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outdoor2022.01.05

キャンプシーンの料理に最適! 熾火(おきび)の作り方を解説

自然の中で火を起こして作る食事は、キャンプや登山といったアウトドアシーンの醍醐味のひとつです。火を起こして調理を行う際に、上手に活用したいのが「熾火」です。料理だけでなく、薪ストーブや焚き火を楽しむ際も、熾火を知っているのといないのでは快適さが変わります。
ここでは、熾火のメリットや作り方、熾火を作ったり使ったりする際の注意点などについてご紹介します。

 

【目次】

■熾火とは?

■熾火の作り方

■熾火の注意点

・作ったり消したりするのに時間がかかる

・調理に使う際は距離の調整が必要

・火が消えたかどうかわかりづらい

■熾火の処理の仕方

■アウトドア料理に熾火を活用してみよう

 

■熾火とは?

熾火とは?

 

熾火(おきび)または燠(おき)とは、火をつけた薪や炭の炎が収まり、芯の部分が真っ赤になっている状態のことです。一見すると調理や暖を取る用途に使えるか不安に感じられるかもしれませんが、炎を上げて燃えている状態よりも火力は安定しています。
しっかりと燃焼していれば煙の量も少ないので、煙のにおいが食材などにつく恐れがありません。炭火と同じく、遠赤外線の効果でムラなく食材に火を通せるため、料理作りに最適です。

熾火は炎が上がっている状態よりも燃焼に必要な酸素の量が少なく、燃える速度が緩やかになるのも特徴です。条件次第ではありますが、火を長持ちさせて暖かさをキープできます。必要に応じて薪を継ぎ足していけば、さらに長い時間火を残し続けることも可能です。
また、必要とする酸素が少なくなる分、排出される熱エネルギーも少なくなります。薪ストーブなどに熾火を入れておけば、ストーブ内に熱エネルギーがたくさん残るので、暖かさをキープしやすいです。

このように、料理や薪ストーブ、焚き火など、熾火はさまざまなシーンで使うことができます。アウトドアシーンで火を使ったアクティビティを楽しみたい方は、熾火を活用してみてはいかがでしょうか。

 

■熾火の作り方

熾火自体は、火をつけた薪を放置しておくだけでできる簡単なものです。しかし、熾火作りの手順やコツを知っておくと、より上手に作ることができます。熾火の作り方の手順は、以下の通りです。

【熾火の作り方の手順】
1.薪を組む
2.着火剤を置いて火をつけ、しばらく放置する
3.炎が収まり、薪や炭の芯が真っ赤になっていれば完成
4.熾火が弱くなってきた場合は、必要に応じて薪を新たに追加する

炎が収まり熾火になるまでは、薪や炭を動かしたり追加したりするのは避け、放置しておくのが上手に作るためのコツです。薪が崩れてしまったり、燃焼時間が短くなったりするのを避けられます。

また、熾火作りに使う薪の選び方もポイントです。薪は、燃焼時間が短い針葉樹と、長時間燃え続ける広葉樹の2種類に分けられます。針葉樹は松や杉など、広葉樹はナラやクヌギ、サクラなどが一例です。
広葉樹は一度燃えれば火が長持ちするのが魅力ですが、着火しにくいため、薪を組む際は両方の種類を混ぜるようにしましょう。先に針葉樹に火をつけて、しっかりと炎が燃え上がったところで広葉樹を投入すれば、火がつかなかったり途中で消えたりする心配を減らせます。

 

■熾火の注意点

熾火の注意点

 

長時間安定して燃え続けて煙が少ない、料理をおいしく作れるなど、メリットの多い熾火ですが、注意したい点もいくつか考えられます。熾火を作ったり使ったりする前に確認しておきたい注意点を、3つご紹介します。

 

