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running2022.12.12

フルマラソン完走のカギは、トレーニングとシューズ、そして、ジェル補給!〜補給食が何故大切なのか?解説〜

■フルマラソンはちゃんと食べれば、走り切れます

2022年、依然としてコロナウィルスの収束とはまだまだ言えない状況ですが、全国でマラソンレースが復活してきていますよね。今年は出場したい、するというランナーも少なくないことでしょう。

ちなみに、わたしも先日富山マラソン2022で3年ぶりのフルマラソンを走ってきましたが、久しぶりのレース、そのゴールは感無量、後で見たら、ゴールゲート直前で無意識に両手を2回挙げていましたね。

今回は、2時間38分台で50歳の部門で優勝することができましたが、その秘訣を一言で言えば何か?と聞かれたら、こう答えるでしょうね。

フルマラソンはちゃんと食べれば、走り切れます” と

トレーニングはもちろん、わたしの専門のシューズが重要であることは言うまでもないですが、それぐらい補給がカギを握っていると思って欲しいですね、こちらも重要です。

いつもエネルギー切れが起きてペースが落ちてしまうランナー、食が細くレース前にあんまり詰め込みができないというランナーも、良かったら是非この記事を参考にしてほしいですね。

あなたに必要なのは、もっと頑張るという根性論的、盲目的なことではなくて、賢く補給食を取ることかもしれないからです。


■わたくし藤原のフルマラソンでの補給をご紹介

では、わたしの場合、富山マラソンでは、モルテン(MAURTEN)というジェルをレース中、7の倍数の距離で6個補給しました。ちなみに、スタート前に1つ事前に補給しましたので、0km、7km、14km、21km、28km、35kmで補給したという感じですね。

どうですか、これを聞いて多いと思いますか?

もし多いと思ったあなた、本当に課題は、ただただ頑張ることよりも、より効果的な補給なのかもしれませんよ。

だって、あの2時間切り男、世界最高記録保持者のE・キプチョゲ選手だってレース中に取っているのをご存じですか?テレビでは映っていないかもしれないですが、彼はドリンクボトルにテープで巻きつけて取っていますよね。

つまり、エリートランナーだって補給食を取っているのが現実、それはむしろ常識ですね。

わたしも、フルマラソンは30回以上走っていますが、今とは違って情報が少ない若いときには、ジェルをひとつも取らないで良く失速していましたが、補給に対する考え方を変えた40代以降、失速は滅多にないです。

もちろん、第一にランナー自身のコンディションですが、完走のカギは、シューズと補給食の取り方にあると、再度、力説しておきたいです。


■失っていく分を取るという単純発想

筋肉や体に脂肪としてエネルギーは貯めることができ、それをトレーニングでそのエネルギーへの変換代謝を高めておくことは、もちろん大事なのは言うまでもありません。

でも、単純に失っていく分を補給するという発想はどうですか?そうすれば、エネルギー切れが起きづらい状況を作れます。こちらの方が理解しやすいのではないでしょうか。

フルマラソンという距離は、体にとっては危機的状況ですからね。エネルギー総動員体制になっています。筋中などのグリーコーゲンはもちろん、脂肪もすべてです。どんどん燃やしていきます(脂肪燃焼は普段のトレーニングで代謝を高めていた方がいいです)。

わたしがレース中に取っている”モルテン(MAURTEN)”もそうですが、食べやすいジェル状になっていて、体にとっては使いやすいエネルギーを、どんどん補給していけば、エネルギーがあるので、体を動かすことは可能です。

すぐ燃える、燃えやすいエネルギーをどんどん取っていくという発想ですね。ちなみに脳の栄養は糖質だけ、レース中、頭がボーッとしてしまうような対策にもやはりジェルが効果的だと言って良いでしょうね。


■タイム目標があるランナーが何故エイドより、ジェルが大事か

エイドを楽しんでフルマラソンを完走したいというランナーもいらっしゃるでしょう。全然否定しないです。富山マラソンでは鱒寿司が出ていました。

ただ、タイム目標など設定タイムがあるランナーはどうでしょうか。そもそも体の血流は忙しい状況です、消化しやすいカステラなどならともかく、内臓に負担をかけない点でもジェルはピカイチ、ベストだと思います。

何しろ、エイドの食べ物は消化しなくてはなりませんから、走っていて、それもそこそこのペースランナーでしたら、血流も忙しく、胃の消化が充分できる状況とは言えません。

ですからジェルのような内臓に負担をかけない吸収の良いものがフルマラソンの補給ではベストなわけですよね。

そして、欲したタイミングで摂っても遅い。何しろ消化・吸収がただでさえ遅いから補給の仕方としては早めに取る、これが鉄則です。わたしがスタートラインで取っているように、お腹が減った後半なってから…というのはあまりスマートな方法ではないでしょう。

わたしがレース中に取ったモルテン(MAURTEN)ジェルは1つ1,000円弱と結構高価なものですよね。6個も摂ったら、6,000円近く、お食事としては結構なお会計ですよね。

