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football2022.06.30

“日本サッカー界の次のステップ”へ!ヨーロッパで挑戦を続ける岡崎慎司が日本のサッカー少年に伝えたいこと。

ヨーロッパ各国リーグにおける日本人選手の得点数ランキングでトップに君臨する岡崎慎司。ワールドカップ3大会出場し、日本代表のFWとして記憶に残るゴールを決めてきた。

そんな岡崎慎司のトークイベントが、 Alpen TOKYOにて行われた。

イベント中のトークセッション、取材インタビューを交えながら、岡崎慎司のサッカーに懸ける想い、プロアスリートとしての流儀、部活生へのアドバイス、果ては日本サッカーが世界に追いつく為に必要なことを語っていただいた。


■“Jリーガーになって日本代表になる”。キャプテン翼を意識して目標を宣言していた。

――岡崎選手がサッカー始めたきっかけとは?

サッカーは、お兄ちゃんの影響もあり小学2年生で始めました。小学校の頃は、他にも水泳、体操とクラブ活動をやっていました。スポーツ全般好きでしたが、ちゃんとやっていったのはサッカーでしたね。

サッカーは、自然にボールを毎日蹴るようになり、チームメイトや好きなクラブができて、「一緒に全国大会を目指す」といった感じで中学、高校もやりがいがありました。その中で夢に掲げていたのが「Jリーガーになって日本代表になる」ということ。キャプテン翼を見ていたので同じように目標を宣言していた学生でした。


――当時は、サッカー漬けだと思いますが、どんな練習をしていたのですか?

練習を頑張ったというか、気づいたら練習していたような環境がそこにはありました。家の近くに公園があったので、早朝走ったりしてサッカーしかやってないといったような。服とかも買った記憶がなくてずっとジャージで過ごしてたり、足にレガース(すね当て)をつけたまま電車に乗っていたこともありましたね(笑)。 でも、サボる時期だってありました。練習行かなかった時は、罪悪感を持ってしまい、「こんな気持ちでプロになれるのか?」と自分に問いかける作業を繰り返してもいました。失敗もいっぱいありましたけど、前向きに考えることで自然にサッカーと向き合えました。


■“履き心地の感覚”に驚いた。ミズノスパイクを今も履き続ける理由。

――岡崎選手とミズノスパイクとの出会いは、どんな感じだったのですか?

出会いは、高校生です。いろいろ試したんですが、高校の同級生が、「ミズノスパイクいいよ」って教えてくれて、そこからずっと履いていますね。

自然と履き心地がよかったです。高校生の時は、まだスパイクのどこが優れているかが分からなかったんですけど、“履き心地の感覚でこれだな”と思いました。

こだわりに関しては、違和感なく素足でやっているような状態でスパイクを履けるのが1番です。僕は切り返しや動き出しが多いので、そこに最適なスパイクを一緒に作っていた時もあります。今は 36歳になって初心に戻っているというか、履き心地の部分を大事にしています。ミズノシューズは、感覚の部分を重要視しているので誰にでもフィットするのが、ミズノの強みだと感じています。


――今日は、サッカー少年も集まっていますが、サッカーを上手くなるためのアドバイスがあれば教えてください。

目標や結果を強く求め続けると多分うまくいかないと思う。なので、やりがいやその時の自分の気持ちを大事にして、気づいたら目標にたどり着いている。そういう方が自然の形だと思います。自分の思い描いた理想に、あまり左右されずに毎日好きなサッカーを突き詰めて取り組んで欲しい。その方が幸せだったりします。僕自身がそうだったので、そういう風に考えていったらいいんじゃないかな。

僕は、運良くプロや海外に行けたけど、行けてなくても“自分は幸せだった”と言えます。

その時の充実感を大切にしながら日々を積み重ねてほしいですね。


――サッカー選手として、結果が出なくて、追い込まれたときのモチベーション維持は、どうコントロールされていますか?

(Alpen TOKYOに集まった多くのお客さんが、岡崎選手の言葉を聞き入っていた。)


僕もブレるというか、先シーズン苦しい時期があって、「日本に帰ろうかな」と考えたときもあったんです。でも追い込まれた際に自分と向き合って「本当にそのまま帰って良いのか?」と自問自答して、色々と想像していくとあまり楽しくなくなるんです。そんな自分を見たくないというか。そうして、出た答えに従っている感じですね。


――最後になりますが、本日の感想と今後の抱負をお聞かせください。

(イベントの最後には、岡崎選手のサイン入りスパイクのプレゼント企画が行われた。)


本当に沢山の人に来ていただけると思ってもいなかったんですよね。自分自身が落ちている感覚は無いんですけど、結果も出てないですし、たくさんの人に忘れられているんじゃないかって。

けれどこうやって沢山の人に来てもらって応援してもらえるのを実感して、僕のモチベーションになる。皆さんの期待に応えて、日本代表復帰や、海外で活躍して、日本人がこれぐらい価値あるんだってことを証明したい。


