キャロウェイのニューモデル「エリート」シリーズ アップデートし続けるAIフェースであらたな領域へ
1月7日、キャロウェイが2025年モデルの新商品を発表した。その名も「ELYTE(エリート)」シリーズ。今年は2代続いた「PARADYM(パラダイム)」からブランドを刷新し、新しいステージに進むこととなった。
『キャロウェイの2025年モデル「エリート」シリーズ』
「エリート」ドライバーの最大の特徴は、さらに進化したAIフェース「Ai 10x FACE」にある。
近年AIは急速に進化しており、AIを用いたクリエーションにおいては、AIの能力そのものよりも学習させるデータの質こそが重要になってきている。2019年の「EPIC FLASH」からAIフェースを採用してきたキャロウェイは、その開発段階から数えれば10年近い経験を持つ。それゆえインプットに関しては一日の長があり、他社にはできないAI活用が進んだことが大きい。
具体的には、フェース面上の「コントロールポイント」と呼ばれる弾道を補正するポイントを、前モデル「パラダイム Ai スモーク」のなんと10倍に増やしたのだ。イメージとしては、設計図の方眼紙の目が10倍細かくなり、より緻密な設計が可能になった感覚だ。
これによって理想の設計をより高精度で製品化することが可能になり、前作比較で飛距離最大8ヤードアップ*1、着弾範囲が19%*2狭まるという大幅な性能向上を実現した。
*1 ELYTEとPARADYM Ai SMOKE MAXドライバーの比較結果に基づく。平均数値で1.8ヤードの飛距離が向上。
*2 ELYTEとPARADYM Ai SMOKE MAXドライバーの比較結果に基づく。キャリーにおいて着弾面積が最大で19%狭まる。
『「エリート」シリーズに採用されている「Ai 10x FACE」。AIフェースは毎年アップデートされている』
この性能向上にはもう1つ、試作工程のスピードアップも大きく貢献している。
大きなコストをかけてチタンを利用可能な3Dプリンターの導入に踏み切ったことで、自社内でチタンによるテストヘッドの製造が可能になったのだ。これによって、従来は設計して試作品を作りテストし、その結果を受けて改善するのに2~3カ月という期間がかかっていたのが、そのサイクルをわずか3日に短縮。試作したヘッドをテストしてフィードバックするというリトライを約75回も行うことができるようになった。
これは「作ってみなければわからない」部分の多いクラブ設計において、劇的な質の向上につながった。とくにフェースにおいては、打点テストの試行回数が大幅に増えたことで、上記の性能を実現できたと言える。
テスト回数の劇的な増加は、同様に難しい空力の研究も大幅に前進させ、ヘッドの空気抵抗を大幅に低減することにも寄与した。これによってヘッドスピードアップが可能になり、飛距離最大8ヤードアップ*1という飛距離アップに貢献している。
*1 ELYTEとPARADYM Ai SMOKE MAXドライバーの比較結果に基づく。平均数値で1.8ヤードの飛距離が向上。
『テストの試行回数が増えたことで、より理想に近づいたヘッド形状』
いずれも、AIの導入によってすでに性能アップの可能性は大きく広がっていたものの、実際に製品として実現する困難さがハードルになっていたドライバー開発において、「作る技術がAIに追いついた」ことによってブレイクスルーを生んだと言える。
「エリート」シリーズのドライバーは、スタンダードモデルとなる「エリート」のほか、つかまりがよく球が上がりやすい「エリートX」、軽量長尺モデルの「エリートMAX FAST」、そして強弾道で飛ばせる小ぶりヘッドの「エリート◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」の4モデル構成。
『スタンダードモデルの「エリート」ドライバー』
『ドローバイアスの「エリートX」ドライバー』
『アスリートモデルの『エリート◆◆◆』ドライバー』
「エリートMAX FAST」は、インプットするデータをアジア人のものに限定したことで、よりアジア人、日本人に適したドライバーになっているという。
『アジア人のパフォーマンスに合わせて開発された「エリートMAX FAST」ドライバー』
「エリート」ドライバーはヘッド後端の3カ所に、「エリートX」と「エリートMAX FAST」は2カ所にウェイトポートがあり、ウェイト位置を入れ替えることによって弾道調節が可能。「エリート◆◆◆」に関してはソール前方と後方の2カ所のウェイトを入れ替えることで重心深度を変えることができる。
また「エリートMAX FAST」は前モデルでは接着だったネックをアジャスタブルホーゼルに変更して、さらに調節機能がアップしている。
『「エリート」ドライバーは3か所のウェイトポートを採用(左:スタンダード 中:フェード 右:ドロー)』
『「エリートX」「エリートMAX FAST」のドライバーには2か所のウェイトポートが配備(写真:エリートX 左:スタンダード 右:ドロー)』
「エリート」シリーズは、アイアンも同時に発売される。
アイアンもドライバー同様コントロールポイントを増やしてAIにインプットするデータを増やした「Ai 10x FACE」が特徴。よりターゲット層にマッチしたフェース設計となり、スピン量・打ち出し角などが最適化され、理想的な弾道を得やすい。
『ドライバーと同時に登場する「エリート」アイアン』
『ドライバーと同じく「Ai 10x FACE」を採用』
ヘッドは前モデル「PARADYM Ai SMOKE」同様中空構造で、やさしく飛ばせるアイアンだが、「スピードフレーム」が新しくなってボディ強度が向上。「ウレタンマイクロスフィア」の効果と相まって中空ならではのミスヒット時の振動を抑制し、打感・打球音が向上している。この強度アップはトップラインのシャープ化も可能にし、構えた顔も前モデル以上にスマートだ。もう1つの特徴は「Xフォージド」アイアンで採用されたソールの面取り加工の採用だ。リーディングエッジとトレーリングエッジ両側のエッジを落としソールをなめらかにすることでバウンス効果を維持しつつ抜けが向上し、ダフリにくい。
『中空構造独特の振動を低減し心地良い打感を実現』
アイアンはスタンダードモデルとなる「エリート」と、ラージヘッド・グースネックでつかまりのいい「エリートX」の2モデルがラインアップされ、それぞれ7番でロフトが29度、28度。適度に飛びつつ、アイアンらしいコントロール性や高さも損なわないバランスを備えたアイアンとなってる。
『つかまりのいい「エリートX」アイアン』
『軽量モデル「エリートMAX FAST」アイアンもラインアップ』
発売は、ドライバー2月7日、アイアンが2月14日だが、試打クラブは1月10日からゴルフ5各店舗に導入予定。ぜひ実際に試打して、AIフェースの進化を体感していただきたい。
<ELYTEシリーズの詳細はこちら>
https://store.alpen-group.jp/golf5/campaign/2025new_arrx3/?maker=callaway