フリーワード検索

football2021.01.13

海外とJリーグのクラブにおけるスカウティングのズレとは。

20世紀における最高のクラブという称号を持つスペインを代表するクラブ、レアル・マドリード。その世界最高峰のレアル・マドリードと日本人選手がトッププロ契約を結ぶ日が来た。久保建英選手である。バルセロナの下部組織育ちで、一時日本に帰国したものの、対抗馬のレアル・マドリードに入団したわけであるが、今回はその移籍の裏側のことではなく、そのレアル・マドリード(現在ヘタフェにレンタル移籍中)の久保建英選手やそのレアル・マドリードの下部組織に所属している中井卓大選手が引き抜かれた年齢に関する部分を掘り起こしてみたいと思います。

日本の至宝とも言える彼らが見出されたのが、それぞれ久保選手が10歳、中井選手が9歳の時ということで、日本でいうところの小学校3、4年生にあたる年次である。たまたまその年齢の時に、そういったビッグクラブのスタッフに目が止まったという部分はあるのかもしれないが、Jリーグのスカウティングがこの年齢の選手をスカウトして育てていくという道筋がそこにはあるのかどうかと言われると、少し疑問に感じる部分もあると思います。久保選手は川崎フロンターレの下部組織に所属していたわけではありますが、川崎フロンターレがどうしても彼を手放したくないという状況でもなかったというところが鍵となる部分だと感じます。

海外のビッグクラブは8~10歳ぐらいの少年を地球の反対側から呼び寄せて育て上げたわけですが、現地のスカウトに話を聞くと、中学生になるとほぼほぼその技術的な部分は固まっているという。つまり小学生年代のうちに決まってしまうということでもある。その彼らの求める技術を持ち合わせていなければ、その後どれだけ頑張ってもそこには限界がみえるということでもあるのですが、日本ではどうでしょうか。

今回U-23日本代表候補に選出されたグランパスエイトの相馬選手や、コンサドーレの金子選手、アントラーズの上田選手は大学を経由している(上田選手は退部)。その他にも今シーズン大ブレイクを果たしたフロンターレの三苫選手を含め、大学経由でプロ入りする選手も日本は少なくない。そんな彼らが小学生時代にとんでもないスキルを持ち合わせていたのかといわれれば、それはまた違うわけで、この辺りの事象に対して非常にギャップを感じることがある。

スペインの現地情報によると、ビッグクラブのスカウトは、20歳過ぎの選手を、ほとんどと言っていいほど見ないのが実情だという。全く見ないわけではないが、色々と教えても吸収力が低いので、育てるということであればどうしても若い年齢の子供たちに自然と目がいくということ。ここには多くの要素があり、スペインは学校組織でのフットボールが展開されていないため、若くしてプロチームのアカデミーに所属している現状もあり、そのアカデミーから上にのし上がる仕組みがそこにはある。日本は体育連盟が元々あるためにまだ同じような仕組みには至っていない。この他にも様々な理由があるが、海外スカウトと日本のスカウトのズレの部分が今後の日本サッカーの行方を決めるような気がしてならない。

つまり、日本のクラブはまだ目先の即戦力に頼ったクラブ経営が優先されていると感じてしまう。当然、目先の勝利が大切なのではあるが、海外クラブは長い目を見た将来投資の部分に労力が割かれており、この部分を非常に重要視している。見るべきポイントのズレは外国人と日本人の身体の成長度と連動している部分でもあると言われてはいる(海外の選手は身体の成長度・完成度が日本人よりも早期に訪れるとも言われている)。

日本のクラブが世界基準に追いついていない、今後さらなる成長の余地がある部分でもあるのかもしれない。日本のクラブがこの若年層の技術習得などに先行投資することができる時が来るとすれば、その時こそが世界と堂々と張り合うことができるリーグになり得るのではないだろうか。

BUY NOW

SEARCH フリーワード検索