ランニングコースに坂道を取り入れよう! 注意点とフォームのコツ

ランニング初心者はもちろん、走り慣れている上級者の中にも、坂道を走るのが苦手という方は多いかもしれません。坂道ランニングは、フォームなどを意識することで、楽に走りやすくなります。平たんな道を走る以上に多くの効果が期待できるため、ランニングに慣れてきた方は坂道をランニングコースに取り入れてみてはいかがでしょうか。
ここでは、坂道を走るメリットや、けがを防ぐコツ、上り坂と下り坂を走る時のランニングフォームなどについてご紹介します。
【目次】
■ランニングコースには坂道を取り入れるのがおすすめ!
ランニングの効果をより高めたい時や、マラソン大会に向けた練習に取り組んでいる時は、普段のランニングコースに坂道をプラスするのがおすすめです。坂道ランニングに取り組めば、平たんな道を走る以上の効果を期待することができます。
まずは、坂道を走るメリットや期待できる効果を見ていきましょう。
・心肺機能の向上
坂道を上るには、平たんな道を走るよりもパワーが必要です。筋肉を普段以上に使う坂道をランニングコースに取り入れることで、心肺機能の向上が見込めます。
また、傾斜がある坂道は平たんな道よりもスピードが出にくくなります。運動強度を高めながら、体にかかる負担を抑えやすい点も、坂道ランニングを行うメリットのひとつです。
長く走り続ける時間がない時は、短距離の坂道ダッシュを数本行うのも良いでしょう。
・筋力のアップ
坂道を上る時だけでなく、下る時の効果も見逃せません。下り坂を駆け降りる時は、普段よりも体に重力がかかった状態になります。体を支えるために必要な力が増すので、筋力アップを期待することも可能です。
ランニングを行いながら筋力アップを目指したい方は、坂道をダッシュで上ったり、下ったりするトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。
・ランニングフォームの改善
坂道は、平地よりも体力を消耗しやすい環境です。体の軸がぶれる、腕の振り方がおかしいなど、坂道を走る時に余計な動きが多くなると、すぐにつらくなってしまいます。
坂道を楽に走れるように意識することで、無駄のないきれいなランニングフォームを習得可能です。
坂道を上る時は、自然と前傾姿勢になりやすいです。背筋が伸びて骨盤が前傾した「腰高フォーム」と呼ばれるランニングフォームを作る効果も期待できます。
一方で、重力を使ってスピードを出しやすい下り坂は、大きく体を使ったフォームの習得にも最適です。
きれいで無駄のないランニングフォームを身に着けたい時は、坂道を走るトレーニングに取り組んでみるのも良いでしょう。
■坂道でのランニングのコツ
坂道は、慣れていないと平たんな道を走るよりもきつさを感じやすいです。坂道でランニングやダッシュを行う時は、いくつかコツを意識して取り組むと良いでしょう。
基本的な坂道ランニングのコツとしては、以下の2点が挙げられます。
・緩やかな坂道で行う
坂道ランニングは、無理に急な斜面で行う必要はありません。斜面が急なほど負荷は高まるものの、けがのリスクも上がります。腰が落ちたフォームになりやすい点も問題です。
普段よりもスピードが出やすい下り坂は、スピードを制御できずに歩行者にぶつかったり、転倒したりするリスクも捨てきれません。
慣れないうちは、傾斜が緩やかな坂道で走ることから始めましょう。
・ゆっくりしたペースで走る
坂道を全力疾走する必要もありません。無理に走ろうとするとランニングフォームが乱れてしまい、坂道を走る効果が薄れてしまいます。
ゆったりしたペースで構わないので、ランニングフォームを意識しながら走るのが、坂道ランニングの効果を高めるポイントです。
また、いきなり坂道を走ろうとすると、けがにつながる恐れがあります。事前にストレッチやウォーミングアップを行い、しっかりと体をほぐしておきましょう。
上り坂では足で蹴り出す力が普段以上に求められるため、股関節回りの筋肉をストレッチで伸ばしておくのが有効です。
■坂道を走る時のフォームのポイント
坂道と平たんな道では、体の動かし方が若干異なります。坂道ランニングでは、どのようなランニングフォームで走れば良いのでしょうか。
坂道を走る時に意識したいランニングフォームのポイントを、上り坂と下り坂に分けてご紹介します。
・上り坂のフォームのポイント
上り坂では、普段よりもパワーを求められます。上り坂を走る時は、以下のポイントを意識して走ることが大切です。
【目線を前に向ける】
坂を上る時に目線が下がって猫背になると、前に進む推進力を得られなくなります。
ただし、目線が上すぎると顎も上がって疲れてしまいます。無理に上を向くのではなく、適度な位置に視線を向けることがポイントです。
【歩幅を小さくする】
上り坂を足の筋肉だけで上ろうとすると、すぐに疲れてしまう点にも注意が必要です。歩幅を小さくして、足の回転数を上げるピッチ走法で走ることを心がけましょう。
股関節に体重を乗せる意識を持ち、上半身はやや前傾気味の姿勢を取ることで、疲れやすさを軽減できます。
また、つま先だけで走ると体の一部だけに負荷がかかります。足裏全体で着地し、体にかかる負荷を分散する意識を持つことも重要です。
・下り坂のフォームのポイント
下り坂は、上り坂よりスピードが出やすいだけでなく、平たんな場所を走るよりも体に負担がかかりやすいとされています。勢いよく走ると、けがや事故につながる恐れがあるため注意が必要です。
下り坂では、以下の点を意識して走りましょう。
【重心を前にする】
スピードが出やすい下り坂では、スピードを落としたり、転ぶのを防ごうとしたりして、後ろにのけぞりやすくなります。腰が引けた状態だと体に余計な負担がかかってしまうため、重心を前に持って行く意識を持つことが大切です。重心を前にすることで、着地から蹴り出しまでのスピードも早くなります。
姿勢を安定させるために、手の位置を低くすることもポイントです。
【前傾姿勢を取る】
股関節の筋肉を使えないと、足が上げにくくなります。骨盤を立てて、前傾姿勢を取るイメージで走ることも重要です。
また、目線は足元ではなく少し遠い位置に向けるようにしましょう。事前に遠くを見ておくことで、危険な状況に対処しやすくなります。
■坂道ランニングでパフォーマンスアップを目指そう
坂道は、平たんな道を走るよりも体力を消耗するものです。その反面、筋力や心肺機能の向上、ランニングフォームの改善といったさまざまな効果を見込むことができます。
マラソン大会に向けて練習している方や、より本格的にランニングを楽しみたい方は、普段のランニングコースに坂道を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、坂道ランニングは負荷がかかりやすく、けがにつながる恐れもあります。無理のない範囲で、坂道ランニングに取り組むことが大切です。
RECOMMENDED POSTS
この記事を見た方におすすめの記事