筒香嘉智(横浜DeNAベイスターズ)が伝えたい野球への取り組み方「体の成長に合わせてプレーしていくことが大事」
8月17日に、プロ野球史上105人目となる通算200号本塁打を放った筒香嘉智選手(27)。名門横浜高時代に1年生の時から4番を務め、高校通算69本塁打を記録。2009年にドラフト1位で横浜(現横浜DeNAベイスターズ)に入団し、2014年から6年連続20本塁打以上を成し遂げ、これまで本塁打王・打点王・ベストナインを受賞している。2017年のWBCに日本代表として出場し、さらなる飛躍が期待される強打者の筒香に、独占インタビューに応じていただいた。
――筒香選手、今シーズンを戦っていていかがですか?
筒香:チーム状況が良いので凄くやり甲斐がありますし、シーズン最後には良い位置にいたいと思います。
――野球を始めたきっかけを教えてください。
筒香:幼稚園の頃からグラブとバットを持って野球をやるようになり、自然と続けるようになっていましたね。
――いつ頃からプロ野球選手になりたいと思いましたか?
筒香:小さい頃からですね。当時は今よりも地上波のテレビでプロ野球の試合を見ることができましたし、「こういう選手になりたい」と憧れを持ちながら野球をやっていました。
――その憧れの選手とは誰になりますか?
筒香:やっぱり、イチローさんと松井秀喜さんですね。お二人のようなバッティングをしたいと思って必死に練習をしてきました。
――横浜高校を卒業後、プロ野球選手となりましたね。
筒香:高校時の渡辺元智監督と小倉清一郎元部長と話す中で、「プロを目指そう」ということになりました。
――プロの世界に入って感じたことはありましたか?
筒香:当初はファームの投手の球を全然打てなかったですし、一軍に上がるとファームとのレベルの差が物凄いと感じました。「自分はプロ野球の世界でやっていけるのか」という不安があったのを思い出します。
――筒香さんにも、そのような時期があったのですね。今では日本が誇る強打者となっていますね。
筒香:とにかく必死になってやっていると、結果が出るようになってきたという感じですね。
――プロ野球選手になるために必要だと思えるトレーニングはありますか?
筒香:それは、どの年代によるかで変わってきますね。
――では、小学生の時にやるべきことはありますか?
筒香:体の骨格がまだできていないですし、成長している段階にあるので無理をし過ぎないでほしいですね。長く野球をやるためにも、マット運動をすることが必要だと思います。色々な動きをして体をコントロールできるようになれば、怪我をしにくくなると思いますね。
――中学生に必要なことはありますか?
筒香:小学生の時と基本的には一緒ですが、無理をしないで自分の体の成長に合わせてプレーしていくことが大事だと思いますね。
――高校ではいかがですか?
筒香:高校生だからといって、大きく変わることはないですね。体の成長が速い子もいれば遅い子もいるので、1人1人の成長に合わせて練習に取り組んでもらえればと思います。
――野球で大切になる用具について、こだわりを持っていますか?
筒香:グラブは、アイピーセレクト製ものを使っています。僕の体を診ていただいている先生と共同開発したグラブなんですよね。このグラブを装着することによって、グラブと体が一体化して体の重心を把握しやすくなります。
中学生の時に先生と出会い、今まで色々と指導していただいています。体の成長と共に、グラブの形も変わってきていますね。
――スパイクにも、こだわりがありそうですね。
筒香:アディダス製のスパイクを履いています。自分の足型を採って、様々な動きを考慮して作っていただいています。日本では足に負担がかかりやすい人工芝のグラウンドで試合をすることが多いので、負担が少なくなるように設計されています。
――強打者、筒香さんのバットについても気になります。
筒香:バットは、シーズン途中に変えることがありますね。しっくりくるものを使用していまして、自分だけに分かるような感覚があります。
――これまで多くの試合に出場しています。緊張した時に、どのように対処していますか?
筒香:準備不足から生じる緊張と良い準備ができたことから生じる緊張の2パターンがあると思います。良い緊張をしていると試合で悪い影響が出ないと感じるので、普段からきちんと準備するように心掛けています。
――モチベーションの上げ方はありますか?
筒香:試合に向けて、自然と上がっていくようになっていますね。
――食事の管理を徹底していますか?
筒香:シーズン中は、甘いものやジュースを控えたりするようにしています。
――体のケアについては?
筒香:体のケアは毎日行いますね。ストレッチと治療を行っています。
――筒香選手のようなプロ野球選手を目指す子供たちにメッセージをお願いします。
筒香:僕は、たまたまプロ野球選手になることができました。プロ野球選手になりたいという夢があるのであれば、目指すべきだと思います。例えプロになれなくても野球から学べることは沢山ありますし、良い人生を送ってもらいたいですね。
――ファンにもメッセージをお願いします。
筒香:横浜DeNAベイスターズのファンの方々に、本拠地の横浜スタジアムを毎試合満員にしていただいています。試合での勝利と優勝することが1番の恩返しとなると思いますので、これからも一生懸命頑張ります。
――日本代表選手としての期待も高まっていますね。
筒香:日本代表に選んでいただければ、全力で頑張りたいと思います。