のかっこいいステルス張りなんていうのもあります。これはビークフライよりは難しいですが、周りから見ると、「おっ! なんだあれは!」というような眼差しも集められる。いいか悪いかわかりませんが(笑)。
ステルス張り。「ステルス張りの他に、ダイヤモンド張りといった張り方もあります」(ヒロシ)
■愛車とタープの合わせ技も
それと、タープがあると、愛車との組み合わせも、より楽しくなります。
キャンプ場によっては、テントを立てるサイトまで、車が乗り付けられるところがあります。そういうところだと、愛車のバックドアを上げて、そこにタープを組み合わせれば、愛車の隣にリビングスペースが作れます。日除けもできるから、肌を気にする方にもぴったりです。
漫画家の小田原ドラゴンさんが車中泊のマンガを描かれていますが、キャンプ場で車中泊をする際も、タープがあるとすごい便利です。
あとは、今回の短期連載では紹介しませんでしたが、ハンモックを使ったキャンプをするときは、タープはあったほうがいいです。もし、ハンモックキャンプをしているときに、雨が降ってきたら、ひどいことになりますから。ハンモックの上に、タープを張れば、そういうトラブルも防げます。
ハンモックキャンプをするヒロシのサイト。愛車のジムニーが隣にあるのもしぶい!
タープを買うタイミングは人それぞれですが、初心者キャンパーからの脱却アイテムとして考えてみてもいいかもしれませんね。