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football2023.03.03

三笘薫選手のコンディションサポートを担当する阿久津トレーナーが教える、部活生が試合前にやるべきトレーニング7選

「やりたい」ができる身体にをコンセプトにトップアスリートも通うパーソナルジムがある。その名も『LP BASE SETAGAYA』だ。経験豊富なトレーナーが一人ひとりの目標やコンディションにそってメニューを組み立て、「なりたい自分」の実現を伴走する。

三笘薫選手、家長昭博選手、酒井高徳選手など日本を代表するサッカー選手から、子供から大人まで幅広い層が、このジムで様々なコンディショニングを行い自分を高めている。

今回は、三笘選手のコンディションサポートをしているパフォーマンスコーチの阿久津洋介氏に部活生に必要な、試合や練習前のやるべきトレーニングやストレッチなどを教えてもらいました。


――阿久津さん今日はよろしくお願いします。最初の質問になりますが、数々の日本代表選手たちは、何を求めてジムに通う選手が多いのでしょうか?

選手個々で異なるパフォーマンスアップに必要な内容を欲してジムに通ってきています。例えば、身体の使い方や動作を知りたい選手もいれば、コンディショニングの仕方(どのタイミングでリカバリーをするかや、どのタイミングでトレーニング刺激を入れる?)とか。身体を大きくしたりだったりとか、単純に家長選手みたいなトレーニングしてみたいと言う選手もいます。全員が違うプログラムで、その人に合わせたトレーニングを行っています。運動・栄養・休養における本質的な部分をアプローチするので、選手は興味を持って使ってくれています。


――トレーニングを積み上げていく中で、選手から言われて印象に残った言葉などありましたか?

阿久津洋介さん LP BASEパフォーマンスコーチ | サッカー選手のパーソナルトレーニング指導や育成年代のサッカーチームのコンディショニングアドバイザーを担当


家長選手が設立当時から(7年前)よく使っていただくのですが、「自分の身体の状態に応じてプログラムを組むこともそうだし、自分の身体的特徴をよく理解をしてくれてる」という言葉が印象に残っています。

僕らは、選手のプレイスタイルやチーム活動での負荷を逆算しながら足らないところを補てんしたり、過負荷になっている部分に対してリカバリー方法をアドバイスするので、包括的にコンディションに対してアプローチをしていく形です。

家長選手が、「このジムで何やってるんですか?」って聞かれた際に、「パフォーマンス向上を目的に身体の調整をしてる」っていう言葉を言っていて、とても嬉しいなと思いましたね。


――そうなると選手とは、密に連携を取っている感じですか?

契約形態によりますが、手厚くサポートしてる選手は、毎日オンライン上でコンディションのデータをアプリで入力してもらっています。ただ、データを打つだけだと本人の自覚的な感覚が曖昧になってしまうのですが、今日の張り感は、いい張り感なのか張りすぎていているのかとか。 今は、片足立ちになると重心が外に乗りやすいとか後ろに重心が乗りやすいとかっていう状態をコメントで入れてもらっています。そうすると自分でも気づかなかった「今日は、体重が外に乗りやすいんだ」と感じた中で「こういうエクササイズを入れましょう」と指導したりしています。


――今プレミアリーグで大活躍している三笘薫選手も阿久津さんがパフォーマンスコーチを担当していますね。

三笘選手は、プレースタイルなど今までの日本人選手に居なかったタイプの選手だと思いますが、自分を客観的に見る力がとてもあります。今の自分の現状をシビアに俯瞰して見ているので、そういう所が素晴らしい。自分の能力が 出せる環境に対して、どうアジャストさせていったら、プレイヤーとしてステップアップ出来るかをしっかりと考える力があります。本当に突き詰めて、サッカーに取り組んでいますので、彼を知っている人間は、「この活躍は当然でしょう」と10人が10人言うと思いますね。

他にも良い選手の特徴でもありますけど、専門家の使い方をよく分かっていて、栄養士、トレーナー、パフォーマンスコーチの僕もいる環境で、「この部分はこの人に聞いた方がいいな、この部分は連携してもらった方がいいな」と自分の中で整理ができてる。逆に分からないことに対しても、分からないとはっきり言えるので、本当に優秀な経営者と喋ってるぐらいの感覚です。酒井高徳選手もそうですけど、いい選手はどの業界でもトップランナーになれるような素用があるのかなと感じています。


――今回のアルペングループマガジンは、部活生が多く見られるサイトになります。阿久津さんに、中高生の世代に必要な試合前のトレーニング(怪我予防)を教えていただければと思います。

僕は、選手が怪我しなかったらサッカー選手として成長していくのは当たり前だと思っています。部活生も怪我をしなかったらボールの感覚や身体の状態はいい状態を保ちやすくなる、それがコンディショニングです。例えば、長いシーズンの中で常にパフォーマンスを80パーセント以下にさせないことは、コンディショニング次第かなと思いますね。


今日伝えるトレーニングは、チーム練習前の時間に個人で身体の状態を整えることを目的とします。股関節の動きを含めてしっかりと身体の状態を整えた上でチーム練習に入りましょうっていう、ベーシックな内容をお伝えできたらと思います。

7種目ありまして練習前に20分、刺激を入れて身体を作った状態でチームのウォーミングアップに入るという流れです。今のプロ選手は、室内でそれぞれがチームのウォーミングアップ前に身体を作った後にチームの練習に入ります。それと同じ感覚で部活生も試してみてください。


