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football2024.08.02

中村俊輔が語るF50の魅力と指導者としての現在地。「adidas Football presents SHUNSUKE TALK! F50 Edition」

Alpen TOKYOで開催された「adidas Football presents SHUNSUKE TALK! F50 Edition」にて、中村俊輔さんをゲストに迎えたトークイベントが行われた。話題のアディダス サッカースパイク『F50(エフゴジュウ)』について語るこのイベントには、応募開始から数日で定員に達した約50名のファンが参加し、約1時間にわたる熱い交流が繰り広げられた。イベント後に行われた単独インタビューでは、イベント中には聞けなかった貴重な内容も含めて、中村俊輔さんから多くの興味深いお話を伺うことができた。


F50は2004年に初めて登場し、その爆発的なスピードとパフォーマンスで多くのプレーヤーに愛されてきた。しかし、2015年に一度生産が終了したが、今年、20周年を記念してついに復活を遂げた。この新しいF50がどのように進化したのか、その魅力をたっぷりとお届けする。

「皆さん、こんにちは中村俊輔です。本日はお忙しい中、アディダスの新しい「F50」の発売を記念するイベントにご参加いただき、ありがとうございます」


■スペイン、ユーロ決勝で圧巻の優勝!中村俊輔が語る試合分析と輝いたスター選手

イベント前夜には、ユーロ2024の決勝戦が行われ、スペイン代表が見事なプレーで優勝を果たした。この試合について、俊輔さんが感想を語ってくれた。

「スペイン代表は一人ひとりのプレーモデルがしっかりしており、組織的なプレーが非常に印象的でした」と述べ、特にチーム全体の連携力と個々の選手の役割理解が高いレベルで融合している点を強調した。

さらに、今大会で特に輝いていた選手として、ジュード・ベリンガムの名前を挙げた。

「ベリンガムはゴールへの逆算がきちんとできており、身体も大きく、フィジカルも強いです。瞬発力があり、両足でのシュートが可能で、ヘディング力も高い。クロスに対しても2トップの間にうまく走り込み、従来のトップ下のイメージとは異なる選手です」と述べ、その多才なプレースタイルと身体能力を高く評価した。


■中村俊輔が語るヨーロッパでの経験と影響を受けた選手たち

俊輔さんは、2002年から2010年までイタリア、スコットランド、スペインでプレーしていた。当時を振り返り、印象的だったことについて述べた。

「同じ中盤では僕はジダンとベッカムを見ていました。キックはベッカムで、ボールコントロールやゲームメイクはジダンを参考にしていましたね」と語り、彼らのプレーが自身に大きな影響を与えたことを明かした。


■スピード至上主義!F50の進化を語る

2004年に登場して以来、プレーヤーに爆発的なスピードを与えるモデルとして人気を博してきたF50。今年、20周年を迎えて待望の復活を遂げた。


新しいF50を手に取り、その軽さに驚きを隠せない様子だ。「軽さがまず際立ちました。特に驚いたのが『コンプレッションフィットトンネルシュータン』です」と語り、シュータンがトンネル型仕様となり、足をしっかり覆うことでフィット感が向上している点を評価した。また、アウトソールのグリップ力の強さにも高く評価していた。


■中村俊輔のスパイクへのこだわり

俊輔さんは、スパイクの軽さとフィット感に強いこだわりを持っているようだ。「足が速くない分、ボールを多く触り、ドリブルやフェイントで勝負するタイプだったからです」と理由を語り、スパイク内での足のズレを防ぐことが重要だと強調した。「スパイクは単なる道具ではなく、プレーを向上させるための重要な要素であり、モチベーションを上げるお守りのような存在」と語った。


■現役時代に愛したスパイク:「F50 アディゼロ 4FG」

最も愛したスパイクは、2014年モデルの「F50 アディゼロ 4」だという。「軽く感じたし、蹴った感触が良かった。グリップ力もあってめちゃくちゃ良い」と絶賛し、これが現役中にお気に入りのモデルであったことを明かしてくれた。

現役時代、俊輔さんは常に6足のスパイクを準備し、天候や芝の状況に応じて使い分けていた。「雨の日でもスパイクが重くならないように工夫していました」と語り、その細やかな準備がプレーにどれほど重要であったかがうかがえる。


