TOKYO FM番組制作者が語るランニングと音楽の楽しみ方
TOKYO FM(運営:株式会社エフエム東京 代表取締役 冨木田道臣) は、1970年に開局し、FMラジオ放送を通じて、音楽、ニュース、スポーツ、エンターテイメント等の多岐に渡る情報をリスナーに届ける主に東京都を対象とした地域情報メディアである。
今回は、ランニングが大好きで数々の音楽番組制作に携わる池田氏に、ランニングと音楽について語っていただいた。
――まず、音楽との出会いについて教えていただけますか。
池田:両親が音楽好きで、その影響でカントリーを幼少期に聴いていて、物心付いてからはブルースやロックを好んで聴くようになり、高校時代からはロックのパーティーでDJをやっていました。それで今も継続して「選曲家(セレクター)」として、番組制作や飛行機で聴ける曲を選んだりと、音楽を通じて色々な所で関わっていますね。
――いつから走るようになりましたか。
池田:中高時代に短距離走の選手でしたが、長距離は苦手で好きではなかったですね。2009年11月23日に
ジョグリス
がオープンした時に、東京FMでここ(ジョグリス)をコンセプトにしたラジオ番組を作るディレクターを務め、番組が開始してから半年後にはゴールドゴーストフルマラソンに出ていました(笑)。
その間にハーフマラソンにも出ましたが辛かったですね。収録と写真を撮りながら走らなければならなかったので、かなりナーバスにもなりましたよね。
――ランニング中に聴くオススメの曲を教えていただけますか。
池田:僕が選んだオススメの邦楽・洋楽ベスト5となります。邦楽はリズムがあるものを、洋楽はバラード系を選曲してみました。
【洋楽】
1位:Joan Osborne / Think
ギターのリフがダンサブルで気持ち良く走れる曲です。
2位:Hootie And The Blowfish / Only Wanna Be With You
1曲目同様ギターのリフが走るのに気持ちがいいですし、ロックサウンドでもうるさく聞こえないと思います。
3位:Electric Light Orchestra / Evil Woman
この曲は長距離を走っている時に流れてくると色々忘れてリフしか頭になくなる曲です。
4位:Michelle Branch / All You Wanted
ランニングミュージックでBPMを重視する考えもありますが、僕はBPMは逆に揃えないことで気持ちいい曲の並びにしています。この曲は音の厚さが走っている時に心地よい時があるので、推薦。
5位:Sade / The Sweetest Taboo
皇居を夜、走ってる時は、夜景を見ながら雰囲気が出るので、この曲のようなJazzyな曲を選びます。
【邦楽】
1位:山下達郎 / KISSからはじまるミステリー feat RYO fromケツメイシ
途中のギターソロが本当に気持ちよくて、ずーっと聞いていられる1曲です。
2位:くるり / ワールズエンドスーパーノヴァ
脱力感があり、リラックスしながら走る時にはベストな1曲だと思います。
3位:Yellow Magic Orchestra / Tong Poo
走っている時は苦しくなる時もありますが、こんな不思議な世界観を持っている曲が現実逃避させ、救ってくれる瞬間があります。
4位:MONDO GROSSO / ラビリンス
この曲も皇居を走っている時に三宅坂を桜田門に向かう時の夜景とマッチしていて、プロモーションビデオでも見ているような瞬間を感じます。
5位:Schroeder-Headz – Blue Bird
雲ひとつない青空の時にこんな曲がヘッドホンから聞こえてきたら気持ちよすぎて、長く走ってしまいそうです。
これらをYouTubeで聴くことができますし、聴きながらだと楽しくランニングが出来ると思ってもらえたら嬉しいです。好きな曲を聴いていると後押しされますよね。
落語を聴きながら走る人もいますし、聴くと言っても色々な楽しみ方があるから素晴らしいですよね。
――音量をどうしていますか。
池田:音量は小さくしてます。走っていると辛い時があり、その時に聴いた曲を嫌いになってしまったことがあり、そうなると二度とその曲を聴かなくなる可能性があるので、頭の中に記憶を残さないように小さな音にしています。ヘッドフォンをしながら話しかけられても、応えられる音量にしていますね。
――曲の情報をどこから収集していますか。
池田:NME、CNN、BBC等の海外の音楽サイトからブルース、ロック、カントリーを中心に好きなアーティストのSNS、仕事しててこれいいな!と思ったモノをプレイリストに入れていますね。
――多くのアスリートの方が試合に集中するために試合前に勝負曲を聴いているみたいですよね。
池田:アスリートの方は、流行りの曲が好きみたいですね。選手は頂点や勝利を目指していますし、流行っている音楽を提供しているミュージシャンの方も、日本の頂点にいると言えます。トップにいる者同士で引き合いを出して、ゲン担ぎとしているのかもしれませんね。
――これまでに何回フルマラソンに出場していますか。
池田:次に出場して10回目となりますね。
――タイムはどれ程になりますか。
池田:4時間40分位でして、4h時間半を切るのを目指しています。ハーフは1時間55分位ですね。
――週に何回走っていますか。
池田:約2回となります。走るスポットは、皇居、隅田川沿い、埼玉スタジアムとなります。埼玉スタジアムには1周2.2kmの起伏があるランニングコースがあり、走りやすいのでお気に入りですね。
――他におすすめスポットはありますか。
池田:他にここという所はないですが、その時々の気分で街の景色を観ながら走ったりもしますね。「え?こんなところに、こんなお店があるんだ!」と新発見すると嬉しくなりますよね。車で通ると気付かなくても走っていると出会えたりするので、ランニングは素晴らしいスポーツだなって思います。
――マラソン用具は、どうしていますか。
池田:僕の場合は、シューズ、ウェア、サプリメントから入り、それらをランニング中に使うのが楽しいですよね。今では、音楽を聴くためにブルートゥースのイヤホンをして、黄色のサングラスは夜も見やすくて虫除けにもなるのでかけています。それと、時計も好きでこだわりがあります。
――筋トレをしていますか。
池田:体重を落とすとタイムが縮むと聞いて鍛え始めましたが、元々短距離走をやっていて大きな重い筋肉が付いていたので、落とすためにファスティングをやってみると、何と1週間で10kgも落ちてしまったんですよね。それから持久力系の筋肉を付けるために、負荷がかからない軽めの筋トレをするようになりました。
――食事をどうしていますか。
池田:炭水化物を摂らないと代謝が悪くなるので少しでも摂るようにしていますね。食事は、肉や豆腐等のたんぱく質と野菜が9割位を占めています。
――非常に健康的ですね。ランニング中の水分補給をどうしていますか。
池田:特にこれというこだわりはないですが、必ずドリンクやサプリメントを摂るようにしています。
――走る時間帯をどうしていますか。
池田:夕方以降に走ることが夜が多いですよね。
――仕事後に走るのは辛くないですか。
池田:「ランニング=音楽を聴く時間」としているので気になりませんね。自分で選んだ服と靴、そして大好きな音楽に囲まれながら走っている時は、自分にとって最高な空間となっています。走ると気持ち良くなれますし、ランニングは本当に素晴らしいと思います。
――最後に、ランニングを続けるコツを教えていただけますか。
池田:音楽は様々な場で聴くことができますし、その中の1つにランニングも入ってくると思っています。ヘッドフォンをしながら1時間走れば、1時間分の曲を自分の中に取りこめることが出来るので嬉しいです。新しい音源をアルバムごとに手に入ると、それを聴くためにランニングをしているので続いていますね。
僕の場合は、ランニングだけをするわけではないですし、音楽を聴くために走っています。ランニングは、音楽を聴くために大切なものとなっていますね。