1トランクローテーション(5呼吸×左右3回)

1、基本的にこの状態でポジションを取った時に、膝が動きやすくなるので、まず下側の手で膝を抑える。


2、上側の腕を大きく後ろに開きます。目的は、胸を開く動きがしっかり出るとターンをする際や大きな動作でキックをする際に腰への負担を軽減します。開いたときに、呼吸が止まると筋がゆるみづらいので、しっかりと呼吸をすること。


3、動きの硬さを感じる部分の皮膚を持ち上げて、引っ張りながら揺らす。効果は、筋肉を伸ばす前に皮膚やその周囲の組織の動きが出すことでスムーズな関節運動を起こしやすくなります。


2ファンクショナルラインストレッチ(5呼吸×左右5回)

1、左側の膝を90度にして前に出し、お尻を地面につける。


2、右足を真っすぐ内側に伸ばして、左足の内側を抑えながら上体を前に傾ける。


3、呼吸をしっかりしながら、右腕を前に伸ばす。効果は、股関節と脇の柔らかさが出て走りのストライドやキックのフォローする動きも大きくなりやすい。


3フロントラインストレッチ(6回×左右2セット)

1、片膝を立てて反対の足を曲げて、背筋を伸ばして前方を向く。


2、優しく手を置いて、壁に沿うように膝をスライドする。


3、そのまま身体を起こして、壁にかけているお尻に力を入れながら骨盤を前に出す。腰を反らないように姿勢をキープする。


4、最終的に息を吸いながら両腕と顔をあげて、息を吐きながらゆっくり手を降ろす。効果は、股関節の前側の柔らかさを出すこと。股関節周りを柔らかくすることで、走る際に股関節が上手く使えて力強い走りが可能となる。


ここまでの3種目が柔軟性、可動性を目的とした「モビリティエクササイズ」という可動域を伸ばすトレーニング。この後は身体の安定感などを意識した“コア”を入れていく動きへと進みます。


4デッドバグ(10回×2セット)

1、身体を寝かせて、膝を曲げた状態の姿勢からスタート

2、両足と腕を上げた状態をキープする。尾骨を持ち上げるように少しだけ骨盤を持ち上げる。腰は浮かさないように注意する。


3、尾骨を持ち上げたまま腰を反らないように手足を対角線にスムーズに動かす。


4、この動作を10回行う。効果は、腹圧の刺激だけでなく手足の連動で脳に刺激を入れる目的がある。


5ローオブリーク(6回×左右2セット)

1、 下側の膝を90度に曲げて、左腕の肘を立てて、右腕を上げる。

2、上げた右腕を左脇の下に入れるように背骨を捻る。しっかり捻ると下側のお尻のストレッチ感を少し感じる。


3,後ろから見ると、このような動きになります。中に巻き込んだ腕をキープしながら、下についていたお尻を浮かす。効果は、下側のお尻への刺激をすることで、切り返しの時や横の動きをする際にお尻が適切に力が入るので安定した動きに繋がる。


6サイドラインレッグアップ(5秒キープ5回×左右2セット)

1、 足をクロスにさせ、背骨を真っ直ぐにして左肘を置く。右膝は立てながら背骨を真っ直ぐ保つ。


2、その体制から左肘で床を押しながら右腕を水平に上げる。


3、 体勢をキープして下の足を浮かしながら踵で低く遠くに押し出す。効果は、股関節への刺激をすることによって、トラップの際の軸足の安定に繋がる。


7エアプレーン(6回×左右2セット)

1、足を揃えて、親指を立てながら両腕を肩の位置まで水平を保ち肩甲骨を寄せる。腰を反らないように注意する。


2、最初の体制から胸を張って右足を後ろに少し上げる。


3、頭から踵まで一直線に姿勢をキープして上体を前に倒す。骨盤を開かないように真っ直ぐ倒す。効果としては、片足の安定感や太もも裏のストレッチになるので肉離れの予防になる。


――阿久津さん本日はありがとうございました。最後に今回のトレーニングを踏まえて部活生にエールをいただけますか?

サッカーの技術と戦術は、身体と密接に繋がっているので技術的な練習のみ、おこなって身体への意識がおろそかになると最終的にパフォーマンスが頭打ちになってしまいます。

自分の身体の感覚を大事にしながらトレーニングをした後の反応を確認しながらパフォーマンスの変化を感じてみてください。

今回はトレーニングを中心にお話ししましたが、運動・休養・栄養すべてがパフォーマンスアップにつながるので偏った情報に左右されないように注意してみてください。

トップアスリートは常に自分が成長する方法を模索しています。

どんどん自分の身体で試しながら自身に合うコンディショニングの方法を見つけてみてください!
 


◆インフォメーション

LP BASE Setagayaは、世田谷区等々力にあるパーソナルトレーニングジム。また、虎ノ門にも店舗を構えています。トップアスリートの指導もおこなってる経験豊富なトレーナーが、一人ひとりの目標やコンディションにそって「コンディショントレーニング」のメニューを組み立てます。

トレーニングのコンセプトは、拡げる(関節の動く範囲を改善)、動かす(筋力を発揮する力)、使う(機能的な動作の習得)、高める(パフォーマンス向上)を意識して「やりたい」が出来る身体に導きます。
 


世田谷店HP

https://lpbase.jp/setagaya/


虎ノ門店HP

https://lpbase.jp


ジュニア向けサッカーフィジカル塾HP

https://lpbase.jp/setagaya/soccerschool/

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