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baseball2025.02.07

福岡ソフトバンクホークス・又吉克樹投手がAlpen FUKUOKAで語る2024年シーズンの振り返りと新たな挑戦!(後編)

「人との縁が道を開く――又吉克樹投手が語る理想像と成功の秘訣」

前編ではイベントについてお伝えしましたが、後編ではアルペングループマガジンによる又吉克樹投手の独占インタビューの模様をお伝えします。

前編はこちら


――本日は、お疲れ様でした。トークショーは、いかがでしたか?

まさか自分がAlpen FUKUOKAでトークショーをやるなんて思っていなかったので、本当に嬉しかったです。もともと僕はアルペンとかスポーツデポなどによく通っていた人間なので、そんな場所でトークショーをさせてもらえるなんて、夢みたいでした。特に、こういう野球のコーナーで人が集まってトークショーができるなんて、とても嬉しかったです。


――野球コーナーなど含めてAlpen FUKUOKAはどんな印象ですか?

1年半くらい前でしょうか。この辺りをたまたま歩いていた時に、Alpen FUKUOKAに立ち寄ったことがあります。その時は特別何か買ったわけではないのですが、「こんな場所があるんだな」と思った記憶がありますね。今日もトークショーが終わった後、少し散策してみようかなと思っています。せっかく来たので、楽しみたいですね。


――又吉投手にとって、学生時代やスポーツショップにまつわる思い出はありますか?

やっぱり少年野球の大会で優勝した時なんかに「バットを買ってあげる」とか約束されて、それを選びに行くのがすごくワクワクした思い出がありますね。特に野球用のグローブなんて、片っ端から試着してはめてみるのが楽しかったです。プロ野球選手になってからは、そういう機会も減ってしまいましたが、久しぶりにスポーツショップに来ると、やっぱりテンションが上がりますね。「こんなにたくさんの道具があるんだ!」と驚きます。


――プロ選手として、部活生たちが道具選びでこだわるべきポイントがあれば、アドバイスをお願いします。

そうですね、僕の場合だと、グローブを選ぶ時は特に「形」に注目してほしいと思います。店頭に並んでいるグローブって、いろんな人が触って、すでに多少形がついているじゃないですか。その中から、自分が好きな形のものを見つけるのがいいかもしれません。逆に、何も形がついていない真新しいグローブを自分で作り上げるのは、なかなか難しいものです。

まずは「こういう形にしたい」「これが握りやすい」といったイメージを持つことが大事です。そして、例えばグローブの横にラインが入っているのか、縦に閉じているのか、サイズ感はどうか、そういった部分をよく確認して選ぶと良いでしょう。ただ見た目がかっこいいからといって買っても、後で形作りが難しくて苦労することがあります。

ぜひ、店頭で実際に触れてみて、自分の手にしっくりくるものを見つけてほしいですね。その「触れる感覚」を大切にしながら、イメージに合った道具を選んでいくのが良いと思います。


――Instagramで拝見しましたが、500試合記念のローリングス製グローブを手にされた時は、どのような気持ちでしたか?

本当に不思議な感覚でしたね。プロ入りした時点では、500試合出場なんて想像もしていませんでしたし、そんな記念のグローブを作ってもらえるなんて、感動しました。これまで野球を続けてきた証がまた一つ増えたんだな、という実感が湧いてきて、本当に嬉しかったです。驚きと感動で、「こんなすごいことが自分の身に起こるんだ」と思いましたね。

記念グローブは両親に贈ったんですけど、結婚したので奥さんのご実家にも一緒に送りました。どちらの家でも本当に驚いてくれて、喜んでくれました。昔は、結婚式のお祝いとしてオーダーメイドのグローブを贈ることもあったので、それを逆に自分がしてもらえるなんて、想像もしていなかったです。本当に嬉しかったですね。


――そういう記念のグローブ以外にも、幼い頃からのグローブを保管されているのですか?

