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running2025.03.28

Vaporflyシリーズの通算6代目『Nike ZoomX Vaporfly NEXT% 4(ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 4)』が満を持していよいよ登場!!

■ついに通算6代目が登場!

あのVaporflyシリーズ初代Nike Zoom Vaporfly 4%(ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%)から数えて6代目のNike ZoomX Vaporfly NEXT% 4(ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 4。以下、Vaporfly NEXT% 4)が限定発売のProtoカラーに続き、いよいよ正式にリリースされます。

それも、選手に人気が高かったNike ZoomX Vaporfly NEXT% 2(以下、Vaporfly NEXT% 2)と前作Nike ZoomX Vaporfly NEXT% 3(以下、Vaporfly NEXT% 3)のいいところを取り入れて誕生したようなこのVaporfly NEXT% 4、まさに満を持しての登場となりますね。

top-to-bottom update、まさに上から下までフルモデルチェンジの今回、カーボンファイバープレートであるFlyplate(フライプレート)のカーブをこのシリーズではじめて改良を加えたとか、前足部のラバー面を一新、接地感とグリップの良いアウトソールラバーになったとか、話題に事欠かないです。

名作Vaporfly NEXT%に2代目(Vaporfly 4% Flyknit)からアップデイトしたとき以来のワクワクするドラスティックな変更があったと感じています。

では、新商品Vaporfly NEXT% 4どんなアップデイトがあって、どんな特徴のシューズで、どんなランナーの、どんなシーンにフィットするシューズなのか、解説していきたいと思います。


■Vaporfly NEXT% 4はとにかく軽量になった

徐々に軽量化されていたシリーズも前前作Vaporfly NEXT% 2にはすでに私のサイズ25.0cmで173gと他社比較でも最軽量級でした。Vaporfly NEXT% 3なってさらに軽くなり166g 、そして、このVaporfly NEXT% 4はナント147gとシリーズ最軽量モデルとなっています。

軽量への貢献はやはり、アッパーが大きいです。前回モデルの超軽量アッパーはやや剛性がなかったですが、今回のエンジニアードメッシュのアッパーは伸びないよう縦線が施された仕様になり、軽量感とフィット感のバランスがいいです。

これは大きな支持を集めていたVaporfly NEXT% 2のフィット感が気に入っていたランナーも納得のフィット感、そして軽量感ですね。

またVaporfly NEXT%から代々続いていたアシンメトリーなシューレースホールも今回からオーソドックスに甲の中央でシューレースを締め上げるスタイルに戻りました。


■ Flyplateにシリーズ初の変更を加えた

今回スーパーシューズの推進力の要、カーボン製のFlyplateをシリーズ史上初めて調整、8層に積み重ねた強靭なカーボンファイバープレートはよりアグレッシブなカーブのスプーンプレートになり、より推進力の貢献を高めたものになりました。

シューズの反発弾性の源ZoomXにサンドイッチされたFlyplateは、それらとセットで推進力を生み出す構造です。

アウトソールラバー面が広がって、ワッフルパターンのデザインは接地感もいい。Vaporfly NEXT% 2のアウトソールラバーは独特な意匠でしたが、今回のアウトソールラバーの方が接地フィーリングも自然でとても好感です。


■何故速く走れるのか、そのロジックをおさらい

結局Vaporfly 4%のようなスーパーシューズは一体どんなロジックでランナーをアシストするのか、おさらいしておきましょう。

基本的にカーボンファイバープレートとスーパーフォームがセットでその推進力を生み出します。

スーパーフォーム自体も高いエナジーリターンを実現しつつ、このソフトな素材はエネルギーを溜めて戻すような効果も加わって、爆発的なバウンドを作り出します。ゴム毬のような弾力を想像して頂けると分かりやすいです。

それだけではどちらの方向にバウンドのするのか、エネルギーの放出方向が定まらないので、カーボンファイバープレートが跳び箱のロイター板のように蹴り出しの方向を決めるわけです。

2017年5月にBreaking 2と歴史を変えるイベントにこのシリーズの初代を投入して以来、シンプルに“速く走る概念”が変わったわけです。

まさにナイキが速く走る原理を発明したと言っても大袈裟ではありません。その元祖モデルこそ、Vaporflyシリーズというわけです。


■箱根駅伝ではインパクトでは勝った

正月恒例箱根駅伝では、ナイキのシェアはやや勢いに欠くところはあったものの、発売前のVaporfly NEXT% 4を今大会のナイキ着用者の半数が履くというサプライズがあり、実は大きな話題になっていました。

