ジョギングとランニングの違いは? 目的によって使い分けよう
ジョギングとランニングは、健康維持や運動不足の解消、ダイエット、トレーニングなど、さまざまな目的で行われることが多い運動です。2つはどちらも走る運動ですが、具体的にジョギングとランニングはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの違いを知っておくと、目的に応じてジョギングとランニングを使い分けられるようになります。
ここでは、ジョギングとランニングの違いや、それぞれを始める際のポイントなどをご紹介します。これからジョギングやランニングを始めようと考えている方は、参考にしてみてください。
【目次】
■ジョギングとランニングの違い
ジョギングとランニングは、どちらも走ることで体を動かす運動です。具体的にどのような運動がジョギングで、ランニングとは何が異なるのでしょうか。走るペースや運動強度、心拍数の観点から、2つの違いをご紹介します。
・走るペースによる違い
ジョギングとランニングの違いで最もわかりやすいのは、走る際のスピードです。英語の「ジョグ(jog)」はゆっくり走る、「ラン(run)」が駆けるという意味を持つことからも想像できるように、基本的にはジョギングよりもランニングの方が速いスピードで走る運動になります。
具体的な目安としては、ジョギングは他人と会話しながら走れる程度の速さ、ランニングは息が弾んだり息切れしたりする程度の速さと覚えておくと良いでしょう。
・運動強度による違い
ジョギングとランニングは走るスピードだけでなく、運動強度も異なります。運動の強度は「METs(メッツ)」という単位で表されます。メッツとは、横になったり座ったりしている安静時を1とした時と比較して、その運動によって何倍のエネルギーが消費されるかで活動の強度を示したものです。
国立健康・栄養研究所の『改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」』では、ゆっくりしたジョギングは6メッツ、ランニングは走る速さにもよりますが、時速6.4kmのランニングで8.3メッツとされています。※1
この表からも、ランニングの方が運動強度は高いことがわかります。ただし、強度の高さに比例して体にかかる負担も大きくなるため、特に運動経験の少ない初心者の方は、怪我などをしないように注意が必要です。
※1国立健康・栄養研究所:改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
・心拍数による違い
ジョギングとランニングでは、走っている最中の心拍数にも違いがあります。
基本的にランニングの最中は、1分間あたりの心拍数が最大心拍数の6~8割程度になる速さで走るのが目安です。最大心拍数とは拍動が最も速くなった際の心拍数のことで、一般的な成人の場合は「220-自身の年齢」程度になるとされています。
一方でジョギングの場合は、最大心拍数の4~6割程度の心拍数で走ります。
例えば30歳のランナーの方の場合は、最大心拍数は「220-30」で190となり、ランニングの場合は1分間当たりの心拍数が114~152程度、ジョギングの場合は76~114程度が目安です。
上記の例はあくまでも大まかな数値ですが、どれくらいの強度で走れば良いのかわかりづらいという方は、心拍数を計測してペース配分を考えてみるのも良いでしょう。
■目的によって2つを使い分けよう
ジョギングとランニングは運動強度や体にかかる負担の大きさが異なります。
例えば、運動強度や体への負担が低めのジョギングは、運動前後のウォーミングアップやクールダウン、運動不足の解消を目的にした運動に適しています。ランニングよりもジョギングの方が続けやすいので、有酸素運動を長時間続けたい方にもおすすめです。
一方で運動強度、体への負担とも大きくなるランニングは、マラソン大会に向けた本格的なトレーニングや身体能力の向上目的に向いています。
運動する習慣を日常生活に取り入れたい、運動前に体を温めたい、本格的な競技参加や体作りの一環として運動を行いたいなど、自分の目的に応じて2つを使い分けるようにしましょう。
■最初はウォーキングから行おう
これから、ジョギングやランニングを行ってみたいと考えている方も多くいらっしゃるはずです。そのような方は、まずはウォーキングから始めてみるのがおすすめです。
ジョギングやランニングでは、両足が地面から離れて体が空中に浮かぶ瞬間があり、片足で着地を行います。一方でウォーキングの際は、必ずどちらかの足が地面に着いたままになっているという特徴があります。
ウォーキングは歩くことが主体の運動なので、ジョギングよりもさらに運動強度は低くなりますが、その分これまで運動習慣がなかった方や、ブランクが長く久しぶりに運動を行う方でも取り入れやすいです。
走る動作に比べて負担も少ないため、動きやすい運動靴やスニーカーとシャツがあれば始めることができるのもメリットといえるでしょう。
また、テンポ良く歩き続けるウォーキングには、ジョギングやランニング時のフォームを整える効果も期待できます。走る際のフォームが悪いと思わぬ怪我につながる恐れがあるので、怪我の予防という点でもウォーキングから始めるのは有効です。
■ジョギングを行う際のコツ
ウォーキングに慣れてきて物足りなさを感じるようになったら、徐々にジョギングへとトレーニングを移していきましょう。ウォーキングで整えたフォームを意識しながら走るのがコツです。シューズもジョギングやランニング専用のシューズを用意しておくと、怪我の予防に役立ちます。
ジョギングを行う際は、走る距離や時間など、具体的な目標を立てておくのがおすすめです。
最初は1日20~30分以上、5~10km程度を目安にすると良いでしょう。最初から無理なペースで走ったり、長距離を走ったりすると辛さを感じてしまいます。ジョギングを継続できなくなる場合があるので、初心者の間は無理なく続けられるペースを意識してジョギングを行うことが大切です。
■ランニングを始めるためには
最終的にマラソン大会への出場やマラソン完走を目指しているという方は、ランニングもトレーニングに取り入れる必要があります。日々のジョギングに余裕が生まれてきたら、週に行うジョギングのうち1回をランニングに切り替えるなど、徐々に運動強度を高めていくようにしましょう。
慣れに応じて、少しずつペースや頻度を上げて行くのがコツです。
ランニングなどの体を動かすスポーツは、辛さを感じることもあるでしょう。ランニングは週3日程度行うのがひとつの目安ですが、辛さを感じる場合は休んだり他の運動を行ったりして気分転換を行うのもおすすめです。
気分転換をしても辛さが抜けない場合は、ウォーキングやジョギングを行うだけでも構いません。無理のない範囲で体を動かし続けて、運動習慣が途切れないようにすることが大切です。
ただし、体のどこかに痛みを感じる場合は無理をせず、症状によっては医師の診察を受けるようにしてください。
■ジョギングとランニングを使い分けよう
ジョギングとランニングは、どちらも走る運動ではありますが、運動強度や運動を行う目的が異なります。ランニング前のウォームアップとしてジョギングを行う、大会前の体力作りの一環でランニングを行うなど、自身の目的に応じて、それぞれを適切に使い分けることが大切です。
また、運動習慣がなかったジョギングやランニング初心者の方の場合、いきなり走ると体を痛めたり、無理をし過ぎて継続しなかったりすることも考えられます。まずはウォーキングから始めてみて、慣れてきたらジョギングやランニングに切り替えるなど、徐々にステップアップを目指してみてください。
ジョギングやランニング、ウォーキングまで組み合わせて使い分ければ、日常に運動習慣を根付かせやすくなるでしょう。
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