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products2024.03.01

【24ss adidas news】アディダスの新スポーツウェアコレクション「ESSENTIALS PLUS」が発売。adidasプロフェッショナルが語る、日本での開発による「格別な着ごこち」【前編】

アディダス スポーツウェア最新コレクションの「ESSENTIALS PLUS(エッセンシャルズ プラス)」が2月8日に発売された。

ESSENTIALS PLUSは、「着ごこち、格別。」というコンセプトの下、日本で暮らす人の想いに向き合い、日本で開発されたスポーツウェア。素材・縫製・デザイン・シルエットのすべてにおいて、細部まで「日本のためのこだわり」を体現した。身に着けた瞬間から感じる仕立ての良さに加え、動き続けても変わらない気持ちの良さまで感じる、アクティブな毎日を、もっと豊かに、快適にするコレクションだ。


本コレクションでキービジュアルを務めるファッションモデルの佐藤栞里さんと俳優・ミュージシャンの櫻井海音さんがESSENTIALS PLUSのローンチイベントに参加した。

ESSENTIALS PLUSを身に着けて現れた二人は、その着心地の良さについて語った。

佐藤さんは、「着るとすぐに気持ちがいい。まるで最初から自分のものだったかのようなフィット感と肌触りがとても良かったです」と笑顔で話した。

一方、櫻井さんは、「着ていて違和感が全くなく、自然体でいられる。普段からリラックスできる服を好んでいて、動きやすさを最優先に考えているので、この服を着られて本当に嬉しいです」と満足げに語った。

ローンチイベントの後、アディダスのプレスルームへと向かい、商品開発担当者と商品カテゴリーを管轄するお二人に、ESSENTIALS PLUSの特徴や開発背景、今後の展望などのインタビューを実施した。


――最初に、お二人の自己紹介と普段の業務内容について教えていただけますか。

山下崇 氏(写真・右側):私が所属するビジネスユニットは、今年から日本のマーケティング組織構成が大きく変更され、日本と韓国はシンガポール経由のAPAC管理から独立し、直接ドイツ本社の管轄となりました。これにより、日本国内で商品カテゴリー別のマーチャンダイジングを行う新部署が設立され、スポーツウェアやトレーニング関連商品を担当しています。グローバルで展開される商品の中から日本市場向けに選定することと、東京のクリエーションセンターと連携して、日本マーケット特有ニーズに応える の商品開発のインプットが主な職務になります。 

松本将太 氏(写真・左側):私が所属するクリエーションセンター東京では、日本及びアジア圏向けの商品のクリエーションを担い、プロダクトマーケティング、デザインチーム、デベロップメントチーム(デザインを起こすチーム、工場やサプライヤーと連携を行うチーム、)、そして私が所属するプロダクトマーケティングチームがあります。これら3つのチームが協力して商品開発を行っています。


――本日のローンチイベントの感想をお聞かせください。

山下:新しいスポーツ関連商品の発表、例えばサッカー日本代表のユニフォーム、新型ランニングシューズ、またはアディダスオリジナルスのような注目を集めるシューズについての記者会見が行われることはあります。しかし、私たちのように幅広い顧客層に製品を提供するカテゴリーでこうしたイベントを開催するのはかなり珍しいことです。このイベントを開催した理由は、アジア部署管轄でなくなり、独立したマーケットとなった日本において、マーケットに合った商品を拡充し、新しいスポーツウェアの提案をしていく必要性を感じたからです。

海外で「3ユーロで極上の食事ができる」と評価されるなど、日本人は価格が低くても品質への妥協を許さない厳しい視点を持っています。このイベントは、日本特有のマーケティング戦略を推進する組織の大規模な取り組みの一部で、従来は日本独自の取り組みが非効率的と見なされがちでしたが、日本マーケットで勝っていくために必要なことをきちんとやり遂げていくことが重要で、ESSENTIALS PLUSのローンチイベントは我々の戦略上非常に重要なものとなっています。 


松本:私は約16年アディダスで働いていますが、スポーツウェアとしての日常着に焦点を当てた製品のローンチイベントは、通常のアスリート向けフットウェアやアパレルのそれとは異なります。日常使いの製品は普段目立たずに店頭に並んでいますが、このようなイベントの開催は珍しく、今回のようなイベントには驚きつつも非常に興奮しています。


――ESSENTIALS PLUSが誕生するまでの経緯はどういう感じだったんですか。

山下:クリエーションセンター東京ではこれまで、トレンドに合った製品を開発してきました。しかし、トレンドに基づいたデザインやシルエットだけでは、受け入れてもらえる範囲が限定され、特にグローバル市場で受け入れられるようなベーシックな商品ラインは、日本の消費者の厳しい目にはなかなかマッチしないことが多くなってきました。価格が安いと作りが単純になりがちで、そうした製品が多いと感じていました。ESSENTIALS PLUSはこれらの問題を解決するため、ブランド価値を高めるために、ベーシックながらも高品質な商品を目指して開発されました。


開発時には、見た目の印象やアディダスの象徴である3本線の質、縫製の品質など、さまざまな要素にこだわりました。また、商品の厚みやフィット感についても、幅広い年齢層が着用できるように考慮しました。幅広いお客様を念頭に置きながら、昔ながらのタイトなシルエットではなく、より現代的なルーズフィットを目指しました。 

このプロセスは開発チームだけでなく、マーケティング部門や他のプロフェッショナルたちも関わり、製品の各仕様について活発に議論を交わすなど、どれだけの厚みが理想的か、どのようなフィット感が望ましいかという点を、具体的なミリ単位で検討しながら製品開発を進めていきました。 

