フリーワード検索

baseball2025.02.25

野球のサイドスローとは? メリットや投げ方のコツなどを解説

野球のピッチャーのフォームには、さまざまな種類があります。プロ野球やアマチュア問わず、試合で見ることが多いのはスリークォーターやオーバースローですが、サイドスローという投球フォームを見たことがある方もいらっしゃるはずです。
野球の投球フォームは、種類によって体の使い方やボールをリリースする高さが変わるため、違いを知っておく必要があります。違いがわかれば、実際に投手としてマウンドに上がる際や、相手投手と対戦する際に役立つでしょう。ここでは、サイドスローの概要やメリット、投げ方のコツなどをご紹介します。

 

【目次】

■野球のサイドスローとは?

■サイドスローのメリット

・ボールに角度をつけられる

・横の変化球を投げやすい

・コントロールをつけやすい

■サイドスローの投げ方のコツ

・前傾姿勢を取る

・腕を後ろに引く

・腰の回転を利用する

■サイドスローでバッターを翻弄しよう

 

■野球のサイドスローとは?

野球のサイドスローとは、オーバースローやスリークォーターと同じく、投手の投球フォームのひとつです。腕が地面と平行に近い状態でボールをリリースするのが特徴で、サイドハンドや横手投げと呼ばれることがあります。英語では「サイドアーム スロー(sidearm throw)」や「サイドアーム ピッチ(sidearm pitch)」などと呼ばれます。

サイドスローは、腕を引くテイクバックの際に上半身を前に倒して、腕の遠心力や腰の回転を利用してボールを投げるため、遠心力を使いやすい腕の長い人に向いているフォームです。一方で、肩への負担は少ないものの、腰や肘への負担がかかる投げ方といわれています。

 

■サイドスローのメリット

サイドスローのメリット

 

オーバースローやスリークォーターといった投げ方をしている投手に比べると、サイドスローの選手はプロ野球でもあまり多くありません。しかし、対左打者のワンポイントなど、サイドスローならではのメリットをいかして大活躍している選手も見られます。
では、サイドスローにはどのようなメリットがあるのでしょうか。サイドスローの持つメリットを、3つご紹介します。

 

・ボールに角度をつけられる

腕を横に伸ばしてボールを投げるため、オーバースローやスリークォーターよりもボールのリリースポイントがマウンドから横に離れます。
右対右、左対左など、投手とバッターの利き腕が同じ場合はリリースポイントが見にくく、バッターのタイミングを外すことが可能です。

また、内角や外角など、投げるコースに関わらずボールに角度をつけやすいのもメリットです。
例えば、左ピッチャーが右バッターの内角にストレートを投げ込めば、より角度のついたクロスファイヤーになります。左対左の対決の場合は、バッターから見ると背中からボールが来るため、打ちにくさを感じるでしょう。アウトコースなら「遠いからストライクコースには入らない」とバッターが判断して、見逃してくれる可能性もあります。

ストライクゾーンの横幅を広く使って相手を翻弄できるのは、サイドスローの大きなメリットのひとつです。

 

・横の変化球を投げやすい

腕を横に振るため、スライダーやカーブ、シュート、シンカーなど、横回転の変化球が投げやすく、曲がりも大きくなります。
インコースから外に変化するボールで見逃しを奪う、外に大きく逃げる変化球で空振りを誘うなど、ボールに角度をつけつつ横の変化球を織り交ぜれば、ストライクゾーンをより大きく活用できるでしょう。

 

・コントロールをつけやすい

オーバースローやスリークォーターなどと比べると、サイドスローはボールをリリースするまでの体の傾きや目線の動きが少ないです。体重移動をスムーズに行え、リリースポイントも定まりやすいことから、安定したコントロールを身につけやすいのもメリットです。
プロ野球でも、制球難を理由にサイドスローへ転向した選手が活躍するケースは見られます。

ただし、サイドスローはボールの回転が横になるため、スピードや伸びのある球が投げにくいというデメリットもあります。縦の回転を加えやすいオーバースローのように、伸びのある直球を投げるのは難しいかもしれません。

 

■サイドスローの投げ方のコツ

サイドスローは、オーバースローやスリークォーターなどのフォームとは体の使い方が異なります。サイドスローを試してみたいという方は、投げ方のコツを知っておくことが重要です。同じ感覚でボールを投げると、コントロールが安定しなかったり、体を傷めたりする恐れがあります。

ここからは、サイドスローを習得する際に注意したいポイントを3つご紹介します。

 

・前傾姿勢を取る

サイドスローは腕の遠心力と腰の回転を利用する投げ方です。足のステップを踏む際は、前傾姿勢を取って体重移動を行いましょう。前傾姿勢の状態で体重移動を行うと、腰が回転して腕も自然と横から伸びます。
一方で、腕だけを横から伸ばそうとすると、コントロールが不安定になったり体に負担がかかったりするため、注意が必要です。

また、前傾姿勢を取る際は、背中を曲げずに真っすぐ伸ばし、リリースするまで体の軸を動かさないように意識するのがポイントです。上半身と一緒に頭が動くと体の軸がズレてしまい、コントロールが乱れたりボールに力が伝わらなかったりする原因になります。

 

・腕を後ろに引く

テイクバック(腕を引く動作)の際に、腕を大きく後ろの引くのもポイントです。腕を大きく引くことで、腕の遠心力を利用して投げられます。このとき、肘を曲げないことと、肩の力に頼らずにボールを投げることを意識してください。

また、ボールをリリースした後に、腕が体にぶつかるくらいの勢いでしっかりとフォロースルーを行うのもポイントです。フォロースルーに勢いがあれば、自ずと威力のあるボールを投げられているでしょう。

 

・腰の回転を利用する

サイドスローは、腰の回転を利用するほど腕の遠心力が増し、威力あるボールを投げやすくなります。足を上げたら、上半身を少しひねった後に体重移動に移行することを意識してみてください。上半身を後ろにひねることで、腰の回転する範囲を広げられます。
ステップ後はしっかりと踏み込み、重心を低く取ってボールをリリースしましょう。

また、腰の回転だけを意識すると、体の開きが早くなる場合があります。手投げになったりボールがシュート回転したりする原因になるので、体の開きを我慢することも重要です。
足を上げてからステップするまで、グローブをはめている腕とボールを持っている腕が平行になることを意識しましょう。例えば左ピッチャーの場合は、ステップを踏むまでグローブを1塁方向に向けたままにしておけば、体の開きを抑えられます。

 

■サイドスローでバッターを翻弄しよう

サイドスローには、ボールの角度をつけられる、横に変化する変化球を打ちやすい、体の使い方を覚えればコントロールを安定させやすいなど、メリットが多い投球フォームです。一方で、慣れていないとボールがシュート回転しやすく、体に負担がかかってしまう恐れもあります。
左投手対右バッター、右投手対左バッターなど、対戦相手によってはリリースポイントがわかりやすくなってしまったり、スピードのあるボールを投げにくかったりする点も、デメリットといえるでしょう。

ただし、サイドスローで大活躍したプロ選手も数多く存在します。サイドスローを極めて、バッターを翻弄するピッチングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

⇒野球・ソフトボール用品はこちら

BUY NOW

SEARCH フリーワード検索