【2020年の売れ筋ベスト10!】アイアン編 人気モデルは全部「飛んでやさしい」!?
この1年の売れ筋商品を数回に分けて振り返っていく「2020年の売れ筋ベスト10」シリーズ。第1回の「ボール編」に引き続き、第2回では「アイアン編」のランキング結果を、ゴルフ5マーケティング部の水嶋梨帆さんに聞いてみました。
※2020年1月~11月 ゴルフ5全店 売上数量の集計より算出
第10位は、ブリヂストンの『ツアーB JGR HF3』
「『ツアーB』シリーズでは定番となった『サスペンションコア』を内蔵し、ソフトな打感とミスヒットへの許容性を両立させた“やさしく飛ばせるアイアン”です」(水嶋、以下全て同じ)
第9位は、タイトリストの『T300』
「『T100』『T200』『T300』の『Tシリーズ』3モデルの中ではもっともやさしいアイアンです。アスリートのイメージのあるタイトリストながら、ミスヒットに強く安定して飛距離が出るアイアンとして、アベレージゴルファーからの支持を集めました」
第8位は、ダンロップの『ゼクシオ エックス』
「『ゼクシオ イレブン』ゆずりの飛距離とやさしさを備えつつ、ヘッドはボディが軟鉄鍛造で打感がいいというハイブリッドなアイアンで、“ゼクシオではちょっと物足りない”というゴルファーのニーズを上手くくみ取り、上位にランクインしました」
第7位は、タイトリストの『T200』
「9位の『T300』の兄弟モデルで、『T300』よりもシャープでコントロール性が高いモデルです。しかし飛距離性能は十分高く、『鍛造Lフェース』を採用したことでとくにフェース下部でのミスヒットに強いのも特徴です。飛距離は確保しつつ、やさしさとシャープさのバランスを重視したいという欲張りなゴルファーからの支持が集まりました」
左から、「T200」「ゼクシオエックス」「T300」「ツアーB JGR HF3」
第6位は、テーラーメイドの『SIM MAX OS』
「『SIM MAX』シリーズ2モデルのうち、やさしさと飛びを重視したアベレージゴルファー向けのモデルで、高いミスの許容性と抜群の飛距離性能を備えています。OS(オーバーサイズ)の名のとおりの大型ヘッド、ワイドソールでやさしく球が上がるうえ、バックフェースには『スピードブリッジ』が搭載され、打感と飛距離の両立を果たした点が高く評価されたのだと思います」
ここまで10~6位までのモデルを見ると、飛距離性能が高いモデルが並んでいます。アベレージゴルファーにとっては、やさしいだけではなく「飛ぶ」ということがアイアン選びの重要な条件になっているということがよくわかりますね。
第5位は、テーラーメイドの『P790』
「中空構造のヘッドに1.6mmという超極薄フェースを備えており、速いボール初速で飛ばせるアイアンです。『貫通型スピードポケット』やヘッド内部の『タングステンウェイト』がさらに進化し、前モデルと比べさらに低重心化したことで球が上がりやすく、ミスヒットにも強くなったと評判です。やさしくて飛ぶアイアンながら、中空設計ならではのシャープな顔立ちも人気の理由だと思います」
第4位は、ピンの『G710』
「“飛び系なのに、ズルい”というキャッチコピーが話題となったアベレージ向けのアイアンで、中空構造を生かしたやさしさとシャープな顔の両立で人気を集めました。ヘッドが黒染めなのも大きな特徴で、シャープな印象が増幅され、デザイン面での評価も高かったアイアンです。一方で“ピン史上最大”という高い慣性モーメントを備えるなど機能性も高く、飛んで、やさしく、カッコいいと、欠点の見当たらない完成度の高いアイアンと言えるでしょう」
5位、4位の2モデルに、中空構造のアイアンが並んだのは印象的です。テクノロジーの進歩により中空構造のメリットが増大し、やさしいながらもシャープな顔という矛盾するような機能をバランスよく両立させることが可能になった結果と言えるでしょう。今後、中空アイアンのニーズはさらに高まっていきそうです。
左から、「G710」「P790」「SIM MAX OS」
第3位は、キャロウェイの『MAVRIK』
「前モデルの『EPIC FLASH』シリーズではウッド系だけだったAI設計による『フラッシュフェース』が、ついにアイアンにも搭載。『360度フェースカップ』との組み合わせによって高初速と高い許容性を両立させ、“やさしく飛ばせる”機能がアイアンにまで広がりました。さらに、ロング、ミドル、ショートアイアンそれぞれが独自設計されており、ただ飛ぶだけではなく、番手ごとに最適な弾道を得られるようになっています。『MAVRIK』シリーズとしては、『SUB ZERO』『MAX』含む3モデルのうち、中間のスタンダードモデルがランクインした点は興味深いですね」
AI設計による「フラッシュフェース」がアイアンにも搭載された、3位の「MAVRIK」。
第2位は、テーラーメイドの『SIM MAX』
「6位の『SIM MAX OS』よりもシャープな顔と、OSに負けない高い飛距離性能を備えたモデルです。『スピードブリッジ』『貫通型スピードポケット』などは、OS同様に備えながらも、大きすぎない操作性の高いバランスのいいヘッドで幅広いゴルファーからの支持を集めました。『SIM』シリーズのドライバーの人気が高かったことも『SIM MAX』シリーズのアイアンの売れ行きに大きく貢献したと思いますが、上級者にも違和感なく扱える顔や打感と、アベレージゴルファーでも扱えるやさしさがハイレベルで両立されていたからこその2位のランクインだと思います」
2位の「SIM MAX」。操作性の高いヘッドと許容性の高さから幅広いゴルファーから支持された。
3位、2位の2モデルを見ると、『MAVRIK』『SIM MAX』の両シリーズともに“やさしいほうから2番目”のモデルが上位に入っています。これは、“いちばんやさしいモデル”でなくても“十分にやさしい”と言えるところまでアイアンの機能が進化していることの現れかもしれません。
そしていよいよ2020年の売れ筋ベスト10、栄えある第1位のアイアンは…
「お客さまからの人気が高かった売れ行きナンバー1アイアンは、ダンロップの『ゼクシオ イレブン』でした。“やさしいクラブ”の代名詞とも言えるゼクシオシリーズは、アイアンでも大人気。高打ち出し・高初速による高い飛距離性能と、球のつかまり、上がりやすさ、そしてミスへの許容性をすべて兼ね備え、アベレージゴルファーにとっての万能アイアンとして君臨し続けています。11代目まで代を重ねたブランド力は、アマチュアゴルファーに“ゼクシオを買っておけば安心”と思わせるところまできており、その期待に応える性能を満たしています。さすがのひと言ですね」
やさしいクラブの代名詞として定着しつつある「ゼクシオ」シリーズから「ゼクシオ イレブン」が見事、売上1位となった。
次回の、【2020年売れ筋ベスト10!】はドライバー編。12月30日掲載の予定です。