登山は初心者でも楽しめる! 必要な装備や注意点などをご紹介
近年、登山の人気が高まってきています。登山デビューをしてみたいけれど、どのような装備が必要で、どこの山に登れば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、登山初心者が知っておきたい、登山で最低限用意したいアイテムや登る山の選び方、登山の際の注意点などをご紹介します。
【目次】
■登山の魅力とは
登山は、山登りの中で四季折々の美しい自然を楽しめます。豊かな自然を眺めながら、鳥の鳴き声や川が流れる音に囲まれている非日常感は、普段は味わうことができないものでしょう。
また、自然を楽しみながら散策する「ハイキング」や、山麓を歩く「トレッキング」と異なり、登山は山の頂上に到達することが目的のアウトドアです。険しい山道を登りきる達成感や、そこからの美しい眺めなども、登山でしか感じられない魅力です。
■登山におすすめのシーズン
登山は年間を通じて楽しむことができますが、登山初心者の方には気候的に歩きやすく、美しい自然も楽しめる春や秋のシーズンがおすすめです。季節ごとの山の気候の違いを知り、登山に役立ててください。
【春や秋の山】
春や秋は気候的に歩きやすく、積雪などの心配も少ないため登れる山の選択肢が増えます。春は美しい花々を、秋は紅葉を楽しめるのも魅力です。
ただし、春でも富士山のような標高を高い山を中心に、雪が積もっていることが多いです。秋口は台風などの影響により天気が不安定なこともあり、標高の高い山では10月頃から降雪が始まるため、天気には注意しなければいけません。
【夏の山】
気温が上がり暑くなる夏は、標高の高い山も雪解けして本格的な登山シーズンに突入します。ロープウェイなどを使って、高い場所まで行ける山に行ってみるのもおすすめです。
【冬の登山】
冬は晴天率が高く空気も澄んでいるため、美しい景色を楽しめます。ただし、標高が高い山は積雪がありアイゼンのような本格的な雪山装備や技術が必要なので、初心者の内は避けましょう。
標高の低い低山に登る場合も、日没が早い点には注意しなければいけません。
■登山で必要な装備や服装
登山を行う際は多くの装備が必要ですが、その中でも最低限用意しておきたいのが、登山靴、リュック、レインウェアの3つです。それぞれの選び方のポイントや、服装、追加で用意しておきたいアイテムをご紹介します。
・登山靴
登山の際は舗装されていない道を長時間歩き続けるため、登山靴やトレッキングシューズが必要です。スニーカーのような靴は避け、靴底やつま先部分が硬くしっかりした、防水性の高いものを選ぶようにしましょう。
靴の高さはくるぶし程度まで覆うことができるタイプを選ぶと、ねんざ防止にもなるので便利です。
・リュック(ザック・バックパック)
手提げや肩掛けタイプのバッグは体のバランスがとりづらく、疲れやすいです。登山では、しっかりと腰で背負えて、体にフィットする形状のリュックを使うことが大切です。
リュックの容量は、日帰り登山の場合で20~30リットル、山小屋で1泊する場合で40リットル、複数泊やテント泊を行う場合は50リットル以上がひとつの目安になります。まずは30リットル程度の大きさのリュックを選んでみてはいかがでしょうか。
・レインウェア
雨風にさらされて体が冷えると、夏でも低体温症を起こすことがあるので、レインウェアの用意も忘れてはいけません。
防水、防風性に加え、外からの風を防ぎながら体から出る汗(水蒸気)は排出する透湿性にも優れている製品だと快適です。登山の際は上下が別になっていて、下半身も雨から守ることができるセパレートタイプのものを選ぶようにしましょう。
・機能性に優れた服装
山の天気は変わりやすく、歩き続けるうちに暑さを感じたり、標高が高い場所では寒くなったりすることもあります。温度調整がしやすいよう、下着、シャツ、防寒具、雨具の順で重ね着をするのが、登山時の基本の服装です。
また、登山では汗をかきます。服が濡れた状態でいると体を冷やしてしまうため、乾きにくい綿素材の服装は避けましょう。吸汗性や速乾性、伸縮性などの機能性に優れた素材の服装を選ぶことが大切です。
・ツバのある帽子や手袋
ツバのある帽子は、日除けとして役に立つアイテムです。落下物から頭を保護することもできるうえ、防水性の高い製品を選べば雨除けとしても活用できます。
また、手袋もケガや寒さから体を守ってくれるため、特に寒い時期は用意しておくと安心です。
・その他に用意しておきたい持ち物
その他にも、登山の際に用意しておきたい持ち物はたくさんあります。登山の際に必ず用意しておきたい持ち物と、あると便利な持ち物をいくつかご紹介します。
【必ず用意しておきたい持ち物】
