ナイトハイクの注意点は? 夜の山ならではの魅力を楽しもう

トレッキングや登山、ハイキング、クライミングなど、山登りはさまざまな方法で楽しむことができます。トレッキングやハイキングに慣れてきた方は、「ナイトハイク」と呼ばれるアクティビティにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ここでは、ナイトハイクの注意点や登る山の選び方、必要な装備の例などをご紹介します。チャレンジしてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
■ナイトハイクとは
ナイトハイク(ナイトハイキング)とは、夜の山を登ったり、ハイキングしたりして楽しむアクティビティのことです。夕方や深夜から山を登り始めますが、基本的には山小屋での宿泊は伴いません。
通常、トレッキングやハイキングといったアクティビティは朝から夕方の、日が昇っている時間帯に行います。昼間に登ったことがある山でも、夜になると普段とは異なる雰囲気を味わうことができるでしょう。
視覚が遮られる分、普段よりも聴覚や嗅覚といった目以外の部分で、自然を感じられます。
また、星空や日の出(ご来光)など、昼間は見ることができない景色を楽しめる点も、ナイトハイクの魅力のひとつです。都市部に近い山でナイトハイクを行えば、美しい夜景を楽しむこともできます。
普段とは異なる山の魅力を感じてみたい方は、ナイトハイクにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
■ナイトハイクを楽しむためのコツ
ナイトハイクでは、基本的に暗い山道を歩くことになります。普段とは異なる景色を楽しめる反面、明るい山道を歩く時以上に危険性は増します。
安全にナイトハイクを行うには、しっかりと事前準備を済ませることが大切です。
チャレンジする際は、以下の点を守ることを心がけましょう。
・複数人で移動する
ナイトハイクは、通常の登山とは異なり夕方から夜間に行います。整備されている山道だとしても、街中に比べると光源はほとんどありません。暗闇で見通しがつかないため、道に迷ったり、足を滑らせて滑落したりするリスクは高くなります。
1人きりで山に入って遭難やけがをしてしまうと、助けを呼ぼうにも周囲の状況がわからず動けなくなる可能性も捨てきれません。
他にも、昼間は活動を控えている野生動物に出くわすなど、何らかのアクシデントに見舞われることが考えられます。真っ暗な道を1人きりで進み続けると、恐怖や不安が大きくなることもあるでしょう。
さまざまな危険に対して、少しでも対処できる可能性を高めるために、必ず複数人で移動することが重要です。
また、通常のトレッキングや登山と同様に、家族や友人などには事前に計画を伝えてください。
ナイトハイクを行うことを知らせておけば、万が一遭難しても、知人が救助要請をしてくれる可能性があります。
・真冬の山は避ける
冬になると、標高が高い山の山頂付近には雪が積もることがあります。滑りやすい、アイゼンのような専用の装備が必要など、雪山は昼間の視界が良い状態でも難易度が高いです。
足元が見えにくい夜間は、さらに滑落などのリスクが高まります。
低山は雪が積もっていないことも考えられますが、夜間で気温が低いため、体力を消耗しやすくなります。低体温症に陥る恐れもあるため、真冬のナイトハイクは避けてください。
基本的には、雪の心配がなく、夜間でも気温が高めの夏場に行うことをおすすめします。
・近隣住民に迷惑を欠けない
山によっては、登山口の近くに民家が建っている場所もあります。夜になってから騒ぐと近隣住民の迷惑になるため、静かに行動することも重要です。
また、夜に入山する姿を見た住民が不審に思い、警察に通報することも考えられます。登山口まではライトの光量を下げる、家に明かりを向けないといった配慮も行いましょう。
他にも、ごみは必ず持ち返る、自然のものは持ち返らないといった、基本的な山のマナーを守ったうえでナイトハイクを楽しむことが大切です。
■登る山の選び方も大事
ナイトハイクは、登る山の選び方が特に大事です。日頃からトレッキングやハイキングなどで山に慣れ親しんでいる方でも、ナイトハイクは安全に登れる山を選ぶ必要があります。山選びのポイントは、以下の3点です。
【登り慣れている山を選ぶ】
暗闇の中では、地図やコンパスといったアイテムで場所を把握するのが困難です。正規のルートがわかりにくく、道に迷ってしまう恐れもあります。
遭難の可能性をできるだけ下げるために、登り慣れて道を熟知している山を選ぶことが重要です。
【低山を選ぶ】
登り慣れているとしても、標高の高い山ほど移動距離が長くなり、低体温症や滑落、道迷いなどのリスクは上がります。標高が低い低山を選ぶことも重要です。
ただし、標高が低くても、岩場が多く足元の悪い山は避けましょう。登山道が整備されており、暗闇でも歩きやすい山を選ぶことをおすすめします。
【都市部から近い山を選ぶ】
都市部から近く、アクセスの良い山を選ぶのも有効です。万が一遭難してもすぐに救助されやすく、下山が予定より遅れても問題なく帰宅できる可能性も高まります。
また、都市部の夜景を眺めることができる点もメリットです。
■ナイトハイクで最低限必要な装備は?
ナイトハイクでは、夜の山を歩くことになります。普段のトレッキングや登山で使用する装備や服装に加えて、以下のアイテムも用意しておきましょう。
【ヘッドライト・懐中電灯】
山の中には光源がほとんどありません。周囲や行き先を照らすためのヘッドライトは必須です。ライトが切れると身動きが取れなくなるので、予備のライトや電池も必ず用意してください。
手持ちの懐中電灯も用意しておくと、ヘッドライトを向けられない場所も照らせます。
【モバイルバッテリー】
暗闇の中では、地図やコンパスを確認するのが困難です。基本的には、自分の位置やルートはGPS機やスマートフォンの地図アプリで把握することになります。充電切れを防ぐために、モバイルバッテリーも用意しておきましょう。
【熊鈴】
夜間は、昼間寝ている夜行動物が活動を行う時間帯です。イノシシやクマといった動物に出くわす恐れもあります。動物との不要な遭遇を避けるために、熊鈴(熊よけ鈴)のようなアイテムも用意しておくと便利です。
熊鈴がない時はラジオなどで音を出して、人がいることを知らせると良いでしょう。
その他に必要なアイテムの例としては、以下が挙げられます。
防寒具、行動食・非常食、雨具、簡易テント(ツェルト) など
■ナイトハイクで夜の山を楽しもう
夜の山道を歩くナイトハイクは、昼間の山では見られない夜景や星空などを楽しめるのが魅力です。普段とは異なる雰囲気の山道を歩くことで、より山に親しみを感じられるかもしれません。
ただし、視界が悪く道がわかりにくい、夜行性の野生動物に出くわす恐れがあるなど、昼間の山道よりも危険性は大きくなります。必ず複数人で行動する、道を熟知した低山で行う、必要な装備を揃えるなど、入念に準備を済ませておくことが重要です。
興味がある方は、安全に十分配慮しながら、ナイトハイクにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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