・作ったり消したりするのに時間がかかる

熾火は、炎が上がった後もしばらく放置し続ける必要があるので、作るのに時間がかかります。薪ストーブに使用する場合は大きな問題になりませんが、料理に熾火を使おうと思った場合は、計画的に焚き火を始めておかないと、熾火作りが間に合わない恐れがあります。
何時になったら料理作りを開始するのかから逆算して、熾火の準備を始めることが大切です。

また、長時間燃え続けるというメリットは、消えるまでに時間がかかると言い換えられます。夜作った熾火が、朝になっても残っていたというケースも考えられるので、就寝前にしっかりと消火できているか確認するなど、熾火を使用する際は注意が必要です。
普通に薪を燃やすよりも火が消えるのに時間がかかるものと考え、いつ頃までに消火すれば良いのか計算して作るようにしましょう。

 

・調理に使う際は距離の調整が必要

熾火を調理に使う際は、食材と熾火の距離感の調整も重要です。炎が上がっている状態よりも温度は低くなるので、食材との距離が遠すぎると、食材に火が通らずに生焼けになってしまう恐れがあります。

食材になかなか火が通らないと思った場合は、熾火と食材の距離を近づけるようにしましょう。弱火にしたい場合は、距離を遠ざけるか薪の量を減らして調整できます。ハンドルで高さを調整できるバーベキューコンロや、調理器具を上から吊るして高さを調整できるスタンドのようなアイテムを用意しておくと便利です。
逆に火が弱くなってしまった場合は、薪の量を増やすか熾火を一か所に集めることで、火力を強められます。

 

・火が消えたかどうかわかりづらい

熾火は炎が上がらず、煙が発生しづらいのがメリットです。しかし、炎の上がり方や色など、視覚的な情報から熱を判別するのが難しいというデメリットもあります。一目見ただけで「炎が上がっていないから」「色が落ち着ているから」と判断して熾火を手に取ったり、足で踏んで消火を試みたりすると、火傷につながる恐れもあり危険です。

熾火が消えているかどうかの判断がつかない場合は、最初に手を少し近づけてみて、熱を感じるかどうかを確認してみましょう。熱を感じるときは、熾火の芯の部分がまだ燃えている状態です。近くに燃えやすいものがあると発火する恐れがあるので、取り扱いには十分に注意する必要があります。

 

■熾火の処理の仕方

アウトドアシーンに限らず、火を使った後は適切に処理することが求められます。熾火を作った後は、火傷や火事などの事故を防ぐために、確実に燃え尽きたのを確認してから処理を行うようにしてください。
熾火がほとんど灰の状態になったら、火ばさみやトングを使って細かく砕いたり散らしたりして、酸素に触れる表面積を増やすと、熾火が燃え尽きるまでにかかる時間を短縮できます。完全に燃え尽きたら、熱を持っていないことを確認し、キャンプ場のルールに従って燃えがらを処理しましょう。

なかなか燃え尽きないからといって、焚き火台や薪ストーブなどに置いてある熾火に直接水をかけるのは避けるのがポイントです。熱い水蒸気が発生したり、温度変化の影響で焚き火台が変形したりする恐れがあります。また、灰が水分を含むことで、片付けの手間が増えてしまうのもデメリットです。
どうしても時間までに火が消えない場合は、水の入ったバケツや缶の中に熾火を一つひとつ入れて消火する方法がおすすめです。

 

■アウトドア料理に熾火を活用してみよう

熾火は、薪に火をつけて放置しておくだけで簡単に作ることができます。炎が上がっている状態よりも安定した火力が長時間持つ、煙が出にくい、おいしい料理が作りやすいなど、さまざまなメリットを持っているのが特徴です。アウトドアシーンでおいしい料理を作りたい方は、熾火を活用してみてはいかがでしょうか。
しかし、火が燃えているかどうかを確認しづらい、作ったり消したりするのに長い時間がかかるなど、熾火を使う際は注意したい点もいくつかあります。火を使ったアクティビティなので、万全の準備をしたうえでチャレンジするようにしましょう。

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