春スキーではワックスが重要! 重要な理由とスキー板のメンテナンス方法
暖かい日が増え、過ごしやすさが増す3~5月頃は、春スキーのシーズンでもあります。スキー場に人が少ない、気温が上がり冬とは違った景色が見られるなど、ハイシーズン(冬)とは異なるスキーを楽しめるのが魅力です。
しかし、雪質やスキー板の状態などが原因で、ハイシーズンに比べると滑りにくさを覚えることもあります。ワックスがけや汚れ落としなど、スキー板のメンテナンスを行って、滑りやすい状態をキープすることが大切です。
ここでは、春スキーにおけるワックスの重要性や、スキー板のメンテナンス方法などをご紹介します。
【目次】
■春スキーでワックスが重要な理由
春スキーでは、ハイシーズン以上にワックスがけをはじめとしたメンテナンスが重要です。なぜ春スキーではワックスが重要なのか、その理由を3つご紹介します。
・板が汚れやすい
冬よりも気温が暖かい春スキーのシーズンは、ゲレンデの雪が溶けて地面の露出している場所が増えます。加えて、風や雨で黄砂が運ばれてきたり、花粉や砂埃が雪の上に舞い落ちたりもするため、雪が汚れていることが多いです。
土や黄砂といった汚れがスキー板のソールにつくと、滑りが悪くなります。スキー板が汚れやすい環境だからこそ、汚れを取ったり、ワックスを塗ったりして、汚れを付きにくくすることが大切です。
・雪質が水っぽい
ハイシーズンに比べると気温が高いため、雪は溶けて水を含みます。水分を多く含んだ重たいザラメ雪の路面では、スキー板が水分を排出しきれず、滑りが悪くなってしまうのです。
スキー板にワックスを塗って水を弾きやすい状態にしておけば、滑りやすさをキープできます。
・シーズン中に板が汚れている可能性がある
春スキーは、ウィンタースポーツシーズンの終盤に当たります。ハイシーズンもスキーを楽しんでいた方や、頻繁にゲレンデに行くスキーヤーの場合は、シーズン中に蓄積した汚れ・傷が原因で、スキー板の滑りが悪くなっている可能性もあります。
ワックスがけをはじめとしたメンテナンスを行い、スキー板をきれいに保つことが大切です。
■春におすすめのワックスの種類
スキー板に塗るワックスにはさまざまな種類がありますが、春スキーの際はフッ素入りのワックスや、グラファイト入りのワックスがおすすめです。
フッ素入りのワックスは撥水性に優れていて、水分や泥を弾きやすくなるので、滑走性が上がります。湿っていて、雪質が重いゲレンデを滑る際に最適です。
グラファイト入りのワックスは、静電気を抑えることができます。汚れや不純物がスキー板につくのを防げるため、汚れているゲレンデを滑るシーンに適しています。
ただし、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)や、公益財団法人全日本スキー連盟(SAJ)は、公認大会におけるフッ素成分を含む全てのワックスの使用を、2022/2023シーズンより禁止しています。レースでは使うことができないので注意しましょう。
その他には、スプレーやリキッドタイプで、持ち運びしやすいタイプを用意しておくのもおすすめです。携帯しやすいタイプなら、剥がれてもこまめに塗り直すことで、効果を長持ちさせられます。
■スキー板のメンテナンス方法
スキー板の性能を長持ちさせて、快適に滑るためには、滑走前後のメンテナンスが重要です。具体的に、どのようなメンテナンスを行えば良いのでしょうか。
スキー板のメンテナンス方法とポイントを、手順に沿ってご紹介します。
・汚れを落とす
ワックスを塗る前に、タオルやブラシなどを使って、スキー板の汚れや水分を拭き取ることが重要です。スキー板に水分が残っていると、サビやカビなどの原因になることがあります。エッジ(板の端)部分は特にサビやすいので、念入りに水分を拭き取ることが重要です。
水分を落としたら、リムーバーやブラシを使って汚れをしっかりと落としましょう。汚れを落としきれていないと、ワックスをきれいに塗ることができません。
リムーバーをスキー板のソール(滑走面)にしっかりと塗ってから、ティッシュやキッチンペーパー、ワクシングペーパーなどで汚れを拭き取ってください。
その後、ソール側の溝(ストラクチャー)に入った汚れを、ブラシでかき出すように落としたら、ワックスがけの準備は完了です。
・ワックスがけをする
リムーバーやブラシで汚れを落としきれたら、ワックスがけを行います。スプレータイプや固形タイプ、リキッドタイプ、ペーストタイプといった、簡易ワックスを使ったワックスがけの手順とコツは、以下のとおりです。
【ワックスがけの手順】
1.汚れを落としたスキー板を台などに固定する。台がない場合は部屋の角などに立てかける
2.スポンジやコルクを使って、ワックスをスキー板全体に均一に伸ばす
3.ブラシでソールに残った余分なワックスを落とす
リキッドやペーストタイプはスポンジで、固形タイプはコルクでワックスを伸ばします。スプレータイプを塗り過ぎた場合も、コルクでしっかり伸ばすようにしましょう。
エッジ部分にもワックスを塗っておくと、サビの予防になります。
また、余分なワックスが滑走面に残っていると、汚れが付着しやすくなります。最後にブラッシングでワックスを拭き取る工程も、忘れずに行いましょう。
■ホットワクシングにチャレンジするのもおすすめ
しっかりとお手入れしたい場合は、ホットワクシングにチャレンジするのもおすすめです。固形のワックスを温めて溶かすことで、ソール全体にワックスをかけていきます。
専用のアイロンが必要、やけどの恐れがあるなど手間はかかりますが、簡易ワックスよりも効果の持続力や滑走性能に優れています。スキーを本格的に楽しみたい方は、試してみてはいかがでしょうか。
【ホットワクシングの手順】
1.スキー板のソールの汚れを落とし、台に固定する
2.固形ワックスをアイロンで溶かして、ソールに垂らす
3.ワクシングペーパーをアイロンに貼り付け、ワックスを塗り広げる
4.ワックスが固まるまで、常温環境に置いておく
5.スキー板に残っている余分なワックスをスクレーパーで取り除く
6.ブラシで表面を磨き上げたら完成
スキー板に直接アイロンを当てると、熱でスキー板が傷む恐れがあります。アイロンはワックスが溶ける程度の温度に設定したうえで、必ずワクシングペーパーを挟んでワックスをかけましょう。アイロンを適度なスピードで動かし、同じ場所に当て続けないこともポイントです。
■春スキーではワックスがけを忘れずに行おう
春スキーは、人が少なくゲレンデを自由に使いやすい反面、雪質や汚れの影響で滑りにくさを覚えることがあります。快適に滑るためには、ワックスがけや汚れ落としといったメンテナンスをしっかり行うことが大切です。
スキー板のメンテナンスを万全にしておけば、雪質が悪い日でも滑りやすくなるはずです。
本格的なメンテナンスを行いたい場合はホットワクシングがおすすめですが、最初は簡易ワックスからでも問題ありません。
自分のスキー板でハイシーズンから春スキーまで、快適にスキーを楽しみたいという方は、ワックスをはじめとしたチューンナップ用品を用意しておきましょう。
RECOMMENDED POSTS
この記事を見た方におすすめの記事