自分の中で想像以上の見えないものを追いかけたいというチャレンジ精神があります。自分にとってヨーロッパがそのチャレンジの場なので、出来るだけスペインで挑戦したいと思います。今年は、ワールドカップがあり、日本代表には入れてないけど、今回は無理でも、40歳でのワールドカップを目指す、“ダメだったら次を目指す気持ちでいる”と楽になる部分があります。本当に覚悟を持って今シーズンもチャレンジしたいなと思います。


イベントでは、岡崎選手のトークセッションに加えて、サイン色紙のプレゼントや2ショット撮影会なども行われた。参加したお客さんも満足の笑顔でイベントを満喫し、岡崎選手も久しぶりのイベントに充実感が溢れる笑顔が印象的でした。


イベント終了後には、アルペンマガジンによる岡崎慎司選手の独占インタビューを実施しました。今回はその模様もお届けします。


◆大事なのは、“個だよ”。岡崎慎司が伝えたい日本サッカー界への提言。

――アルペングループマガジンは、部活生にも多く見られているメディアです。高校時代のお話を伺いたいのですが、名門滝川二高では、プロに繋がるような練習などはありましたか?

当時は、高校のコーチがアルゼンチン代表監督だったビエルサの通訳をしていた経験があり、アルゼンチンサッカーにも精通していました。そういう出会いにも恵まれましたね。

この練習が為になったというよりは、サッカー頭脳を引き上げてくれたというか、同じ練習でも考え方によって全然違う。この練習は、こんな目的があるなど、そういった考えを持つことが成長する為に大事だと気付かされましたね。


――もし、今、岡崎選手が高校時代に戻れるとしたら、どんなトレーニングを頑張りますか?

フィジカルトレーニングですね。具体的には、基礎的な走り方のトレーニングをプロになってから学べたので、早い年代でやりたかったです。“身体能力が伸びるとサッカーの質”が変わるので、そこが自分にとっての分岐点とも言えるトレーニングだったと思います。


――岡崎選手はワールドカップやチャンピオンズリーグなどの大舞台を経験していますが、部活生たちに試合前の平常心の保ち方などアドバイスがあれば。

僕も緊張しいなんです。この試合は緊張するけど、この試合は緊張しないというのはない、常に緊張している。日頃から、何事も緊張感を持って取り組むことで、大舞台でもいつも通りの平常心でやれる。緊張に慣れることも大事です。練習のときから、常にリアリティーを持ってやれるか、ゴールを外さずに決めきれるかどうか。

僕は、縁起を担いだり、ルーティンみたいのは、逆にやらないようにしています。それを作って崩れるとメンタル的に落ちてしまう。緊張感をエネルギーに変えて取り組むことでプラスにも変わります。


――イベントでもお話されていましたが、競争の厳しいサッカー界で生き残ってきた岡崎選手の逆境に立ち向かう秘訣を、部活生たちにもアドバイスがあれば。

人間なので、波があるときも監督のせいにするときもある。結局、その状況をよくしたいのは自分なので、頭の中をまっさらにします。わざとアホになってみたり、年齢を重ねるとそんな思考も大事になります。自分のサッカー観など凝り固まっている部分もあるので、敢えて崩す。新しい自分が生まれるイメージを楽しむこと。それを昨シーズンは、楽しめたので良かったです。


――最後の質問になります。岡崎選手が海外で11年プレーして、日本サッカーが世界に追いつくために必要なポイントはどこにあると感じていますか?

僕自身、海外で日本人だから出来た部分と日本人じゃなかったらもっと出来たという2つの考えを持っている。例えば、オリンピックに出てから、世界や海外を知るでは遅い。

子供の頃から世界の基準を知っていて、もっと俯瞰すること。日本の子供たちは夢を、海外やチャンピオンズリーグだと言うが、海外を全く知らない。

世界のスタンダードや基準を知ることが日本サッカーには1番大事だと思いますね。

日本のサッカーの現在地がどうこうじゃなくて、もっと上の話です。

そもそも海外では、自己主張がないと生きていけない。日本は組織プレーで褒められたり、活かされることもあるけれど、海外ではチームの為に戦っていても犠牲になるだけ。

結局は、“個だよって”ということを少年時代から常に意識したり、自己主張や自分の考え方を持つことが“日本サッカー界の次のステップ”に繋がると思います。
 


◆岡崎慎司プロフィール

2015-2016シーズン、レスターシティFCの一員としてプレミアリーグ初優勝を経験。2016年には、アジア国際最優秀選手賞を初受賞。2019-2020シーズンは、スペイン2部所属のSDウエスカに入団。リーグ戦12得点を記録し、チーム得点王として優勝(1部昇格)に大きく貢献。2021年9月スペイン2部所属のFCカルタヘナへの入団が決まり、ヨーロッパでの挑戦を継続している。


公式ホームページ http://shinjiokazaki.com/

公式Instagram https://www.instagram.com/shinjiokazaki_official/

公式Twitter https://twitter.com/okazakiofficial

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