近年、新しい年を迎える正月の箱根駅伝は多くの方々が注目しています。InstagramなどのSNSでVaporfly NEXT% 4のリーク画像なんかはすで見ることがありましたが、こんなに大規模にVaporfly NEXT% 4を履いて選手たちが登場するのは本国アメリカより先立ってのことで、これは異例中の異例。

そして、新年早々のタイミングは、新商品アピール場として絶好であっただけでなく、その機能性そのものをアピールするにも絶好の機会になったのかと思います。

というのも、Vaporfly NEXT% 2や初代アルファフライなど旧モデルを履き続けるようなこだわりの強い選手たちが昨年まで実は多かったのですが、その彼らがそんなにすんなりこのVaporfly NEXT% 4を受け入れたわけです。これは細い説明不要の、きっと素晴らしいシューズに違いない、私も含めてまさに期待感をパンパンに膨らませるような出来事になったというわけです。

箱根駅伝ではインパクトで勝った、そんな印象です。


■Vaporfly NEXT% 4実走レビュー

では、早速実走してみましたが、足入れするとまず感じるのがプレートの存在感。そして、フィット感の良さです。

これは走るとスプーンプレートがガンガン効いてくる印象です。実際に走りだしても、前足部のロイター板であるFlyplateを効かせて走る、まさにスーパーシューズのスタンダード、その全体構造のシンプルさからくり出す、出力の良さはさすが元祖スーパーシューズです。クセがない、そういう印象です。

そして、フィット感がいいですね。上述のように、エンジニアードメッシュのアッパーは、スケスケのアッパーであるのにしっかり縦ラインが入って前作よりも剛性が確保されているフィット感で、走行中の違和感もありません

ZoomXフォーム自体のコンパウンド(混ぜ合わせる素材のレシピ)は変わって、反発感が増えたはずですが、むしろ、Vaporfly NEXT% 2のような接地感覚の良さを感じました。

2017年から8年の歳月を経て、この40mmスタックハイトはもはや薄底ではと思わせる接地フィーリングです。


今回採用されたアウトソールラバーはVaporfly NEXT%、Vaporfly NEXT% 2の独特なデザインのアウトソールパターンのときより、シンプルに接地感とグリップを感じて、私は今回のアウトソールが好みです。

とにかく接地感があって、推進力を感じざるを得ない。どうだ、履きこなしてみろ、と言わんばかりのスペックのスーパーシューズ、それがVaporfly NEXT% 4ですね。


■ナイキのスーパーシューズは履きこなせるのか?

基本的には5kmからフルマラソンまでがVaporfly NEXT% 4の守備範囲、そしてロング寄りの守備範囲がAlphafly 3という棲み分けですが、やっぱり全てのランナーを受け入れてくれるシューズではないことは否めません。

しかも今回は蹴り出しにカーボンプレートが効いてくるといった原点回帰とも言えるカーボンプレートの存在があるスーパーシューズに仕上がっています。シンプルでクセのない履き心地は、一方で直球ど真ん中な作りなったわけで、カーボンプレートシューズが苦手なランナーには逆に“クセがある“モデルになったかもしれません。

ちなみに、私のフルマラソンのベスト2時間34分は2018年、このシリーズ初代のVaporfly 4%で出しました。あれから月日が経ち、他社も含めてスーパーシューズの選択肢は圧倒的に増えました。

だからこそVaporfly NEXT% 4にはとんがっていてほしい、そう思っています。

以前の記事で取り上げましたが、全体バランスがいいZOOM FLY 6だって前作からはドラスティックに変わってハイスペックレーシングシューズです。そういう選択肢を考えてみるのも一つかもしれません。

それでもVaporfly NEXT% 4を持っていたい、履いてみたいという方は、これらから春のシーズンになって気温が上がってくるこの季節に、5kmや10kmのようなショートディスタンスで使ってみるのはどうでしょうか。私もまずここで使うつもりです。

ショートディスタンスであれば、“スピードが出てしまう”ことはウエルカム。 そういう目的、距離でVaporfly NEXT% 4のようなシューズを心置きなく履いてみればいいと思いますよ。


【アルペングループ Vaporfly NEXT% 4取り扱い店】

https://store.alpen-group.jp/sportsdepo_alpen/campaign/detail.php?id=9958

※4月以降順次発売予定
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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