スキー板の選び方とは? 基礎知識や初心者におすすめのスキー板の特徴を解説
ウィンタースポーツを本格的に始めてみたいと思い、スキー板の購入を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、スキー板はスキーの滑り方や体格などに合わせて多くのモデルが販売されているため、初心者の方には選ぶのが難しいアイテムです。
ここでは、スキー板の購入でお悩みの方に向けて、スキースタイルの種類やスキー板の選び方、初心者の方におすすめのスキー板の特徴などをご紹介します。
【目次】
■最初にスキースタイルの種類を知ろう
スキーには滑り方のスタイルと、それに応じた板の種類が存在します。そのため、まずは自分がどのようなスキースタイルで滑りたいかを知ることが大切です。
・オールラウンド
整地・圧雪されたゲレンデ内で滑ることを楽しむスキーで、基礎スキーと呼ばれることもあります。一般的なスキーヤーはゲレンデ内を滑ることが多いうえ、オールラウンドのスキー板は幅広い用途で使用できるため、まずはオールラウンドスタイルのスキー板を選ぶのがおすすめです。
・オールマウンテン
バックカントリーとも呼ばれ、ゲレンデ外の圧雪や整地がされていない場所を楽しむスタイルです。オールマウンテン用のスキー板は、ふわふわした新雪やパウダースノー、深雪でも沈まないように、幅が太めの形状になっているのが特徴です。
ただし、コースを外れてゲレンデ外を滑るのは、大怪我や事故につながる恐れもある危険な行為で、ゲレンデでは一般的に禁止されています。近年はコース内に整地されていない部分があるゲレンデも増えているので、必ずコース内で楽しむようにしてください。
・アルペンスキー
アルペンスキーまたはレーシングスキーは、スピードを競う競技性の高いスキースタイルです。素早いターンができるように設計されていて、硬い雪面でも安定して滑れるよう板のねじれ強度も強めになっています。
アルペンスキー用のスキー板は反発力が強いので、一般的なスキーヤーが使いこなすのは難しいでしょう。
・フリースタイル
フリースタイルやフリーライドと呼ばれる滑り方は、ジャンプ台で飛んだり技を繰り出したりするトリッキーなスタイルです。深いコブがある急な斜面を滑る「モーグル」なども、このフリースタイルスキーに分類されます。
後ろ向きに滑ることも想定して、先端(トップ)と後ろ(テール)が反り上がった「ツインチップ」という形状になっているのがフリースタイルのスキー板の特徴です。
■スキー板の選び方と確認したいポイント
滑りたいスキースタイルが決まったら、次は自身の体格やレベルに見合ったスキー板を選ぶ必要があります。スキー板を選ぶ際に確認しておきたいポイントと、メーカーごとの特徴をご紹介します。
・板の長さ
スキー板の長さは、滑走中の浮力や操作性に影響します。自身の体格やスキーのレベルに最適な長さのスキー板を選びましょう。
一般的には長いスキー板ほど操作性が悪くなるため、男性の場合は160~170cm、女性は155~165cm、または身長-10cm程度が、板を選ぶ際の目安とされています。
ただし、身長だけでなく体重もスキー板の長さを選ぶうえでは重要です。例えば体重100kg、身長170cmのスキー初心者がいた場合、長さ160cmのスキー板を選んでしまうと、板の剛性が足りなかったり、板が雪に沈んでしまったりする恐れがあります。
体重がある方は、長さがあり浮力や剛性が大きいスキー板が必要です。新雪やパウダースノーのゲレンデを滑りたい方も、ワンサイズ長めの板を選択して問題ありません。
やりたいことが定まっている中級者・上級者の方は、身長と体重に加えて、滑りたいスタイルに応じて長さを調整するようにしましょう。
・板の柔らかさ
スキー板は長さだけでなく、板そのものの柔らかさも重要なポイントです。スキー板の最適な硬さは滑るシーンやレベルによって異なりますが、一般的には柔らかいスキー板ほどターンがしやすくなります。
ただし、柔らかいスキー板は高速滑走時の安定性に欠けるため、競技スキーをはじめより滑走のスピードを求めている場合は、スキー板が硬く剛性の高いモデルが必要です。
・スリーサイズ
スキー板の太さや幅は、スペックに記載されているスリーサイズ(サイドカット)から確認することができます。
スリーサイズとは、スキー板のトップの最大幅・最も幅が狭いセンター幅・テールの最大幅の3つで構成されていて、スキー板のくびれ具合を示す数値です。トップとテールは細めの方が操作性は良く、センター幅は広いほどスキー板が沈みづらいので、新雪やパウダースノーといったふわふわした雪面に向きます。
自身がどのようなスキースタイルで滑りたいかにもよりますが、基本的には雪との接地面が広く安定性が増す、幅の太いスキー板がおすすめです。オールラウンドスキーの場合は、70~90mmのセンター幅を目安に選ぶようにしましょう。
・サイドカーブ
サイドカーブ(ラディウス)は、スキー板側面が描く回転半径のことです。「R:数値m」で記載されていて、数値が大きいほど大回りターンに、小さいほど小回りのターンに向きます。
ターンのしやすさはスキー板の長さや硬さも関係するので、サイドカーブの数値だけを見て決めることはできませんが、R12~15m程度を基準に選ぶようにすると良いでしょう。
・メーカーで選ぶのもおすすめ
スキー板は数多くのメーカーが販売しているので、好みのメーカーを見つけてみるのも良いでしょう。代表的なスキー板のメーカーや特徴は、以下の通りです。
【サロモン(SALOMON)】
スキーメーカーの中でも高い人気と知名度を誇るフランスのメーカーです。日本ではレジャースキー向けのスキー板が人気ですが、オリンピックに出場経験があるスキー選手も使用しているなど、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。
【オガサカ】
1912年(明治45年)創業で、日本国内第1号のスキー板を製造した老舗メーカーです。オールラウンド向けのスキー板が高く評価されています。日本メーカーらしく、日本人に向けたスキー板を提供しているのが特徴です。
【アトミック(ATOMIC)】
オーストリアで設立した、世界でも最大級のスキーメーカーです。世界各国の大会で多くのタイトルやメダルを獲得していて、豊富な経験を活かした製品を販売しています。
【ロシニョール(ROSSIGNOL)】
100年以上の歴史を誇るフランスの老舗メーカーです。1998年の長野冬季オリンピックで、ロシニョール製のスキー板を使った日本人選手2名が金メダルを獲得したことでも知られています。
日本人向けのモデルも販売しているため、海外メーカー製のスキー板は体に合わないと感じている方にもおすすめです。
■初心者におすすめのスキー板の特徴
スキーに慣れてきた中級者や上級者の方は、自身のスキースタイルに応じてスキー板を選ぶこともできますが、スキー初心者はまだ滑ること自体に慣れておらず、スピードを出すのも難しいはずです。
初心者の方は、幅広い滑り方に対応できるオールラウンド用で、低速でも操作が簡単な柔らかめのスキー板を選ぶようにしましょう。長さは体格にもよりますが、基本的には身長-10cm程度で少し短めの、安定感に優れる製品を選ぶのがおすすめです。
■自身に最適なスキー板を見つけよう
スキー板は、滑りたいスキースタイルや自身のレベル、体格などを踏まえて選ぶ必要があります。体格から選ぶ際は、身長だけでなく体重も考慮するのが滑りやすい板を見つけるコツです。
メーカーなども確認して自分が使いやすいスキー板を見つけ、ウィンタースポーツを楽しんでみてください。
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