高価なので数を抑えるような使い方をしても、結局補給がうまくいかないならそれはそれで本末転倒。大会参加料も万単位ですよね、たくさんレースに出場される方は、レーススケジュールを見直して、勝負レースを絞って、その分ジェルに投資して目標を達成するようなアイディアも大事ではないでしょうか。


■腸に貯めて、腸に吸収しやすくする

これは化学です、そうモルテンの話です。

NIKEの厚底レーシングの代名詞であるヴェイパーフライシリーズの初代4%がデビューした世界最高記録保持者E・キプチョゲ選手の2時間切りをアシストしたイベント「NIKE Breaking2」でやはりそのために生まれたのが、モルテン(MAURTEN)なのです。


シューズももちろん凄かったのですが、のちに2時間を実際破ったINEOS1:59でも実はモルテ(MAURTEN)が影で大活躍だったわけですよ。

ちなみに、モルテン(MAURTEN)は、アスリートの多くは歯周病ということから、スウェーデンンのイエテボリ大、歯科衛生の見地から作られた側面もあり、歯にも優しいジェルでもあります。

さて、何が凄いか、それは体を騙して、腸にエネルギーを貯める仕組みだというから驚きです。

普通私たちのカラダでは、腹一杯食べて、もっと体に蓄えておこう!と思ってもできません。だって余分な分は排泄に回ってしまうからです。場合によってはお腹を下してしまうかもしれませんよね。食の細いランナーはただでさえそれは難しいですよね。

それがこのジェルの場合、特殊なカプセル状のようになり、胃を騙して通過して、直腸に吸収しやすい形で貯まるようになっています。すごいでしょ。

お腹一杯なのに、排泄に回らず、ちゃんとエネルギーとして吸収されて残ってしまうわけ。あなたの強い味方になること間違いないですよね。


■達成感には事前準備も大事、腸活も大切です

ちなみに、モルテン(MAURTEN)を取ればみんな絶大な効果があるかというと、シューズも一緒ですけど、やはり事前の準備は必要だと思いますよ。腸活ですね

E・キプチョゲ選手らケニアランナーはウガリという炭水化物が主食です、炭水化物の吸収に腸が多少慣れている必要はあるでしょう。

わたしの場合、レースウィークは、月曜日から水曜日にローカーボ食(炭水化物ほぼ抜き)にして、そして、水曜日にワークアウトをして体のエネルギーを枯渇させて、木曜日からレース当日までカーボ食に切り替え、体に目一杯エネルギーを貯めるような「カーボローディング」をしています。

そこまでやれなくても、木曜日、金曜日ぐらいからのハイカーボ食にすることでエネルギー吸収率も高まり、腸も炭水化物を待っているような状況を作れると思います。それはやっておいた方が良いと思います。

例えば、普段セレブのような生活で、夜は、お肉にワインですよ、みたいな方が、いきなり当日モルテンを取っても腸がびっくりしてしまうわけです。


■食べられないというランナーこそ賢く補給

もし食が細いとか、ハイカーボ食すら難しいというあなたには、MAURTEN DRINK MIX 160と320があります。こちらは液体のドリンクですね。160でも、320でも、同じ500mlの水に溶かします。後者の方が濃い感じで甘くなります。

前日の夕食後DRINK MIX 320を飲み、カーボローディングとして夕食にプラスアルファでとるようにするといいでしょう。それだと胃の負担も少ないかもしれませんね。

ドリンクも、やはり、胃でゲル状になり、カプセル化して胃を騙して、腸に溜まりますからご安心ください(笑)


また、当日の朝、朝食後にも飲んでおくのがセオリーです。これをやるだけでもジェルの効きは違うと思いますよ。食が細いランナーも朝食後取ってみましょう

ちなみに、わたしみたいにトイレが気になる方は、当日ドリンクミックスはパスして、スタート時に、GEL100 CAF100のジェルをスタート前に取るのもありです。ちなみにGEL100とGEL100 CAF100の2種類があって、CAFはカフェイン入りです。わたしは好んでこちらを使っています。

また、ジェルが苦手なランナー、レース中食べられないというランナーは、このドリンクミックスを小さなボトルに入れて携帯し、マイ給水はモルテンドリンクでも良いかもしれませんね。


わたしは腰にスパッツ状のベルトを巻いて、そこにジェルを6個入れていくのですが、100円ショップで売っている小さなボトルならそんなに負担にならないのではないでしょうか。

最後に全てに言えますが、LSDのトレーニングなどで試行錯誤をしておくことです。自分に合ったスタイルがあるはずです、ただ再度になりますが、食べたら完走できますからね。それも食の細いランナーこそモルテンドリンクやジェルで工夫することです。

自分が思っている目標達成をアシストしてくれるのはシューズだけではありません。こういった補給食も目標達成にはとても大切な準備になります。今シーズン、達成したい目標があるというランナーは、是非この記事を参考にしてみて頂けたら幸いです。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久(F・Shokai 【藤原商会】代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝  (2005)

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