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outdoor2024.02.20

ガレ場・ザレ場とは? 山道の安全な歩き方を身につけよう

トレッキングや登山など、山に挑むアクティビティでは、足元の不安定な山道を歩くことが多くあります。山道の中でも特に足を滑らせやすいのが、ガレ場・ザレ場と呼ばれる場所です。
アウトドア初心者の中には、「言葉はわかるがどんな場所か知らない」「上手な歩き方がわからない」という方もいらっしゃるでしょう。ガレ場・ザレ場を歩く時は、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
ここでは、トレッキングの時に覚えておきたい、ガレ場・ザレ場の概要と、歩き方のコツをご紹介します。

 

【目次】

■ガレ場・ザレ場ってどんな場所?

・ガレ場とは

・ザレ場とは

■ガレ場の上手な歩き方

・一歩一歩確実に歩く

・歩幅を小さくする

・ヘルメットを着用する

■ザレ場の上手な歩き方

■難所の歩き方をマスターして安全に山道を歩こう

 

■ガレ場・ザレ場ってどんな場所?

ガレ場・ザレ場ってどんな場所?

 

山道を歩くアクティビティを行う時に、ガレ場やザレ場と耳にすることがあります。具体的に、どのような場所を指す言葉なのでしょうか。
歩き方の前に、ガレ場・ザレ場の特徴を覚えておきましょう。

 

・ガレ場とは

ガレ場(ガレ)とは、石や岩などが積み重なってできた、足元が不安定で歩きにくい山道のことです。より大きな岩が積み重なってできたガレ場は「ゴーロ」と呼ばれることもあります。
高山の稜線や、沢・谷の上流部など、少し山を登った場所で見られることが多い地形です。

ガレ場の中でも、グラグラしていて動きやすい石は「浮石(うきいし)」と呼ばれます。急斜面で浮石の多いガレ場は、足元が不安定で歩きにくいだけでなく、落石の発生するリスクも高いため注意が必要です。
特に、ガレ場でコースから外れると極端に足場が悪くなる恐れもあります。滑落や落石などの恐れがあるので、登山道以外の場所を歩くのは避けてください。

また、落石のリスクがあるガレ場で休憩するのも厳禁です。ふとした拍子に石や岩が転がってきて、大けがにつながる可能性があります。基本的には、できるだけ速やかに通り過ぎることをおすすめします。

 

・ザレ場とは

ガレ場よりも石や岩が細かく、小石や砂を敷いたような場所がザレ場、またはザレです。砂礫地(されきち)という言葉もほぼ同じ意味で使われ、堆石が厚くなったザレ場は「ザク」と呼ばれることもあります。
傾斜はあまり急ではないことが多いですが、小石や砂でできているため、足を取られて滑りやすいのが特徴です。主に、火山の河口近くや、花崗岩の岩盤が露出した山などで見られます。

また、悪天候時に広いザレ場を歩くと、視界不良による道迷いの恐れがあります。コースを見失ったり、間違った方向に進んだりしないように、前の人の足跡をしっかり確認することが大切です。

 

■ガレ場の上手な歩き方

ガレ場の上手な歩き方

 

足元が不安定なガレ場は、山道の中でも特に転びやすく、けがの恐れがある場所のひとつです。トレッキングシーンでも目にすることがある場所なので、歩き方のポイントを覚えておきましょう。
ガレ場を登ったり、下ったりする時のコツは、以下のとおりです。

 

・一歩一歩確実に歩く
前述したとおり、ガレ場は石や岩がたくさん積み重なっている場所です。安定していて動きにくい石もあれば、グラグラと不安定で動きやすい浮石もあります。
誤って浮石に足を乗せてしまうと、足を滑らせて転んでしまうだけでなく、落石を起こしてしまう恐れもあり危険です。

