家長昭博(川崎フロンターレ)2連覇を達成しMVPを獲得して想うこと「誰よりもボールを蹴って練習してきた」
2018年シーズンも川崎フロンターレが強く、J1リーグで2連覇を成し遂げた。チームの攻撃陣で中心となったのが、MVPにも輝いた家長昭博選手(32歳)だ。驚異的なボールキープと安定したプレーによって6得点(チーム2位タイ)7アシスト(チーム1位)を記録し、優勝に大きく貢献した。2019年シーズンに向けて「LP BASE虎ノ門」でトレーニングを開始した家長選手に、独占インタビューに応じていただいた。
――おめでとうございます!J1リーグで見事2連覇を果たし、MVPを受賞されましたね。
家長:ありがとうございます。優勝したという結果には満足していますが、MVPについてはそんなにですね。
川崎では凄く刺激をもらい、成長できているという実感があります。上手な選手が沢山いるので、いつも楽しいですね。
――「LP BASE虎ノ門」でのパーソナルトレーニングを、シーズンを通して行ってきたのですか?
家長:大宮アルディージャ時代に、トレーナーの青木豊さんと一緒に良いトレーニングができていたんですよね。同じ指導を受けたくなったので、2018年の4月から週に1度、青木さんがいる「LP BASE虎ノ門」でトレーニングを積み重ねてきました。 体の治療をしたり、コンディション管理で自分のデータを知れるので、パフォーマンスが上がり良い方向に変わってきたと思います。
――サッカーを始めたきっかけを教えてください。
家長:小学生の低学年の時に、クラスメイトに誘われて始めました。サッカーは走り回ることができて、ボール1個でできるスポーツです。友達が沢山増えましたね。試合で勝ったり負けたりする経験をしていると、サッカーにのめり込んでいったのかなと思います。
――いつプロサッカー選手になりたいと思いましたか?
家長:中学生の時にプロになりたいと漠然と思いました。ガンバ大阪のユース時代に、プロになる決意をして現実となりましたね。
――プロ選手として心がけてきたことはありますか?
家長:サッカー選手なので、ボールをしっかり止めて蹴ることができなければなりません。自分が思い描くようなプレーをできなければならないと、ずっと思ってきましたね。
プロ選手になるために、誰よりもボールを蹴って練習してきたと思います。また、ボールを奪われないようにもしてきました。全ての練習をやりましたし、積み重ねですよね。
――プロとアマチュアでは何が違いますか?
家長:プロはレベルが高く、競争が激しいですからね。比べると全てが違います。仕事になるので、より厳しいですね。
――影響を受けた選手はいますか?
家長:小学生の頃からデイヴィッド・ベッカムが好きでした。ただ単にカッコイイと思いましたね(笑)。
――好きな食べ物はありますか?
家長:バナナが好きで、試合前によく食べます。魚や肉など何でも好きですね。小さい頃から少食で、今でもあまり食べることができないですね。
――そうなんですか!食べないで、よくあれだけ動くことができますね。
家長:そうですかね(笑)。食の細い選手は僕以外にもいます。身長は高くなく体重もそんなにないので、食べてなかったから背があまり伸びなかったんだろうと、自分では分析しています。恵まれた体でもないですし、もっと食べておけば良かったと後悔しています。今は自然なものを1日3食食べていますね。
――体のケアを徹底していますか?
家長:最低限は行っています。あまりマッサージをしないです。ストレッチはしっかりやりますね。体に対して敏感ですけど、周りの人たちと比べるとあまりやってない方だと思います。アイシングは痛めた時にやるくらいですね。
――疲労の回復方法はありますか?
家長:えー、何ですかね?方法は色々ありますからね。筋肉に張りがあれば、場所によってリカバリー方法が変わってきます。
――睡眠に気を遣っていますか?
家長:コンディションのためというのもありますけど、睡眠時間を長く取るサイクルができています。昼寝はしないですし、23時頃に寝ていますね。
――試合中に何を1番考えていますか?
家長:どうやったら勝てるかなということを1番考えていますね。
――常に冷静なイメージがありますが、普段からそうなのですか?
家長:試合中は常に冷静でいた方が、良いパフォーマンスを発揮できると思います。比較的に冷静だと思いますね。
――家長選手のボールキープは非常に素晴らしいです。ボールを保持している時に、自分の間合いを意識してプレーをしていますか?
家長:自分の間合いは確かにあると思います。相手の間合いであったとしても、物の考え方によってはチャンスですからね。どの間合いでも自分のものにできるように対応していると思います。
――どのような時に辛いと感じますか?
家長:楽しくない練習もありますが、そんなことよりも成功できないことが1番辛いですからね。どれだけ練習をしても上手くなることができない時がありました。どの選手も感じていることだと思いながら努力してきたと思います。
――モチベーションを上げる方法はありますか?
家長:何年もサッカーをやっていると、モチベーションを維持するのが難しくなってきます。でも、自分の中で燃えるようなことがあれば自然と上がってきますからね。
――スパイクを選ぶ際に、何に重点を置いていますか?
家長:ミズノのモレリアを履いています。革が柔らかくて、足に優しい点が良いですね。良い革なのでフィット感はあります。
スパイクに色々な機能を求めてはいないですね。色は白が好きです。皮も色によって硬さが変わり、黒より白の方が足に馴染む感じがしますね。
僕は一般の人が履いている市販のものを使用しています。
――フェルナンド・トーレスやアンドレス・イニエスタたちが日本にいることを、どのように感じていますか?
家長:上手いですし、日本にいることは凄いことですよね。対戦できて有り難いです。
――今後の展望について教えてください。
家長:3年前にJ2の大宮でプレーしていたことは、多くの人の頭の中から消えています。そういう意味では順風満帆ではないですし、その場その場で一生懸命やってきましたね。色んな所で踏ん張りながら、自分を律しながらやっていこうと思います。
――プロサッカー選手を目指す子供達へ、メッセージをお願いします。
家長:やっぱりプロになるには、練習をしなければなりません。夢を持ってどれだけ頑張ることができるかという話になりますからね。希望を持たせるようなことを言いたいですが、死ぬほど練習をしないと、プロ選手にはなれないと思います。目指すのであれば、その覚悟を持ってやってほしいですね。
――家長選手のファンにも、メッセージをお願いします。
家長:Jリーグにスター選手が来るようになっているので、ぜひ観に来てほしいですね。Jリーグを盛り上げてサッカーを楽しんいただけると嬉しいですね。
――最後に家長選手にとって、サッカーとは何になりますか?
家長:あー、何でしょうか。・・・難しいですね(笑)。
・・・一言でですか?
――いえ、一言でなくて、思うことを話してもらいたいです。
家長:やっぱり、人生を豊かにしてくれましたし、厳しさや色々なことを教えてもらっています。自分の人生の中で大きなものだと思います。