現地の地図、GPS機能の付いた時計やスマートフォン、スマホ用のバッテリー、水、食べ物、健康保険証、ゴミ袋、常備薬
【あると便利な持ち物】
サングラス、日焼け止め、トイレットペーパー、ライター、タオル、筆記用具、ストック(トレッキングポール) など
今回ご紹介した持ち物は、あくまでも最低限準備しておきたいものであることに注意してください。例えば、積雪がある場合はさらに必要な装備は増えますし、宿泊を伴う場合はヘッドライトやテント、クッカーなども必要になるでしょう。
■登る山の選び方
山は、ただ標高が高いから難しいというわけではありません。標高が高い山でも難易度が低い場合や、逆に難易度が高い低山もあるため、登る山の選び方には注意が必要です。特に初心者の方が注意したい、山の選び方のポイントをご紹介します。
・標高差から選ぶ
標高差とは、登山口から山頂までの差のことを指します。地図上のルートでは距離が短く感じられても、この数字が大きいほど傾斜が急になり、登るには体力が必要です。登山初心者の方や体力に自信がない方は、標高差600m以内を目安にして山を選ぶようにしましょう。
ただし、標高差が低い場合でも、登山口の標高や山の標高そのものが高い場合は、空気が薄くなったり天候変化のリスクが高まったりするため、難易度が上がる傾向にあります。特に2,000mを超える山になると、春先や秋でも雪が積もっていることもあるため注意が必要です。
・歩行時間から選ぶ
どのくらいの間歩き続けるかを示す歩行時間も、山を選ぶ際には重要な要素です。ガイドブックなど書かれている、そのコースの歩行時間を示す「コースタイム」が5時間前後だと、初心者向きといえます。
ただし、歩行時間には休憩時間は含まれていないのが一般的で、実際には記載された時間よりも長く歩くことも多いため注意が必要です。
・登山口までのアクセスも確認
山によっては、登山口が最寄りの駅やバス停、駐車場から遠いなど、アクセスが悪い場合もあります。登山口に到着するまでに時間がかかってしまうと、下山までのゆとりがなくなることも考えられます。
初心者のうちは、人気が高い山を選ぶようにしましょう。そのような山は、登山道が整備されている、登山口までのアクセスが良い、登山者が多く道に迷いづらいなどのメリットが多く、安心して登ることができます。
■登山の際の注意点
登山は自然の中で楽しむアクティビティなので、注意しなければいけない点も多いです。登山の際の注意点をご紹介します。
・計画を立ててから行う
登山を行う際は、「どのルートで登り、どのくらいの時間で戻ってくるか」という登山計画を立てる必要があります。日帰り登山の場合は、15時頃までを目安に下山できるよう計画を立てておくのがおすすめです。
初心者の間は、ガイドなどに記載されている歩行時間×1.5~2倍程度の時間がかかるものだと考えて、余裕を持って計画を立てるようにしましょう。
・登山することを人に伝えておく
遭難などの不測の事態に備えて、家族や同僚、友人に登山計画を共有しておきましょう。また、主要な登山道には、登山計画書を投函する「登山ポスト」があるため、それを活用するのもおすすめです。
・迷ったら引き返す
入念に準備していたとしても、登山中に道に迷ってしまうこともあるでしょう。コースを間違えたり、道から外れたりしてしまった際は、むやみに先に進まずに、地図で確認できる場所まで戻るようにします。
どこにいるのかわからない場合は、安全なルートを辿りながら、山の尾根側へ登り続けてください。見通しのきく場所に出れば、現在地を確認できる可能性が高まります。滑落事故を起こしてしまったり、道を阻まれ身動きが取れなくなったりしてしまう恐れがあるため、道に迷った際に下ることは避けましょう。
・山でのルールを守る
登山中は山でのマナーを守ることも大切です。登山中のルールとしては、次のようなものがあります。
・動植物に関わらない
・人とすれ違う時は挨拶する
・登りの人が優先
・狭い道ですれ違う際は山側にいる人が避ける
・ゴミは必ず持ち帰る など
最低限のルールやマナーは守って登山を楽しみましょう。
■ルールを守って登山で自然を満喫しよう
登山は、自然を体いっぱいに感じながら楽しめるアウトドアです。景色を楽しむだけでなく、険しい山道を歩ききる達成感もあるなど、ハイキングやトレッキングとは異なる魅力を持っています。
ただし、山には危険も多いため、必要なアイテムを用意しルールを守ったうえで、自身に見合ったレベルの山で登山を楽しむことが重要です。まずは近場で手軽に行ける山から、登山を始めてみてはいかがでしょうか。
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