松本: 当初、山下から急に「絶対必要なものがある」と聞かされ、昨年3月初旬からのインプットを基に、市場で受け入れられているスウェットTシャツと日本のマーケットに合うものを探求し始めました。サンプルを購入し、市場にある様々な製品を集めてくれた中から、どの製品が最適か、特にスポーツウェアとしてどのゾーンがヒットするかを見極めました。サンプルを見て触り、採寸などし、最適な生地のウェイトを決定することが、開発の最初のステップでした。

山下: 通常では間に合わない(開発の)タイムラインでした。ドイツのクリエーションセンターと東京は、グローバルの管轄の下にあります。そのため、カレンダーやキャパシティを無視して勝手に進めるわけにはいきませんが、グローバルがこのプロジェクトを認め、ローカルの重要性を評価してくれたことが大きな転換点でした。異例のスピードでESSENTIALS PLUSのプロジェクトを進めることができたのは、素材選びや仕様の決定、工場での生産可能性の確認などを迅速に行うチームのおかげでした。


松本:デザインに関しては、基本色として黒、ネイビー、グレーを選びましたが、差し色に関しては幅広い提案を行い、コンサバティブな色だけではなく、面白みを出すために様々な色を検討しました。特に女性のカラーに関しては、女性社員の意見を集めて検討しました。 


――コンセプトである「着ごこち、格別。」の由来について教えてください。

山下: コンセプトの起点は、「きちんとしたベーシック」を目指すことから始まりました。これは、生地の柔らかさや質感、縫製といった、見た目だけでなく、細部にもこだわっています。例えば3本線がきれいに見えるようにするための工夫や、生地の裏側や縫製の裏面が、肌に当たらないようにする配慮など、細かい部分にも注意を払っています。結果として、これらのこだわりが着心地に繋がっています。コミュニケーションチームがこれらの要素にフォーカスし、分かりやすいワードでこの表現を開発しました。 


――ESSENTIALS PLUSの「着心地」「モノの良さ」「日本開発」といった強みがありますが、このスウェットの魅力やこだわりをお聞かせください。

松本: こだわりの1つとして、メンズとウィメンズで共通して使用している100%コットンのフレンチテリー生地にあります。この生地を選んだ理由は、一般的にヘビーウェイトとされる12オンス(約340グラム/平方メートル)ではなく、360グラムを選択したことにあります。この選択は、日本の市場のトレンドやニーズを考慮したもので、あまりにも柔らかすぎたり、重すぎたりする生地は避け、特に女性にとっては重すぎると肩こりの原因にもなり得るため、オールシーズン対応できる適度な重さと柔らかさを持つ生地を目指しました。


デザイナーとの議論では、ガゼットの配置やリブの使い方など、最適なデザインについて話し合いました。例えば、汗止めの機能があるガゼットをどのように取り入れるか—表面に載せるか、はめ込む方法を選ぶかなど、様々なユーザーに対応するための最良の方法について考えました。素材選びやトリム(装飾や仕上げ)の選定についても、クリエーションセンター内で多くの話し合いがありました。

リブの幅に関しても、一般的にスウェットで用いられるやや粗い「2x2」リブよりも、メンズとウィメンズ両方が着用することを考慮して、「1x1」の細かいリブを選びました。これによりクリーンな仕上がりと上質感を出し、リブの密度にも注意を払いました。最終的には、洗濯後も型崩れしない、キックバック(元の形に戻る力)が少し強めのリブを選んでいます。


他にも通常背中のラベルがペラペラとする部分を、肌触りを良くするためにプリントで対応しています。また、縫製の部分では、3本針フラットロックステッチや2本針サドルステッチを多用し、シームレスに近い仕上がりを目指しています。これは、縫い目を倒して裏に潰し、肌触りが良くなるように工夫しています。こうした細かい点にこだわることで、全体として肌に優しい製品を目指しています。


3本線のディテールにもこだわりがあります。通常のテープよりも質感が良く、光沢がある素材を選んでいます。このテープは、素材の色味を引き立てる効果があり、製品の全体的な品質感を高めています。

山下:製品のデザインについて多く議論し、見た目が綺麗で、柔らかくシャープな印象を与えるウィメンズウェアを含め、幅広いお客様に対応できるように様々な箇所を修正してきました。男性向けでは、粗い編みのアメリカンスタイルが人気ですが、女性や子供を考慮すると、どのようなデザインが最適かについても検討しました。これにより、多様なニーズに対応することができる製品を開発することが可能となりました。


――ESSENTIALS PLUSの着用シーンについてどういった場面をイメージされていましたか?

松本: 私たちは、ESSENTIALS PLUSを日常生活に溶け込む服装として幅広いシーンでの着用を想定しています。例えば、選手や競技者がオフピッチで移動する際の着用や、休憩時間にリラックスして着られる上下セットアップとしての着用も意識して製品を作っています。特に女性のお客様を考えた場合、単品で購入されることが多いため、カラーリングにも注意を払っています。イベントでの佐藤栞里さんのように、スウェットとフレアスカートの組み合わせでカジュアルアップするスタイルや、スプリングコートの下にニットやシャツと合わせてスウェットパンツを差し込むドレスダウンスタイルも想定しています。ESSENTIALS PLUSについては、セットアップだけでなく単品でも汎用性が高く、特に女性のお客様のワードローブに取り入れやすい商品として提案したいと考えています。


山下: スポーツブランドの製品を普段着として着用していただくことを念頭においています。部屋着としてだけでなく、外出時にも楽しく着ていただけるようなベーシックな商品を提供したい。家の中で着用してもらっても構わないほどの着心地の良さを追求してますが、もちろんランチなどのカジュアルな外出にも適しているので、是非、体感してほしいですね。 


後編に続く。

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