■adidasのグローバルブランド「Y-3」で話題の日本代表の新ユニフォーム

サッカー日本代表が着用する新ユニフォームが先日発表され、adidasのグローバルブランド「Y-3」によるデザイン性が大きな話題を呼んでいる。

元日本代表の10番を長年背負った俊輔さんも新ユニフォームについての感想を述べた。

「シックでかっこいいですよね。Y-3はセルティックの時に現地でも人気があったので、個人的に着たり履いたりしていました。日本代表がこういう形で関わっているのは羨ましいです」と素直な気持ちを表した。


■来場者とのQ&Aセッションで語る秘話!フリーキックだけじゃない!中村俊輔が語る印象深いミドルシュート

来場者からの質問に対して、直接回答するQ&Aセッションが行われた。

まず最初の質問は、「中村俊輔さんといえばフリーキックのイメージが強いですが、個人的にはミドルシュートが好きです。特に2005年のコンフェデレーションズカップのブラジル戦で決めたロングシュートや、グラスゴーダービーのレンジャーズ戦でのシュートが印象に残っています。これらのシュートについて教えていただけますか?」


「実は、ミドルシュートにはあまりこだわっていなかったんです。ストレートに打つと、それほど威力があるタイプではなかったので、たまに入ることがありましたけど。でも、アウトサイドでショートバウンドのシュートは自分の中でこだわっていて、よく練習していました」と、自身のシュートスタイルについて教えてくれた。

次の質問は、「ユニフォーム交換で一番お宝だと思う選手は?」

「プライドがあったとか全然関係なくて、自分から行ったことは一度もないです。でも頼まれることが多くて、特に代表の10番は珍しいので、南米の選手からよく頼まれました」とユニフォーム交換にまつわるエピソードを披露した。

三つ目の質問は、「小学生に戻れるとしたらどんな練習をしますか?」


「当時は壁にボールを当てることばかりしていました。今だったらフィジカルの練習を早めに取り入れますね。昔は映像が少なかったですが、今はYouTubeでスター選手の練習や技を見ることができるので、それを参考にして練習するでしょうね」と答え、現代の技術を活用したトレーニングの重要性を語った。


■サプライズプレゼントでファンを魅了

最後に、俊輔さんからのサプライズプレゼントが!サイン入り特製「F50色紙」を来場者に手渡しでプレゼントし、写真撮影も行われた。


「今日は短い時間でしたが、皆さんからたくさんの質問をいただき、それにお答えすることができて、とても良い時間を過ごせました。このような場を設けていただき、本当に感謝しています。また、新しいF50についてもたくさんお話しできて嬉しく思います。自分自身も現役時代にスパイクには強いこだわりを持っていましたし、こうして新しいモデルについて皆さんと共有できるのは、とても貴重な経験です。これからもサッカーを楽しんでいただければと思います。今日は貴重な時間をいただき、本当にありがとうございました。また、どこかでお会いできることを楽しみにしています」


長年にわたりサッカーに情熱を捧げてきた中村俊輔さん。その言葉には、ファンへの深い感謝とサッカーへの愛情が溢れていた。

イベントを通じて俊輔さんが伝えたのは、単なる技術や戦術に留まらず、人間としての成長や努力の継続の重要性だった。彼のようなレジェンドが語る経験と想いは、次世代の選手たちにとってかけがえのない教訓となり、未来のサッカー界を支える大きな原動力となるだろう。今回のイベントは、まさにそのような貴重な時間となった。


引き続きスペシャルトークイベント後に行われた、アルペングループマガジンによる中村俊輔さんの独占インタビューをお届けする。


■中村俊輔インタビュー「理想の指導者像は、選手の心に響く、そんな存在でありたい」

――本日はお疲れ様でした。今回のイベントが開催されたAlpen TOKYOの印象などをお聞かせください。

そうですね、僕が若い頃はスポーツ店って本当に小さくて、テニスやバスケットボール、サッカーの専門店が少しあるだけでした。よく誕生日に買い物へ行くこともありましたけど、こんなに大きな店はなかったんです。でも今では状況が大きく変わりましたね。Alpen TOKYO以外にも似たような大規模な店舗が増え、僕自身もよく利用しています。

大きなショップには、希少で高品質な商品が多く取り揃えられているので、セール時にはとてもお得な買い物ができます。店舗が大きくなったことで、選択肢やサービスが充実しているのは本当に嬉しいですね。


――今回はF50のイベントでしたが、2015年以来に復刻したことについて、どのように感じましたか?

