トレッキンググローブ(登山用手袋)の利点とは? 選ぶ際のポイントもご紹介
ハイキングや登山、トレッキングなど、山登りを楽しむ際に用意しておきたいのがトレッキンググローブ(登山用手袋)です。シューズやウェアなどのアイテムに比べて後回しになりがちですが、持っているとより安全・快適に登山を楽しめるようになります。しかし、トレッキンググローブは商品の種類が多く、どれを選べば良いのかわからないと悩んでしまうかもしれません。
ここでは、トレッキンググローブを着用するメリットや種類、選び方のポイントなどをご紹介します。
【目次】
■登山やトレッキングには専用の手袋を用意しよう
トレッキンググローブは、登山やトレッキングといった山登りのシーンでさまざまな役割を持つアイテムです。しかし、登山初心者の方の中には、手袋を用意する必要性がピンと来ない方もいらっしゃるでしょう。
まずは、トレッキンググローブを着用するメリットをご紹介します。
・怪我防止につながる
トレッキンググローブを用意したい1つ目の理由は、怪我の防止です。登山コースによっては、岩場に手をかけたり、ロープ(ザイル)や鎖を掴んだりといったクライミング(登攀)を行うこともあります。比較的傾斜の緩やかなコースでも、体のバランスを保つために木の根や枝を持ったり、石などにつまずいて手を地面についたりすることはあるでしょう。
そのような際に手袋をしておけば、手に擦り傷や切り傷を負うのを防げる可能性が高まります。
また、登山の際にトレッキングポールを使用する場合、マメの予防や滑り止めといった効果が期待できる点も、手袋を着用するメリットです。
・防寒や防水対策になる
トレッキンググローブを使用する2つ目の理由は、防寒や防水対策です。体の末端にある手は、血液が届きにくく冷えやすい部位のひとつです。手がかじかんで動かせないと安全な登山が難しくなり、気温が低い冬山の場合は凍傷の危険性もあります。
冬場だけでなく夏場も、富士山などの高山にチャレンジする場合は注意が必要です。
山は標高が上がるほど気温も下がります。標高が100m高くなると気温は0.6℃ほど下がるといわれていて、例えば海抜0m地点の気温が20℃だった場合、標高2000m級の山の山頂は8℃程度しかないことになります。
夏場の寒さ対策としても、トレッキンググローブは必ず用意しておきましょう。
また、山は天気が急変しやすく、いきなり雨が降り出すことも考えられます。防水加工が施されたトレッキンググローブを用意しておけば、防水対策としても有効です。
■トレッキンググローブの種類
トレッキンググローブは、用途や使用する季節に応じて、さまざまな機能や形状を持った商品が販売されています。主なトレッキンググローブの種類と特徴を確認しておきましょう。
【オーバーグローブ】
手袋を重ね着(レイヤリング)した際に、最も外側に来るグローブのことです。5本指タイプやミトンタイプなどがあります。防寒や防水、耐久性に優れているのが特徴です。
【インナーグローブ】
レイヤリングする際に、最も内側になる手袋がインナーグローブです。薄手のものが多く、季節によっては単体でも使用できます。軽量で伸縮性のある素材で作られていて、細かな作業も手袋を外さずに行えるのがメリットです。
【フィンガーレスグローブ】
指先部分の生地がなく、指先をむき出しにできるタイプのグローブです。カメラやスマートフォンの操作、靴ひもを結び直すなど、作業のしやすさに優れています。
ただし、指先が出ているため、防寒・防風性能は他の手袋に劣る点に注意が必要です。主に夏場の使用に適しています。
【レイングローブ】
名前の通り、防水性に優れているグローブです。オールシーズン使用できて、冬場は防寒アイテムとしても活用できます。内側の水蒸気を放出しながら水の侵入を防ぐ、「防水透湿性」を備えたタイプだと便利です。雨が降った際の予備として、リュックに入れておくと良いでしょう。
【インサレーショングローブ】
中綿が入っている手袋で、雪山にも対応できる防寒性を備えたタイプです。レイヤリングができないので細かな温度調整は難しいですが、着脱の手間が省けます。
■トレッキンググローブは季節や山に応じて選ぼう
トレッキンググローブは、山登りを行う季節や山行スタイルに応じて、種類を選ぶことが重要です。ここからは、季節ごとに適したトレッキンググローブの選び方のポイントをご紹介します。
・冬
気温が低く、地域や標高によっては積雪も考えられる冬場は、保温性や防水性に優れたタイプの手袋を選ぶ必要があります。
インナーグローブやオーバーグローブを重ねて着用する、レイヤリングを基本に考えましょう。インナーグローブは吸湿性や速乾性、オーバーグローブは防水性や透湿性、防風性能を備えているものがおすすめです。
また、中綿入りで保温性に優れるタイプや雪の侵入を防ぎやすい丈が長いタイプも、冬シーズンの登山に適しています。外気と触れる表面積を減らして保温性を高められる、ミトンタイプを選ぶのも良いでしょう。
・春や秋
春や秋などのシーズンに低山で日帰り登山やハイキングを行う場合は、保温性と操作性に優れた中厚手のものが便利です。タッチパネル対応のものなら、手袋を外さなくてもスマホが操作できます。
また、透湿性に優れた素材でできた手袋を用意するのもおすすめです。汗をかいても手袋の内側が蒸れにくいので、快適に使用できます。
ただし、標高によっては春秋でも雪が積もっていたり、降雪していたりする可能性があります。高山に登る場合は事前に天気予報を確認し、保温性や防水性に優れた冬用の手袋を用意しておきましょう。
・夏
気温が高い夏は汗をかきやすいため、通気性の良いフィンガーレスタイプなどがおすすめです。薄手で操作性に優れるインナーグローブを、単体で着用するのも良いでしょう。
また、夏場は日差しが強く、標高が高い地点は平地よりも紫外線量が増えます。UVカット機能を搭載しているなど、日焼け対策に使えるかどうかも確認しておくと安心です。
ただし、夏場でも標高によっては気温が低い場合があります。春や秋用のトレッキンググローブも用意しておくなど、臨機応変に対応できるように備えておきましょう。
■軍手での代用はNG?
軍手は、コンビニなどでも気軽に購入でき、日常生活なら手袋代わりとしても使用できる便利なアイテムです。
しかし、トレッキンググローブに比べると防寒性や防水性といった機能面で劣ります。縫い目が粗い軍手の場合、木の枝に引っかかるなどして破けてしまうこともあるでしょう。
また、綿(コットン)素材でできている軍手は、汗や雨で濡れると乾きにくい点もデメリットです。気温が低い雪山などの場合は、凍傷のリスクがあります。
軍手で代用するのは難しいため、専用の手袋を用意しておくのがおすすめです。
■トレッキンググローブを活用して快適な登山を
トレッキンググローブは、防寒や防水、怪我の予防など、さまざまなメリットを備えたアイテムです。難所に挑まない軽登山だとしても、ふとした拍子に起こり得る怪我のリスクを下げられるため、用意しておくことをおすすめします。
ただし、トレッキンググローブには多くの種類があり、山の標高や季節などに応じて使い分けることが重要です。
登山にチャレンジしてみたい、もっと快適に山登りを楽しみたいという方は、トレッキンググローブを活用してみてはいかがでしょうか。
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