フリーキックの蹴り方のコツ。基本を知ってさまざまな球種を蹴り分けよう
サッカーの見どころのひとつに「フリーキック(FK)」があります。実際にプロの試合などを見ていると、フリーキックの際はさまざまな球種を使い分けていることがわかるはずです。
ここでは、フリーキックの概要や種類、フリーキックの中でも基本となるカーブボールを蹴る際のコツをご紹介します。フリーキックを上手に蹴れるようになりたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
■フリーキックとは?
サッカーにおけるフリーキックとは、相手の反則があった位置にボールをセットして、相手ディフェンスに邪魔されることなくボールを蹴れるプレーのことです。
相手の反則に応じて、そのままゴールを狙える「直接フリーキック」と、キッカーを含めて2人以上の選手がボールに触らないとゴールが認められない「間接フリーキック」の2種類が使い分けられます。
フリーキックはコーナーキックなどと同じく、ボールが止まった状態からプレーを始められるセットプレーのひとつです。ゴール付近でフリーキックを得た場合は、大きなゴールチャンスになるでしょう。
■フリーキックの球種の種類
通常、サッカーの試合でフリーキックを行う場面では、相手ディフェンスは複数人でゴールとキッカーの間に壁を作り、シュートコースを限定してきます。そのためキッカーは、壁の高さやフリーキックを行う位置に応じて、ボールを曲げたり落としたりして対応しなければいけません。
フリーキックがうまくなるためには、状況に応じて球種を使い分けられる必要があります。フリーキックの際に使われる球種と、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
・カーブボール
足のインサイドやインフロントで擦り上げるようにボールを蹴ることで回転をかけ、軸足方向に曲がりながら落ちる変化をさせる球種です。実際の試合でも最も多く見られ、フリーキックの基本的な蹴り方といえます。
ボールが曲がりながら落ちていくため、ゴールポストの枠外を狙ってもゴールに入るのがカーブボールの特徴です。ゴールキーパーの判断が遅れ、シュートを見逃してしまうこともあります。
ただし、ボールに回転をかけていることからスピード自体はあまり速くなく、コースが甘いと簡単にセーブされてしまいます。変化させる球種すべてに共通しますが、どれくらい曲がるのかを自分で把握していないと狙った場所に蹴るのが難しい点もデメリットです。
・スライダーボール
右利きの場合、ボールの中心よりも右側を蹴ることで左回転をかけ、左側にボールを曲げる蹴り方です。軌道はカーブボールに似ていますが、よりスピードを出すことができます。
インサイド近くの硬い部分でボールを蹴るようにすると、スピードのあるスライダーボールを蹴りやすいです。
・スライスボール
カーブやスライダーボールとは逆に、ボールが利き足側に変化する蹴り方です。右利きの場合だと、ボールのやや左側をインステップからアウトサイド辺りで強く蹴ることで、左から右へと変化させます。
ボールにしっかりとパワーを伝える必要があり、ある程度の筋力が備わっていないと、鋭いスライスボールを蹴るのは難しいです。体がしっかりとできあがってからチャレンジすることをおすすめします。
・ドロップボール
ボールの下の面に足を滑り込ませて、上に向かって縦回転をかけるような蹴り方です。ドライブシュートと呼ばれることもあります。強烈な縦回転がかかることで、ボールは途中で鋭く縦に落ちるのが特徴です。
足のどの部分で蹴るかは特に決まっておらず、インサイドや足の甲のやや内側辺りなど、選手によってミートする位置が異なります。スライスボールと同じく難易度が高い蹴り方ですが、使えるようになると大きな武器になるでしょう。
・無回転
ボールの真ん中を正確にミートし、回転をかけない蹴り方です。ボールが受ける空気抵抗が大きくなり、不規則にブレながら飛んでいきます。蹴った本人ですらボールの軌道を予測できず、ゴールキーパーの真正面に飛んでしまってもキャッチングされづらいのがメリットです。
ただし、ボールを蹴る位置が少しでもズレると回転がかかってしまう、コントロールしづらく使いどころが限られるなど、習得が特に難しい蹴り方でもあります。
■フリーキックでカーブボールを蹴るコツ
フリーキックで基本となるのが、斜め下に曲がる変化をかけるカーブボールです。カーブボールを上手に蹴れるようになればフリーキックの幅が広がり、ゴールを決められる可能性も高まります。
ここでは、フリーキックの基本となるカーブボールを蹴る際のコツをご紹介します。
・斜めから助走を取る
フリーキックの際に取る助走は、ボールに対して真っすぐ入るのではなく、斜めや横方向から入るようにしましょう。
斜め方向から入って上半身をひねりながら蹴ることで、遠心力がボールに伝わり、回転力のあるカーブボールが蹴りやすくなります。
・ボールと軸足の間隔を空ける
ボールと軸足の間隔は、足の幅1.5~2個分程度空けるのがおすすめです。ボールと軸足の間隔を取ることで、体を傾斜させてカーブボールを蹴りやすくなります。
この時、足の振りだけで回転をかけようとするのではなく、軸足をしっかり踏み込み、軸足に体重が乗った状態のまま押し出す感覚で蹴るのがポイントです。
・ボールの下側を狙って振り抜く
カーブボールを蹴る際は、軸足とは反対側の下の方を蹴り抜きます。右足で蹴る場合は、ボールの右下の辺りです。ボールの真ん中を蹴ってしまうと、回転が少なくカーブがかからなかったり、ボールが浮かずに壁に当たったりするので注意が必要です。
また、カーブボールは足の親指付け根辺りを使ったインフロントキックで蹴ることが多いですが、選手によってはインサイドで蹴る場合もあります。練習を繰り返して、自分が蹴りやすい場所を探してみてください。
■フリーキックの練習方法
フリーキックの上達を目指すためには、何本もフリーキックを蹴って感覚を覚えることが重要です。
助走の取り方や軸足の位置、ボールの蹴る場所といったコツを踏まえて練習を繰り返し、蹴り方を調整していく意識を持って練習を行いましょう。
ただし実際の試合では、毎回ゴールの真正面などの良い位置で蹴れるとは限りません。ゴールまでの角度がきつく、大きく変化させないとゴールに向かって蹴り出せない場面などもあるでしょう。
フリーキックは、蹴る角度やゴールまでの距離、壁に入る相手ディフェンスの人数などによって、「どれくらいボールを変化させるか」「どこを狙って蹴れば良いのか」などを考える必要があります。
練習の際も、ゴールの正面からだけでなく、角度がある位置から、ゴールまで近かったり遠かったりする位置からなど、複数の場所やシチュエーションを想定するようにしましょう。
■フリーキックの蹴り方を覚えてチャンスをものにしよう
相手ディフェンスにマークされずにボールを蹴れるフリーキックは、ファールがあった場所によっては得点の大きなチャンスになります。どんな位置でファールをもらってもゴールを狙えるように、複数のボールを蹴り分けられることが重要です。
今回コツをご紹介したのは基本となるカーブボールですが、カーブボールを蹴れるようになれば、ミートポイントなどを微調整することでスライダーも使えます。カーブボールの練習を行いフリーキックの精度を高めて、セットプレーのチャンスをものにできるプレイヤーを目指しましょう。
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