もう現役ではないですが、F50が復刻するという話を聞いたときは、とても嬉しかったですね。


――これからF50を履く学生たちにアドバイスを送るとしたら、どのようなことを伝えますか?

僕の時代は土のグラウンドでプレーすることが一般的でしたが、今では人工芝が多くなっていますよね。現在は色々なタイプのシューズを選ぶことができて、FGだけでなくAGなどの種類もあります。自分に合ったシューズを選べるというのは、本当に素晴らしいこと。僕が小学生や中学生の頃には、メーカーを変えるしか選択肢がなかったので、そういった選択肢が増えたことは非常に羨ましい。これにより、サッカーライフがより楽しくなり、選手としてのプレーの向上だけでなく、プレースタイルの幅も足から広がると思います。


――俊輔さんは、想像性溢れるプレーやフリーキックなど、選手としてのスタイルを早いうちから築き上げていたイメージがあります。しかし、そういったスタイルを見つけられない選手たちに対してアドバイスを送るとしたら、どのようなことを伝えますか?

自分のスタイルや武器が何になるかは最後までわからない。僕自身もフリーキックが得意と言われていますが、もともとはゲームメイクや意表を突くプレーが好きでした。でも最終的に最も評価されたのはキックだった。だから、幅広くやると薄くなってしまいますが、幅広くやりつつも濃くする努力が必要です。結局は練習量と練習の質、努力の質が重要だと思います。それぞれの選手には特化した特徴があり、それを武器にすることが大切です。

例えば、長友選手は特別な技術があったわけではないけれど、アグレッシブさや向上心を持ち続けることで、左足のセンタリングや駆け上がるタイミングが上手くなりました。代表で一緒にやっていた時には「上がるのが遅いよ」と言っても、素直に吸収しようとする姿勢がありました。そうやって成長するにはメンタルが一番大事。スポーツにおいてはメンタリティーが大きな要素になります。


――そんな俊輔さんが、サッカー人として一番大事にしている美学は何ですか?

基本的なことですが、やはり努力だと思います。努力の質ややり方、そしてその量も含めて、人より多く努力しなければならない。探求心も大事ですね。僕はサッカーが好きだからこそ、その世界にのめり込んでいきました。

今、指導者として勉強していますが、正直言ってそこまでハマっていない部分も時にあります。「なんで俺これをやっているんだろう?」と思うことも。でも、サッカーは奥深くて楽しい。勝てば嬉しいし、負ければ悔しい。喜怒哀楽の感情がすべて揺さぶられます。そうやって自分の感情が揺さぶられるものだからこそ、サッカーへの探求に終わりはないのかもしれませんね。


――今は指導者として邁進されている毎日だと思いますが、理想の指導者像について、10年後や20年後にどのような姿でありたいのでしょうか。

選手時代と同じで、特に具体的な理想像は持っていません。ただ、選手たちが少しでも上達し、レベルを上げるために、どんな練習をすべきか、どんな声をかけるべきかを考えています。同じように、指導者として、組織を強くするマネジメントについても勉強中です。サッカーと言えど、人と人との関係なので、コミュニケーションを通じて引き寄せられる存在になりたいです。リーダーとして認めてもらうためにはどんな人間性が必要か、少しは演じた方が良いのか、といったことを考えています。

最終的には、選手たちが「あの監督良かったよね」と感じてくれることが理想。勝つことも大事ですが、人間性が欠けている指導者もいます。逆に、人間的には良いけど勝てない指導者もいたりと。自分は、どちらにも偏らず、「俊さんと一緒にやったから今の自分がある」「あの時のアドバイスでサッカー選手としての土台ができた」と言われるような存在になりたい。最終的に選手のメンタルや心に残る指導者でありたいですね。

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