はい、実家には僕が小学校で野球を始めた頃のグローブが全部残っています。最初に使ったグローブは、ホームセンターで買ったものなんですけど、それも親父が全部大切に保管してくれています。ありがたいことに、プロに入ってから使ったものや、先輩方にいただいたものも含めて、いろいろなグローブが40個くらいあると思います。

グローブだけでなく、道具全般って特別な魅力があると思うんです。使わなくなった後でも、そこに置いてあるだけで「あの時はこうだったな」「こんな試合があったな」と思い出せる。だからこそ、例えばグローブやスパイクを買った人には、捨てずに残しておいてほしいなと思います。サッカーならサッカーボールやキーパーグローブでも同じですよね。汚れたり使えなくなったりすると捨てがちですが、将来「残しておいてよかった」と思える瞬間が必ず来ると思います。特に僕の場合は、親父がずっと保管してくれているので、その点は本当に感謝しています。


――アルペングループマガジンは部活生の読者も多いサイトですが、もし又吉投手が学生時代に戻れるとしたら、どのような練習やトレーニングに取り組みたいと思いますか?

僕が今のこの感覚を持ったまま学生時代に戻れるなら、間違いなく「朝トレーニング」を取り入れますね。練習後じゃなくて、学校が始まる前、つまり朝練のタイミングでウェイトトレーニングやフィジカルトレーニングをして、それから学校に行って、午後は技術的な練習に集中する形がいいと思います。そして夜はしっかりとご飯を食べて寝る。このサイクルが理想ですね。

練習後にウェイトトレーニングをやると、どうしてもどちらかを削る形になってしまうんです。でも朝一でトレーニングを済ませておけば、半日以上体を休ませる時間が取れますし、効率的にも、体や気持ちの面でも楽になります。午後は技術練習に集中できますし、もし朝練が可能であれば、バッティングやノックよりもフィジカル系のトレーニング、例えばジャンプや走り込みに時間を割いた方が良いと思います。朝のうちにやるべきことを先に片付ける、このスタイルがおすすめですね。


――今後について、又吉投手が目指す理想像とは?どのような選手でありたいと考えていますか?

僕のキャリアって特殊なんですよ。無名校、無名大学から独立リーグを経てプロに進むという経歴なので、誰か1人でも「又吉でもプロになれたんだから、俺も頑張ればいけるかも」と思ってもらえる選手でありたいと思っています。エリート街道を進んだ選手がプロになるイメージが強い中で、僕みたいな経歴の選手がプロになれるんだったら、自分も頑張ってみよう、と思ってもらえたら嬉しいですね。

中学・高校で芽が出なくても、大学やその先で努力すれば花開くかもしれない。そんな希望を持ってもらえるような選手でありたいですし、身近な目標になれたら理想的ですね。


――そんな特別な経歴を持つ選手が500試合以上も活躍されてきました。ご自身を分析すると、成功の要因は何だったと思いますか?

間違いなく「人との縁」ですね。僕自身、一生懸命練習していただけなんですけど、周りの方々が「こういう選択肢もあるよ」「こんな道もあるよ」と教えてくれたんです。それがすごく大きかった。

例えば、挨拶ひとつでも重要です。知らない人でも「こんにちは」と声をかける。人見知りの子には難しいかもしれないけど、挨拶や丁寧な言葉遣いって、案外後ろで見ている人に響いているんですよ。そういった行動が、次のチャンスに繋がることもある。僕自身、独立リーグでの投手コーチが「野球、もう少し続けてみないか」と声をかけてくれたのがきっかけでプロを目指す道が開けました。

また、裏方さんや先輩たちの姿を見て「こんな風になりたい」と思ったのも影響が大きいですね。例えば、スカウトの方が来る日を教えてくれたり、応援してくれたり。そういった人との繋がりが本当に大切だと感じています。


――「人との縁」を大切にされているんですね。それが成功の鍵だったというのは、又吉選投手が語ると、とても説得力があります。

人との縁は、自分では作り出せないものだと思います。でも、当たり前のことを当たり前にやる、例えば「ありがとう」を伝える、礼儀を守る、といった基本的なことをしっかりやることで自然と繋がりが生まれるんですよ。それが結果的に、良い方向に導いてくれると僕は信じていますね。

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