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other2024.10.02

卓球のカットマンとは? ラケットの種類や必要な技術もご紹介

卓球は、ボールに回転をかけたりコースを突いたりして相手が打てるコースを限定するなど、戦略性の高い球技です。さまざまな戦術やプレースタイルを駆使して得点を重ねていきますが、プレースタイルのひとつに「カットマン」と呼ばれるものがあります。
しかし、名前を耳にしたことはあるものの具体的にどのような戦術なのか知らない方や、知っていても有効な戦術なのか疑問に感じている方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、卓球のカットマンの概要や、必要とされる技術のポイントをご紹介します。

 

【目次】

■卓球のカットマンとは?

■カットマンが使用するラケットの種類

■カットマンのデメリット

■カットマンに必要な技術

・基本的なカットの打ち方

・返球のバリエーション

・前陣での処理も鍛える

■カットマンに対する攻め方のコツ

■練習を重ねてカットマンを習得しよう

 

■卓球のカットマンとは?

卓球のカットマンとは?

 

卓球の戦術には「ドライブ主戦型」「前陣速攻型」「シェーク異質型」など、さまざまな種類があります。卓球のカットマンとは、「カット主戦型」と呼ばれる戦術をメインに戦うプレースタイルのことです。

カットマンは、相手に強打されてもボールにバックスピン(下回転)をかけて返球し続ける、守備に特化した戦術を取るのが特徴で、粘り強くラリーを続けてチャンスの場面で攻撃に転じます。
卓球において、強いバックスピンをかけたボールをそのまま打ち返しても、ボールは前に飛びません。ラケットの振り方や面の向きを調整して対応する必要があります。

つまり、カットマンが下回転をかけて打ち返したボールは、そのままドライブなどの強打ができないということです。粘り強くラリーを続けてミスを待つカットマンは、長いラリーや下回転のボールに慣れていない相手には有効な戦術といえます。

 

■カットマンが使用するラケットの種類

卓球は、戦術によってラケットのラバーを使い分けています。カットマンが使用するラケットは、表面(フォア)に平らな裏ソフトラバー、裏面(バック)に細かな粒がたくさんついた粒高ラバーを使うことが多いです。

裏ソフトラバーは、ボールに触れる面積が大きく球持ちも良いため、強い回転をかけることができます。力強いドライブを打つこともできるため、守備だけではなく攻撃の面でも使える優秀なラバーです。
一方で、粒高ラバーはボールにかかった回転の影響を受けづらいのが特徴です。自分で回転をかけることには向きませんが、相手の打ったボールの回転に対して真逆の回転をかけられる、無回転のボールを打てるなど、相手を翻弄してミスを誘えます。

ただし、攻撃を重視する傾向にある現代卓球においては、両面とも裏ソフトラバーを貼り、ドライブやスマッシュで攻撃を仕掛けるカットマンも多くなっているようです。

 

■カットマンのデメリット

カット主戦型をメイン戦術に据えたカットマンには、確実に得点を奪うショットがないというデメリットがあります。
基本的に、卓球では回転に対して正しくラケットを出せばボールを返せます。トッププロ同士の試合になるとカットだけで相手を崩すのは難しく、似た打ち方でボールの回転を変えたりドライブで緩急をつけたりと、さまざまな変化をつけなければいけません。

また、カットマンは要求される技術が多いです。カットの技術に加えて、他の戦型と同じようにドライブやスマッシュといった得点を奪える打ち方を覚える必要があります。卓球台から離れた位置に構えるため、左右だけでなく前後へのフットワークも欠かせません。
他の戦型よりも習得に時間がかかる点は、カットマンの大きなデメリットといえます。

 

■カットマンに必要な技術

カットマンに必要な技術

 

カットマンはさまざまな技術を駆使して戦略を組み立てる必要があります。具体的に、カットマンを目指すうえではどのような技術を覚えれば良いのでしょうか。
カットマンに必要な技術をご紹介します。

 

・基本的なカットの打ち方

前提として、基本的なカットの打ち方を覚える必要があります。フォアハンドやバックハンドにかかわらず、ラケットを上から下方向に振り下ろし、ボールに下回転をかけて打ち返すのが基本的なカットの打ち方です。
カット打ちの際に意識したいポイントは、以下の通りです。

1.肩幅程度に足を広げて重心を落としたら、ラケットを肩くらいの高さに構える
2.ラケットを押し出すように上から下に振り下ろし、ボールにバックスピンをかける

右利きの選手の場合は、ボールを引き付けながら左足から右足に体重移動するイメージを持つと、スムーズにカットできます。

 

・返球のバリエーション

返球のバリエーションを増やすことも大切です。カットだけでボールを打ち返していては、相手も徐々に慣れてきて、得点を奪うことができません。
フォアカットやバックカットに加えて、無回転に近いボールを打つナックルカットや、ドライブ気味に返すカーブロングなどの打ち方も練習しましょう。ボールの回転や軌道に変化をつけることで、相手のミスショットを誘いやすくなります。それぞれの打ち方のコツは、以下の通りです。

【ナックルカットのコツ】
1.肩幅程度に足を広げて重心を落とし、ラケットは肩くらいの高さに構える
2.手首を固定し、ラケットをボールに被せるイメージで上から下に振り抜く

【カーブロングのコツ】
1.ボールを引き付け、スピードが落ちるのを待つ
2.ボールの横側を捉えるように、ラケットを下から上にスイングする

カット主戦型は相手が返球をミスして甘いボールが返ってくることも多いです。フォアハンドのドライブやスマッシュといった、得点につなげやすい打ち方も練習しておくと、試合を優位に進めやすくなります。

 

・前陣での処理も鍛える

カットを戦略の主軸とするカットマンは、中陣や後陣など台から少し離れた場所でプレーするのが基本です。しかし、実際の試合ではショートサーブやツッツキといったテクニックを相手に駆使され、台から離れられないことも考えられます。

前陣での守りが苦手だと相手に得点を奪われる可能性が高くなるため、前陣での処理を鍛えることも重要です。前陣でも相手の攻撃を防げれば、試合展開を優位に進めやすくなります。
中陣や後陣からカットで返す技術だけでなく、前陣に構えていても返球できるように練習しておきましょう。

 

■カットマンに対する攻め方のコツ

自身がカットマンなのではなく、対戦相手がカットマンだった場合はどのように戦術を組み立てれば良いのでしょうか。

カットマンに対して攻撃する際は、打てるカットかどうかを見極める必要があります。一口にカットといっても、1球ごとにボールの回転量や方向は異なります。回転に合わせてラケットを出し、ドライブを打てる回転のボールをひたすら待つ戦術を取るのがおすすめです。高く跳ねるボールを狙うと、下回転でもスマッシュを入れやすくなります。
緩いボールを打たせるために、ボールを卓球台に収めやすいストップやツッツキなども活用して、相手を前後左右に動かすのも良いでしょう。

また、相手がドライブやスマッシュを多く織り交ぜるカットマンの場合もあるはずです。カットが来るのを前提にするのではなく、強打してくると意識しておくのも有効です。カットはドライブに比べるとスピードが遅いため、対応しやすくなります。

 

■練習を重ねてカットマンを習得しよう

カットを主軸に試合展開を組み立てるカットマンには、多くの技術が求められます。練習することが多く習得が難しいため、プロでもあまりカットマンは多くありません。

しかし、裏を返せば相手は対策を取りにくいということでもあります。トッププロのレベルでない限り、カットマンを極めることで試合を優位に進めやすくなるはずです。
守備的な戦術に興味がある方は、今回の記事を参考にカットマンを目指してみてはいかがでしょうか。

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