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products2024.03.29

【24ss adidas news】アディダスの新スポーツウェアコレクション「ESSENTIALS PLUS」が発売。adidasプロフェッショナルが語る、日本での開発による「格別な着ごこち」【後編】

アディダス スポーツウェア最新コレクションの「ESSENTIALS PLUS(エッセンシャルズ プラス)」が2月8日に発売された。

ESSENTIALS PLUSは、「着ごこち、格別。」というコンセプトの下、日本で暮らす人の想いに向き合い、日本で開発されたスポーツウェア。素材・縫製・デザイン・シルエットのすべてにおいて、細部まで「日本のためのこだわり」を体現した。身に着けた瞬間から感じる仕立ての良さに加え、動き続けても変わらない気持ちの良さまで感じる、アクティブな毎日を、もっと豊かに、快適にするコレクションだ。

商品開発担当者と商品カテゴリーを管轄するお二人に、ESSENTIALS PLUSの特徴や開発背景、今後の展望などのインタビューを実施した。今回は、後編をお届けする( 前編はこちら )。


――ESSENTIALS PLUSのTシャツの魅力やこだわりをお聞かせください。

松本: Tシャツについては、メンズはシングルジャージのコットン100%、240グラムを使用しており、ウィメンズとキッズはTC(ポリエステルとコットンの混紡)、230グラムを使用しています。メンズのTシャツに関しては、最近のトレンドであるロングスリーブTシャツを含め、ウェイトが重めで張りがある素材が好まれる傾向にあります。これは、素材の張りこしがあることで肌から離れやすく、着心地が良いためです。


ウィメンズとキッズにTC素材を選んだ理由は、ウィメンズの場合、シワになりにくい素材を好む傾向があるためです。キッズは活動的で汗をかきやすいため、速乾性に優れた素材が求められます。このように、使用目的と対象に応じて素材を選定し、メンズ、ウィメンズ、キッズのTシャツをそれぞれ異なる素材で製作しています。


山下:また、私たちは性別や年齢に応じてデザインや素材を微調整することにも注力しており、3本線のデザインをメインに据えつつ、ワンポイントでの差別化を図り、着用者が自分のワードローブに容易に取り入れられるようなクリーンで主張しすぎないスタイルを目指しています。これらのアプローチは、幅広いニーズに応えるためのものです。日本の暑さを考慮して、Tシャツが長期間活躍するシーズンが多いため、さまざまなバリエーションを提供するなど、日本特有の気候条件に適した製品展開を意識しています。


――開発時に、苦労されたエピソードなどはありましたか?

松本: 開発側としては、クリエーションセンターでよりエッジの効いた製品を提案したいという思いがありました。しかし、チーム内で今回のプロジェクトの必要性などを共有することが非常に困難でした。「なぜ今、その製品を市場に出す必要があるのか?」その目的と必要性を伝え、理解してもらうことから始まりました。このプロセスは、押し問答に近いやりとりが続きましたが、その土台なしには次のステップに進めないと考え、時間をかけてお互いに理解を深めていきました。その結果、お客様の信頼を得るためには、まずは真に良いと思うベーシックアイテムを提供することが重要。チーム全体でこの方向に進むことを共有することで、困難を乗り越えることができたと思います。


山下: 開発時には多くの関係者を納得させる必要がありました。このプロジェクトがなぜ必要であり、日本のマーケットでこのプロダクトがどのように貢献するのかをドイツ本社の幹部メンバーに対しても説明する必要がありました。大規模なグローバル企業であるがゆえに、プロセスを丁寧に踏むことが求められましたが、情熱を持って取り組んだ結果、承認を得ることができ、そこから企画開発やマーチャンダイジング、コミュニケーション、営業、直営店、オンラインショップ、生産管理など、多方面からのサポートを受け、短期間で目標を達成することができました。この過程は最も苦労した部分でありながら、同時に最も楽しい経験でもありました。


――商品開発において大切にされていることはありますか?

松本: 私たちは日本人向けのプロダクトに特化、ESSENTIALS PLUSで言うところの細部まで「日本のためのこだわり」を体現することで、ベーシックでスタンダードな着心地の良い製品を提供したいと考えています。欧米ブランドとは異なるアプローチを取り、日本人の体型に合わせたパターンの調整に力を入れています。例えば、肩や袖の傾斜を緩めたり、アームホールを若干下げるなど、動きやすさを重視したデザインの微調整を大切にしています。これは、ルーズフィットのトレンドにも対応するため、動きやすさと快適さを両立させるための工夫でもあります。


さらに、夏場に着用することを考え、軽いウェイトの素材を選ぶ一般的な傾向に対して、私たちは通年着用できるような適度なウェイト(230~240グラム)の素材を選んでいます。これは、シーズンを問わず快適に着用できる製品を目指しているためです。


――マーケティングの観点から、販売戦略について何か特別なアプローチを考えられたりしますか。

山下: 私たちは、アパレルビジネスを春夏と秋冬の2つのシーズンで捉え、6月7月と1月2月のセール期間を考慮しつつ、年間を通じて安定的に売れる商品の提供を目指しています。この戦略の一環として、基本デザインを定番化し、2年間の継続販売を計画しています。これにより、商品がすぐにセールになる状況を避け、常に同じ価格で販売できる仕組みの構築を目指しています。

スポーツウェアに関しては、スポーツの背景を持ちつつ、アスレジャー(スポーツとレジャーの融合)を基本として日常生活に溶け込むスタイルを追求しています。アディダスは多様なスポーツをサポートしており、フットボール、(サッカー)、ランニング、バスケットボール、アウトドアなどで培ったスタイルやテクノロジーを通じて、日常生活での「かっこいい」を新たな文化として作り出すことを目的としています。この新しい文化を東京のチームと共に世界に広げることができれば素晴らしいと考えています。


――最後になりますが、ESSENTIALS PLUSを今後どのようなプロダクトに育てていきたいかお教えください。

山下:日本は世界でも特に厳しいマーケットであり、その中で戦っている私たちの良さをグローバルに還元することが重要です。グローバルブランドとしての良さを生かしながらも、日本のコンシューマーの品質と価格に対する厳しい価値観に対する我々の取り組みは、アディダスブランド全体の向上に役立つと信じています。 

松本: クリエーションセンターが東京に設置された理由は、日本が世界で最も厳しい消費者がいる市場だからです。日本の消費者は製品の細部にまで注目し、細かい点にこだわります。このような日本特有のデザインマインドと、高品質な製品を創り出すことは、日本からグローバルへの品質の高い製品の発信につながります。これは、最終的にグローバルスタンダードの品質に貢献する可能性があります。私たちはこの視点を持ち、クリエーションセンターとしての自負を持って製品を作っていきたいと思います。

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