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running2024.09.13

WAVE RIDER 28(ウエーブライダー 28)、これが定番の実力

■WAVE RIDER 28(ウエーブライダー 28)が発売

さあ、今年もやって参りました。この時期の恒例行事と言ってもいいでしょう。

WAVE RIDER(ウエーブライダー)シリーズがモデルチェンジ、その28代目、WAVE RIDER 28が9/6(金)に発売されました。

1997年にスタートしたこのシリーズは、今やロングセラーモデルに成長。28というナンバーリングは、ブランドを超えて、シューズ業界全体でも古参シリーズの一つとなっています。

では、今回のWAVE RIDER 28が一体どう変わって、どんな特徴があって、そして、どんなランナーにフィットするのか、その辺りを踏まえて解説していきましょう。


■定番ゆえの変わらない良さ、ウエーブライダーシリーズ

WAVE RIDER 28だけではなくて、このようなロングセラー定番シリーズは、多くの年月の間にたくさんのファンがいることもあって、ドラスティックで大胆なモデルチェンジは好まれない傾向にあります。

大事に守られている“ライダーらしさ”といった変わらない部分と、そして、新しく加わってワクワクできる、変わっていく部分が混在して、その絶妙なバランス感にてアップデイトされるのが、言わば定番モデルの宿命なのです。

ドシッとブランドのラインナップのど真ん中に存在して、ブランドの入り口、ベースモデルとして君臨するのがウエーブライダーシリーズの役目。他のラインナップが輝けるのもライダーの存在感が実は大きいというわけです。

ですから、今回の28代目もそのフレーム、骨格は大きくは変わらず、その中身にピリッと、それも全体にも影響を与えるような機能性がプラスされた“らしさ“のある定番のアップデイトになっています。では、その実力を細かく見ていきましょう。


■ウエーブライダーシリーズのその骨格部分は変わらない

ウエーブライダーと言えば、そのミッドソールのドロップ(厚みの前後差)が、今回も業界最高の12mmで、つまりこれは、前足部の厚みが1.2cmも薄くなることになり、言わば、ランニング中、ランナーに緩やかな下り坂のガイドを提供するものになっています。

定番のトラディショナルガイドは、両足揃えて体を揺らしてみてください、自然にガイドされるはずです。これこそが長く愛されるウエーブライダーシリーズの変わらない骨格部分、フレームの正体なのです。

そして、ミッドソール上層部と下層部にサンドイッチされているお馴染みMIZUNO WAVE(ミズノ ウエーブ)は、今回も時代の歩調に合わせるように環境負荷を減らした植物由来のバイオペバックスで作られたプレートになっていて、しっかり全体をまとめる感覚、ここにもいつもの“らしさ”あり、安定要素の要となっています。

また、ウエーブライダーと言えば、ビシッとしっかりとしたフィット感も特徴。デイリートレーナーシューズの機能性の要、ヒールカップのカウンターはとてもしっかりとしたものが採用されていて、踵の“座り心地もいい”フィット感となっています。

これらライダーの骨格はガッチリ今回もそのまま、“らしさ“はしっかり感じることができるアップデイトになっていますね。


■定番に搭載される新機能、MIZUNO ENERZY NXT(ミズノ エナジー ネクスト)

そして、そんないつもと変わらないフレーム(骨格)に、今回、ウエーブライダー 28としてピリッと新しいスパイスが加わりました。その筆頭が、ミッドソール下層の素材に採用されたMIZUNO ENERZY NXT(ミズノ エナジー ネクスト)です。

これは、話題のミズノ初のスーパートレーナー、MIZUNO NEO VISTA(ミズノネオ ビスタ)に初めて搭載されたミッドソール素材で、トレンドの素材、反発弾性のあるPEBAX(ペバックス)や新成形技術のスーパークリティカル(超臨界)で発泡・圧縮されたものではなくて、実にここは日本企業らしいのですが、従来素材EVAでの発泡・圧縮テストを繰り返して、ソール硬度最適解を求めて作られたものなのだそう。

ソフトなクッションでバウンドの返りも遅延なく、反応いいミッドソール素材、そんな“実績のある新機能“が、今回の定番ライダーにも搭載されたわけです。ワクワクさせられる機能で、これは、定番ライダーにとってはある種の“事件”ですね。


■実走した感触はどうか?

いても立ってもいられず、早速実走してみると、いつものように12mmドロップのオートマチックなガイド感はそのまま、ただ、前回のMIZUNO ENERZYだけで構成されたミッドソールより、下層部がMIZUNO ENERZY NXTになっただけでこんなに違うのか、と。

この素材の特徴、柔らかさで素材が少し潰れるのでしょうか、着地時の接地感覚は、いつもよりフラット、ドロップ差がないように感じます。それにより、むしろ、前方の接地感もマイルドで蹴り出しまでスムーズになりましたね。

まさに今回のコンセプト、RIDE THE WAVE (波に乗る)という感じで、とてもスムーズなライド感のシューズになりました。


■新しい形状になったMIZUNO WAVE(ミズノ ウエーブ)が効いている

そして、こんな波に乗る感覚のライド感を引き出し、まとめているのは、やはりミズノウエーブ、定番機能性が今回更なる微調整で進化、その貢献は大です。

前作よりもワイドな面積になり存在感があるプレートは、さらに中心部のシャンクエリアに厚みを持たせるように工夫され、軽量感と剛性において絶妙なバランス感のプレートになっています。

シャンクとして足=シューズの捩れをコントロールすると同時に、後足部全体、踵まわりの安定感も担保するような、ホント、このMIZUNO WAVEが全体をまとめている印象です。

樹脂=硬いと言われ続けたこのMIZUNO WAVEは、MIZUNO ENERZY NXTというソフトな素材を掛け合わせることによって、ミッドソールの機能性、そのベストバランスを生み出した、と言ってもいいでしょう。


■WAVE RIDER 28はどんなランナーに合うのか

このように機能がバランス良く搭載された定番のウエーブライダーシリーズは、ミズノのランニングシューズを初めて履くランナーにもピッタリ。もちろん、それだけでなくて、初めてデイリートレーナーを選ぶ、もしくは、初めてランニングシューズを選ぶというランナーにも手放しでオススメできるモデルなわけです。

まさにブランドの入り口、ベースモデル、定番モデルなわけですね。

でも、例えば、WAVE REBELLION PRO 2(ウエーブリベリオンプロ 2)やMIZUNO NEO VISTAなどのモデルを愛用しているという、そんな実力者ランナーだって、このウエーブライダー 28は、デイリーマイルには欠かせないシューズ。だって、トレーニングのほとんどはジョグですからね、こちらも是非揃えてほしいです。

また、このソール内外をまたいで配置されるミズノウエーブは、外側にストレスが集中しやすいO脚のランナーにもオススメ。私もO脚ですが、ライダーは関節アライメントをニュートラルポジションに誘導、筋バランスを良好にしてくれるデイリートレーナーモデルの一つです。

これだけの歴史と機能性が安定して搭載されているモデルにも関わらず16,500円(税込)とは、その価格にも、定番として時代の歩調に合わせたプライス感覚、バランス感覚を感じますね。

一度も履いたことがないというランナーも、いつも履いているというランナーも、是非店頭で足入れをしてほしい1足。その定番の実力をより多くのランナーに感じてもらいたいですね。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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