【野球】盗塁でチャンスを演出しよう! 成功率を高める5つのコツ

野球は、ピッチャー(投手)の投げたボールを打って、ランナー(走者)を進めることで得点を目指すスポーツです。常にヒットを打ち続けられるのが理想とはいえ、打ち損じはどんな強打者でも起こり得ます。
ただ打ち続けるだけでなく「盗塁」も有効活用し、相手を翻弄することが大切です。
足が速い選手の専売特許と思いがちですが、盗塁は脚力以上に技術が求められるプレーでもあります。練習次第で、誰でも盗塁を行うことが可能です。ここでは、野球における盗塁の概要や、盗塁の成功率を高めるコツをご紹介します。
【目次】
■野球の盗塁とは?
野球の盗塁(スチール)とは、ピッチャーが投球動作に入ってから、塁上のランナーが次の塁へ進塁を試みるプレーのことです。
ランナーに進塁義務のあるプレーではないため、アウトを取るにはタッチプレーを試みる必要があります。
基本的には、キャッチャーからの距離が最も離れていて送球に時間がかかりやすい、1塁から2塁への盗塁(二盗)を試みるケースが多いです。
一般的な二盗や三盗以外にも、次のような盗塁を行うこともあるため、覚えておくと野球観戦などの際に役立つでしょう。
【ホームスチール(本盗)】
3塁ランナーがホーム(本塁)に盗塁するプレーをホームスチールや本盗と呼びます。成功する確率が低いため見ることはまれです。ホームスチールが決まると得点になります。
【ダブルスチール(重盗)】
2人のランナーがそれぞれ盗塁するプレーがダブルスチールです。2人とも盗塁に成功しないと、盗塁として記録されません。
【ディレードスチール】
ディレードスチールは、キャッチャーがピッチャーにボールを返す瞬間など、通常よりも遅いタイミングで走り出すプレーです。相手の意表を突くことができます。
■盗塁の成功率を上げるコツ
足が速い選手ほど有利とはいえ、盗塁は足の速さだけで決まるプレーではありません。日本のプロ野球には、プロとしては並程度の脚力にも関わらず、年間50盗塁以上を記録して盗塁王に輝いたプロ選手も存在します。
盗塁を成功させるには、足の速さ以上に技術が重要です。
盗塁の成功率を高めたい方は、次の5つのコツを意識するようにしましょう。
・リードを大きく取る
当たり前ですが、走る距離が短いほど塁までの到達時間も短くなるため、盗塁の成功率は上がります。可能な限りリードを大きく取って、次の塁までの距離を短くすることが大切です。
大きなリードを取ることによって、ピッチャーの意識がランナーへ向かい、バッターに集中できなくさせる効果も期待できます。
リードの取り方に決まった幅や方法はないので、自分が走りやすい距離だけ離塁するようにしましょう。
ただし、大きくリードを取るほど、牽制球でアウトになる可能性も高まります。牽制された時にアウトにならないように、自分が問題なく帰塁できる距離を普段の練習から把握しておくことが大切です。
この時、塁間を結ぶ直線から1歩下がった位置に立つようにすると、相手守備の様子が見やすく、帰塁も簡単になります。
・ピッチャーの癖を見切る
盗塁の成功率は、良いスタートを切れるかどうかに大きく左右されるものです。ピッチャーが投球動作に入ってすぐスタートを切れれば、盗塁の成功率は上がります。
ピッチャーの癖を把握して、牽制球がないと確認してスタートを切れる状況を作ることも大切です。
例えば、「相手ピッチャーは牽制する前に必ず目線を下に落とす」という癖がわかれば、帰塁・盗塁の判断材料になるため、アウトになる確率も減ります。
また、ピッチャーの癖だけでなく、相手バッテリーの配球を意識することもポイントです。基本的には、球速の遅い変化球を投げたり、バッターのインコースを狙ったりするタイミングの方が、盗塁は行いやすくなります。
落ちる球で三振を狙う組み立てが多い、アウトコースに外した後だからインに投げる可能性が高いなど、相手の配球を読むことも心がけましょう。
・リラックスして構える
どれだけ足が速い選手だとしても、スタートからトップスピードに乗るまでに時間がかかると、盗塁は成功しません。
リラックスして上半身の力を抜いた状態でリードを取り、走り出しやすい体勢で構えておくことも大切です。
体に無駄な力が入っていると、かえって体が動かしにくくなります。特に、盗塁を成功させようという意識を強く持っていると、体に力が入りやすいので注意してください。
・良いスタートを切る
相手ピッチャーの癖を見切ることが大切とはいえ、ピッチャーの動きに意識を向けすぎるとスタートが遅れてしまいます。スタートは勇気を持って、思い切り動き出すことを心がけましょう。
走り出す際は、右手を後ろに引きながら体の向きを進塁したい方向に向けると、体を動かしやすくなります。
また、スタート直後は歩幅を小さくして、目線を下に向けて低い姿勢で走り出すことも重要です。姿勢を低くした方が、素早くトップスピードに乗せられます。
・スライディングの技術を身につける
スタートや走る時のスピードに加えて、スライディングの技術も盗塁の成否を分ける重要なポイントです。
スライディングで減速してしまうと、ベース到達までのタイムが遅くなります。審判からベースについていないと思われるなど、誤審の可能性がある点も問題です。
スライディングの練習をしっかりと行い、スピードを可能な限り落とさないまま、オーバーランも防ぐような技術を身につけましょう。
また、スライディングでベースに滑り込んだ後は、すぐに上体を起こして立ち上がることも大切です。すぐに立ち上がる意識を持つことで、悪送球などのエラーが起きた時に次の塁を狙えるようになります。
■盗塁が成績として記録されないケースも
投球動作の間にランナーが進塁できたとしても、「盗塁」として記録されないケースがいくつかあります。自分の成績に関わることなので、どのようなケースで盗塁が記録されないのかを覚えておきましょう。
盗塁が記録されない主なケースは、以下のとおりです。
・バッターがボールを打った後に走り出した
・相手のエラー絡みで進塁した
・ボーク(反則行為)で進塁権が与えられた
・他のランナーがアウトになっている間に進塁した
ピッチャーのワイルドピッチ(暴投)や、キャッチャーのパスボール(捕逸)の場合、ピッチャーが投げた直後にランナーがスタートしていれば、盗塁として記録されます。
一方で、暴投または捕逸を確認してから次の塁に進んだ場合は、盗塁にはなりません。
■盗塁を決めてチームの得点力を高めよう!
盗塁の成功率を高めるために大切なのは、スタート、トップスピードに乗るまでの時間、スライディングの3点です。言い換えると、その3点を備えていれば、足が速くない選手でも盗塁は決められます。
盗塁が得意な選手がチームにいると、ピッチャーの集中力を削ったり、配球を単調にしたりする効果が期待できます。
足が遅いからといって、盗塁を諦める必要はありません。ご紹介した内容を参考に盗塁のコツをつかんで、チームの得点力アップに貢献しましょう。
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