デル・ピエロ(サッカー元イタリア代表)が考える、世界一のサッカー選手になるために必要なこと
イタリアの名門ユベントスFCのエースストライカーとして1996年トヨタカップ(現FIFAクラブW杯)で世界一に輝き、イタリア代表として2006年ドイツW杯で優勝。数多くの記憶に残る華麗なプレーとゴールを披露してきたアレッサンドロ・デル・ピエロ氏(44)が、8月に来日した。
デル・ピエロは、東京都内某所でフットサルとバーベキューを通じて日本の多くのファンと交流を深めていた。デル・ピエロと話す機会を得た筆者は、単独インタビューに成功した。
デル・ピエロが世界最高のファンタジスタと称された理由
(1)どのようなパスがきてもファーストタッチで正確にコントロール
(2)難しい局面を美しいドリブルで打開
(3)左右の足から放たれる正確なパスとシュート
(4)デル・ピエロ・ゾーン(ゴールに向かって角度45度)から決めたゴールは数知れず
(5)激しいチャージを受けても倒れない強靭な肉体
(6)世界中のサッカーフリークを魅了する甘いマスク
フットサル会場に100名ほどが駆けつけ、デル・ピエロとフットサルを楽しむプレイヤーと観客が夢中になって熱気を帯びていた。
デル・ピエロは、鮮やかなドリブルや針の穴を通すようなパスなどで世界レベルのプレーを披露。そして、自身が最も得意とするデル・ピエロ・ゾーンから切れ込んでゴールも決めていた。フットサルが終了すると、デル・ピエロは150名にも増えたファンと優雅な雰囲気の中でバーベキューを堪能した。
イベント終盤に、筆者はデル・ピエロと話す機会を得たので、気になる質問をしてみた。
――デル・ピエロさん、日本のファンとフットサルをして、いかがでしたか?
デル・ピエロ:今日は皆さんとフットサルができて、非常に楽しかったです。子供と大人と一緒にプレーできましたからね。
――2006年ドイツW杯で世界一に輝きました。あの瞬間、ピッチ上で何を感じたのでしょうか?
デル・ピエロ:W杯で優勝が決まった瞬間は、サッカーを続けてきたことを含め、それまでの人生全てのことを思い出して、非常に嬉しい気持ちになりましたね。
――日本の子供たちがデル・ピエロさんのような世界一のサッカー選手になるために、何をするべきでしょうか?
デル・ピエロ:子供の頃は、人によって体とサッカーの成長速度が違うので、一般的なことは言えないですね。ですが、まずは大好きなサッカーを楽しんでほしいです。あとは所属チームにもよると思いますが、良い指導者と巡り会うことも大切ですね。
――印象に残っている日本人選手はいますか?
デル・ピエロ:私が現役時代に対戦したことがある選手の中では、今でも活躍する三浦知良選手と中村俊輔選手、あとは中田英寿君が非常に印象深いですね。
――日本のサッカーは、どうすれば強くなると思いますか?
デル・ピエロ:なかなか難しい質問ですね(笑)。と言うのは、既に日本のサッカーは非常にレベルが高いですからね。また多くの選手が世界のクラブで活躍しているので、それだけで素晴らしいことだと思います。
――日本では、サッカー以外でも多くのスポーツで盛り上がりを見せています。
デル・ピエロ:1年後に日本の東京で世界規模のスポーツの祭典が開催されることは、非常に素晴らしいことです。プレーする選手には、強い気持ちと情熱を持って戦ってほしいですね。選手たちの姿を見る日本の皆さんも特別な感情になると思いますし、日本という国が盛り上がると思うので楽しみですね。
その後、デル・ピエロはファンたちと語り合い、記念撮影とサインに応じていた。会場にいる誰もが喜びに満たされ、イベントは幕を閉じた。
日本が大好きなデル・ピエロは、また来日するだろう。その時は、世界最高のプレーを目に焼きつけてほしい。