ランニングは「腕振り」が鍵! 速く楽に走るための体の使い方

走るスピードを速くしたり、長距離を走っても疲れにくくしたりするには、正しいランニングフォームの習得が求められます。正しいランニングフォームのコツはいくつかありますが、中でも強く意識したいのが「腕振り」です。正しい腕振りを習得できれば、長い距離を速く、楽に走れるようになります。
とはいえ、腕振りは無意識でも行えるため、深く考えたことがない方もいらっしゃるでしょう。ランニングの際は、どのように腕を振れば良いのでしょうか。
ここでは、走りにおいて重要な要素となる腕振りのコツについてご紹介します。
【目次】
■ランニングは「腕振り」を意識しよう!
歩く・走るという動きは足だけで行うものではなく、上半身も含めた全身運動です。そのため、人が歩いたり、走ったりする時は、自然と腕を前後に振ることになります。
足と腕の動きは連動するので、腕を全く振らないと足は上手に動かせません。言い換えると、腕をしっかりと動かす意識を持っていれば、足も動かしやすくなるのです。
その他にも、正しい腕振りを行うことで、以下のような効果が期待できます。
【推進力の向上】
腕をしっかりと振ると、全身で前に進むための推進力を生み出せます。より速く走ったり、スピードを維持したりすることが可能です。
【体力の維持】
腕振りによって、上半身と下半身のバランスを保ちやすくなります。全身のバランスを保つことで、ランニング中の無駄なエネルギー消費を抑えられる点もメリットです。疲労感の軽減にもつながります。
【ランニングフォームのサポート】
正確に腕振りを行うと、前かがみなどのランニングフォームの乱れを防げます。体にかかる負担の軽減も期待できます。
推進力の向上や体力の維持といった要素は、特に長距離を走るマラソンでは欠かせない要素です。
フォームのバランスを維持したり、疲労感を軽減したりするために、ランニング中はしっかり腕を振ることを心がけましょう。
■ランニング中の腕振りのポイント
具体的に、ランニング中はどのような点を意識して、腕振りを行えば良いのでしょうか。ランニングやマラソンなど、走る動作を行う際に心がけたい腕振りのポイントをご紹介します。
・肩の力を抜く
余計な力が入って肩が上がったり、手をきつく握りしめたりすると、腕が疲れやすくなります。筋肉が硬くなることで体の可動域も狭くなり、推進力を得にくくなる点も問題です。
ランニングの際は肩の力を抜き、リラックスした状態で走ることを心がけましょう。
この時、脇を広げずに適度に締めておくこともポイントです。脇を広げたままだと腕振りを行いにくくなるだけでなく、推進力が横方向に流れてしまいます。ランニングのスピードが落ちてしまうため注意が必要です。
・肘は90度に曲げる
リラックスして肩の力を抜いたら、肘を90度程度に曲げて、そのまま前後に腕を振りましょう。腕が真っすぐに伸びていると、スムーズに腕振りを行うことができません。その状態のまま腕振りを行うと、腕振りで得た推進力が後ろ方向に流れてしまいます。
また、肩と手のひら(こぶし)の距離が遠いほど、腕を動かすために必要な力が多くなります。疲れやすくなり、長距離を走るのが難しくなってしまう点も問題です。
後ろに腕を引いた時に、肘が伸びないように意識しながら、腕振りを行うようにしましょう。
・足と腕の動きを連動させる
前述のとおり、人は上半身と下半身を連動させて歩いたり、走ったりしています。腕振りと足の動きは別々に見えて、密接に関わり合っているということです。
ランニングの際は、足と腕の動きを連動させる意識を持ちながら走るようにしましょう。具体的には、足のステップと腕振りのタイミングを一緒にする意識で体を動かすことをおすすめします。
一方の足を前に出したタイミングで、反対側の腕も前に出す動きになるのが理想です。
また、腕の力だけでなく、腰の動きを使って腕振りを行うこともポイントです。全身を使って腕と足をしっかり動かすことで、安定したフォームを維持したり、推進力を得たりできます。
・走り方から腕振りの大きさを決める
腕を振る目的は、推進力を得ることだけではありません。足の動きに合わせて上半身を動かして、全身の動きをコントロールすることも、腕振りを行う目的のひとつです。
例えば、推進力を多く使用する短距離走の走り出しは腕を大きく振る必要がありますが、スタミナが求められるフルマラソンのシーンで腕を大きく振り続けると、余計な体力を消費してしまいます。
常に腕を大振りするのではなく、短距離なら大きく腕を動かして推進力を得る、長距離は一定のリズムで小さめに振ってスタミナを温存するなど、距離に合わせて適切な範囲で腕振りを行いましょう。
ただし、最適なランニングフォームは個人の体格や走り方などに左右されます。日々のランニングやトレーニングの中で、自分が走りやすいと感じる腕振りの方法を見つけておくのがおすすめです。
■腕振り改善のためのトレーニング方法は?
ご紹介してきたように、ランニング中は腕振りを行って上半身を動かすことで、下半身も効率的に動かしやすくなります。自然と足を前に出したり、推進力を得たりするには、腕の付け根にあたる肩甲骨をしっかりと大きく動かすことが大切です。
腕振りをしっかりと行うことが難しい方は、肩甲骨周辺のストレッチを行い、腕の可動域を広げることを心がけましょう。腕振りには筋力が必要になるため、日々のトレーニングメニューに筋トレを取り入れて、腕や上半身の筋肉を鍛えるのも有効です。
また、腕の可動域を広げたり、筋力をつけたりしても、実際に体を使わないと動かし方を学ぶことはできません。
その場に立ったまま腕振りを行うトレーニングを取り入れ、腕や腰の動かし方を理解するのも良いでしょう。肩甲骨回りの動きを意識しながら、リラックスした状態で腕を振るのがポイントです。
どこが悪いのかわからない時は、コーチやランニング歴が長い友人にアドバイスをもらったり、フォームをビデオで撮影して見直したりするのも、腕振り改善につながります。
■腕振りを意識してパフォーマンス向上を目指そう
腕振りは、普通に歩いたり、走ったりする際に無意識に行えてしまうものです。そのため、足の動かし方に比べるとランニング中に意識することは少ないかもしれません。
自分自身の走り方を確認する機会は多くないので、間違った方法で腕振りをしている可能性もあります。
まずは、自分のランニングフォームを撮影したり、誰かに見てもらったりして、問題点をチェックしてみましょう。
肩の力は抜けているか、肘をしっかり曲げて動かしているか、足と腕の動きが連動しているかなど、ひとつひとつのチェックポイントを潰していけば、自ずときれいな腕振りができるようになります。
問題点を改善して、ランニングのパフォーマンス向上を目指しましょう。
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