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baseball2022.10.26

【野球】フォークボールはなぜ落ちる? 握り方や投げ方のコツも解説

野球のピッチャーは、ストレートやスライダー、カーブ、シュートなど、さまざまな変化球を活用してバッターを抑えます。非常に多くの種類がある変化球において、アメリカのメジャーリーグで活躍した多くの日本人選手が決め球として使っていたのが「フォークボール」です。
しかし、具体的にどのような変化球なのかよくわからない、という方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、フォークボールの概要や落ちる原理、投げ方のコツなどをご紹介します。

 

【目次】

■フォークボールとは

■フォークボールが落ちる原理

■フォークボールの投げ方のコツ

・ボールの握り方

・腕の振り方

■フォークボールを投げる際の注意点

■フォークボールを習得して三振を奪おう

 

■フォークボールとは

フォークボールとは、ストレートの軌道を描きながら打者の手前で真下に落ちる変化球のことです。パームボールや縦のスライダー、チェンジアップなど、落ちる変化をする球種はいくつかありますが、フォークは落差が大きくバッターの近くで沈むという特徴があるため、三振を奪う決め球としてよく活用されています。
人差し指と中指の間でボールを挟むようにして握る様子が、食器のフォークに見えることが名前の由来です。

日本では、握りが深めで大きく落ちる変化球をフォーク、落差は少ないものの球速が速い変化球をスプリットやSFF(スプリット・フィンガード・ファストボール)、高速フォークなどと呼び分けるのが一般的です。
しかし、落差の大きいフォークボールを投げる選手が少ないメジャーリーグでは、いずれもまとめてスプリットやスプリッターと呼ばれています。

 

■フォークボールが落ちる原理

フォークボールが落ちる原理

 

通常、ストレートはボールの縫い目(シーム)が1回転のうちに4回現れる「フォーシーム」でバックスピンをしています。ボールにバックスピンがかかると、「マグヌス効果」と呼ばれるボールを上向きに押し出すような垂直の力(揚力)が発生します。
いわゆる「ノビがある」と形容されるストレートは、マグヌス効果によって重力による自然落下よりもボールの落ち方が緩やかになるため、浮かび上がって見えるのです。

フォークボールも、ストレートと同じバックスピンがかかった変化球です。マグヌス効果の影響で浮き上がって見えますが、実際には放物線に近い落ちる軌道を描きます。
従来は、フォークボールはストレートよりも回転数が少なく、重力に引っ張られやすいから落ちるというのが定説でした。

しかし、フォークボールが落ちるのは重力の影響だけではなく、ボールの縫い目も理由です。一般的なフォークボールはストレートと異なり、1回転のうちに縫い目が2回現れる「ツーシーム」でバックスピンしています。
ツーシーム回転しているボールには、空気の流れの影響で地面に押し出そうとする下向きの力(負のマグヌス効果)が発生します。この下向きの力によって、ボールが鋭く落ちる変化をするというのがフォークボールの原理です。

 
 

■フォークボールの投げ方のコツ

フォークボールの投げ方のコツ

 

鋭く落ちるフォークボールは、三振を狙う決め球として有効な変化球です。投げ方を知っておくと、投球の幅を広げることができます。
では、具体的にどのように投げれば良いのでしょうか。フォークボールの握り方や、腕の振り方のコツをご紹介します。

 

・ボールの握り方

フォークボールは、ボールの縫い目の外側に人差し指と中指をかけ、挟むようにするのが基本の握り方です。下側に親指と薬指を添えてボールを支えます。縫い目に指をかけないのがポイントです。

指を大きく広げて握りを深くするほど落差は大きくなり、人差し指と中指を縫い目に沿わせて浅く握ると、球速が出て落差の少ないスプリットを投げられます。
握りの深さなどを調整して、落差やスピードの異なる複数のフォークボールを使い分けるのも有効です。

一方で、落差の大きいフォークボールは指をしっかり広げる必要がある変化球です。指が短い、大きく広げるのが難しいといった選手の場合は、一般的な握り方で投げるのは難しいかもしれません。
中指ではなく、親指と人差し指でボールを挟み込んで握るなど、握り方を工夫してみるのもおすすめです。
指のかけ方や力加減を調整すれば、真下に落ちるのではなく左右方向に落ちるフォークを投げることもできます。

同じ変化球でも、ボールの握り方は人によって異なります。自分が投げやすい、変化をさせやすい握り方を探してみるのも良いでしょう。

 

・腕の振り方

フォークボールの武器は、ストレートに似た軌道から大きく真下に落ちることです。バッターに見分けられては効果が薄れてしまうため、相手選手に「ストレートが来た」と思わせる必要があります。ストレートと同じ腕の振り方を意識して投げることが大切です。

ボールをリリースする際は、人差し指と中指の間からボールを抜く感覚で投げると、回転数を抑えられます。回転数を減らせば自ずとボールは変化します。落とそうという意識を強く持つのは避け、ストレートと同じく、腕を強く振ることを心がけましょう。

また、フォークボールを投げるときに、手首を動かして回転を加える必要はありません。肘から手のひらまでが一直線になるように、手首を立てて固定するのがポイントです。
手首のスナップを効かせて投げようとすると、ボールコントロールが難しくなりすっぽ抜けやすいので注意してください。

 

■フォークボールを投げる際の注意点

フォークボールは決め球としても使える有効な変化球ですが、注意点も多いです。投げる際は、以下の点に注意しましょう。

【失点につながりやすい】
ボールを挟むように握って抜く感覚で投げるなど、フォークボールはコントロールが難しい変化球です。地面に叩きつけてしまう、ストライクゾーンを大きく外れてしまう、甘いコースに行くなど「すっぽ抜け」が起こる可能性があります。
暴投や甘いコースへの失投など、コントロールミスが失点につながりやすいため、使いどころを考えることが重要です。

【多用しにくい】
フォークボールは握力を使用します。多用し過ぎると握力が弱まり、投球に影響する恐れがある点にも注意が必要です。
また、握りからフォークと悟られてしまっても、フォークを投げる効果が薄れます。スムーズに握れるように練習しておくのも良いでしょう。

フォークボールは肘への負担が大きいとされている変化球のひとつです。メジャーリーグでフォークを投げる選手が少ないのは、肘の故障につながるという考えがあるからとされています。
怪我を防ぐために、正しい投球フォームを習得したうえでフォークの練習に取り組むことも大切です。

 

■フォークボールを習得して三振を奪おう

ストレートに似た軌道から大きく落ちるフォークボールは、三振を狙う決め球として活用できる変化球のひとつです。「ボールが消えたように感じる」などと形容されることからも、フォークボールの威力がうかがえます。
速いストレートを投げられる選手の場合は、同じ腕の振りから投げるフォークボールが有効な武器になるはずです。

一方で、独特の握り方で習得やコントロールが難しい、使い過ぎると投球に影響を与える恐れがあるなど、デメリットも多く考えられます。ここぞというシーンの決め球にするなど、使いどころを見定めることも大切です。
ご紹介した内容を参考に、フォークボールを習得してみてはいかがでしょうか。


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