一歩一歩確実に、踏んだ石を下に押しつけるように体重を乗せて歩くことを心がけましょう。
かかとやつま先だけを踏み出すのではなく、靴底全体を設置させる「フラットフッティング」で歩くと、落石を防げます。
後ろ足で蹴り出すのは避け、前足に体をかぶせるように登ることもポイントです。蹴り出さないように歩けば、不安定な浮石でも崩れにくくなります。

特に、下り道のガレ場は登りよりも腰が引けやすいです。体を前側に傾け、靴底の真ん中に重心を置いて石を踏みつける意識を強く持ちましょう。

 

・歩幅を小さくする

歩幅が大きすぎると、片足に体重がかかって不安定な状態になります。そのまま浮石を踏んで片足を滑らせてしまうと、転倒するリスクがあり危険です。
歩幅はできるだけ小さくすることも、ガレ場を歩く時は重要です。山道の傾斜に対して、靴先を真っ直ぐにして小股で歩くと、バランスを取りやすくなります。

また、たくさんの人が歩いているコース内は比較的安定していますが、ルートを外れた途端に足場が悪くなることもあります。基本的には、矢印などの目印がある部分を歩き、コース外には出ないようにしてください。

 

・ヘルメットを着用する

トレッキングを行う山にガレ場があるとわかっている時は、ヘルメットを用意しておくのもおすすめです。万が一落石が起こった際に、頭を守ることができます。

ただし、ヘルメットがあれば絶対に安心できるわけではありません。ヘルメットを着用したとしても、落石には十分注意することが大切です。
例えば、ガレ場の中には、落石を起きた時に逃げられない場所もあります。前の人がガレ場を通り過ぎるまで岩陰などに隠れておくか、十分に間隔をあけた状態で歩くようにしてください。
コースが横に広い場所では、斜めに横断するように登る方法でも、落石の被害を防げます。

また、ストック(トレッキングポール)は山道の歩行をサポートしてくれる便利なアイテムですが、石が崩れやすいガレ場でストックを使用すると、地面と接触する場所が増えてしまいます。
その分、落石を発生させる可能性が高くなる点に注意が必要です。

万が一落石を起こしたり、見かけたりした時は「らく!」や「落石!」と叫んで、周りの人に注意喚起をしてください。石を落としたのが自分ではなくても、気付いたら叫ぶことがポイントです。

 

■ザレ場の上手な歩き方

小石や砂でできているザレ場は、ガレ場よりも滑りやすいのが特徴です。
登る時は、靴底全体で地面を捉えるように、フラットに着地することを心がけましょう。滑るからといってつま先に余計な力が入ると、より滑りやすくなってしまいます。

また、前のめり気味で重心がずれてしまうのも、ザレ場が登りにくくなる原因のひとつです。上体を垂直に保って、姿勢がぶれないように意識して歩いてください。
恐怖心から足元だけに意識が向きがちですが、目線をしっかりと進行方向に向けることもポイントです。

下りの時も、基本的には登りと同じく、足裏全体で地面を捉えるように着地するフラットフッティングを意識して歩きます。つま先で歩くような感覚を意識すると、靴底を斜面に対して平行に出しやすいです。
傾斜が厳しいザレ場は、後ろ足に重心を残したまま前足を踏み出し、着地してから前足に重心を移すと、滑りにくくなります。

 

■難所の歩き方をマスターして安全に山道を歩こう

山歩きを楽しむ中で、ガレ場やザレ場といった難所は避けて通れません。整備された登山道に比べると歩きにくく、落石の恐れもある危険な場所です。
本格的な登山はもちろん、トレッキングでも遭遇する可能性があるため、安全な歩き方をマスターしておきましょう。

基本的には、一歩一歩を確実に踏み出すことと、靴底全体で着地することの2点を心がけてください。安全のために、ヘルメットを用意しておくのも良いでしょう。
ご紹介した内容を参考に、ガレ場やザレ場の歩き方を身につけて、山道をさらに楽しんでください。


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