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running2023.12.06

フルマラソンレース1ヶ月前にすべきこと(レースデイシューズ選び編)

■レースデイシューズは決まっていますか?

地球温暖化なのか、秋とも冬とも何とも言えない気候が続きますが、しかし、いよいよフルマラソンシーズンに突入しましたね。

レース1ヶ月前ともなりますと、トレーニング自体はもちろんですが、ランニングにおける唯一の道具、足元の相棒、レースデイシューズが決まっているかは大きな準備のポイントになります。

信頼できるレースデイシューズは用意できていますか?もし、まだの方は早い段階でトレーニングプロセスを通じて、自分が信頼できる、頑張りを応援してくれるマイレースデイシューズを選んでおきたいものです。

話題の新発売モデルだから、または家電や車のように高いものならなど、そんな評判のものが誰にでも合うわけではないのがランニングシューズであり、レースデイシューズなのです。ランナーとシューズの共同作業があって、はじめてタイムを縮めることができたり、長い距離を走れたりする可能性が高まるものですからね。

そして選んだそのシューズとトレーニングプロセスの中で信頼感をレースデイまでに獲得しておきたいものです。


■まずは、サイズが合っているものを選ぶのが基本

あなたにあったレースデイシューズというと“カーボンプレート“、“反発弾性“みたいな話にすぐなってしまうかもしれませんが、それは「シューズ選び」の話で、まずはそれがあなたの足にフィットしたものであるかという「サイズ選び」が最も重要です。


履き心地もそうですがフィット感、サイズ感が合うものを選ぶことです。そういった状態のシューズでなければ、無用の長物、機能性のあるシューズのそれを最大限に生かすことはできません。

レース会場に行くとびっくりするぐらい大きいサイズを履いていると思われるランナーをよく見かけます。踵がかなり余っていて、歩くと踵が浮いているようなサンダル状態のシューズを履いている人を見かけますが、それではどんなに素晴らしいシューズでも台無しです。

まずは実測を測って、レングスとウィズは知っておくことです。そしてそこから0.5cmから1cm程度余裕のあるサイズを選ぶといいです。あまり足幅に合わせすぎないこと、そしてそれであればレングスとウィズの両方にサイズがあるブランドがほとんどなのでチョイスも容易です。

踵と甲まわりがフィットして、指先が自由になるような足にフィットしたレースデイシューズをまず手に入れましょう。


■ではどれをレースデイシューズとして選ぶか

自分の足のサイズにフィットしたモデルが選定できたら、自分にあった機能性をピックアップしましょう。「サイズ選び」の後のいよいよ「シューズ選び」ですね

軽量なことはもちろん誰にでもメリットがある機能性ですが、シューズが軽量化されることは機能性の取捨選択をしていることを忘れないでください。ことフルマラソンという距離ではそこが重要なのはイメージできるでしょう。自分が達成したい目標に対してその機能性をどれぐらい残すか、これはとても重要なポイントです。

42.195kmのフルマラソンは長い距離です。軽量であることよりも、疲労を軽減する安定要素やフォームを意識しやすいガイド要素をどう考えるかは多くのランナーによって大事なポイントになるでしょう。

また、この距離を走るには、基本的に、誰しも相対的にペースはゆっくり目になることを忘れずに。例えば、フルマラソン完走が目標であれば軽量であることや、カーボンプレートが搭載されていることよりも、一歩一歩のクオリティーを上げる安定性やガイド機能性があった方が結局、結果がいいのはイメージできると思います。その場合、デイリートレーナーモデルもレースデイシューズになり得ます。


■オーバースペックなレースデイシューズ選びを変えよう

その意味で言うと、例えば30,000円以上するスーパーシューズを買うより、自分の目標に合った20,000円ぐらいのレースデイシューズを購入して、残り10,000円でトレーニングパートナーのワークアウトシューズを買うというような買い物の方が、1足ずつの耐久性の意味でも満足度も高いかもしれませんよ。

シューズをざっくり分けると「速く走れちゃう機能性が付いたシューズ」と「ゆっくりを応援する機能性が付いたシューズ」があります。前者がアスリートも履くスーパーシューズです。後者はデイリートレーナーモデルです。そして、その間にスーパーシューズとデイリートレーナーの要素をハーフハーフにしたその「真ん中のスピードを応援する機能性のシューズ」があるわけです。

もちろんスペックの差もあり、これだけにまとまりませんが、つまりこの3種類のスピードに合ったシューズから、自分の課題と適合させて選んでみる、これがレースデイシューズ選びです。

例えば、後半のペースダウンは、ただ単に“前半を速く走れちゃうシューズ“を選定しているような、フルマラソンのレースではオーバースペックシューズ選定が原因なだけかもしれませんよ。後半に重きを置いた選定にして、真ん中のスピードのレースデイシューズを選んでみるというのもいいセンスだと思います。少なくとも試してみる価値はあります。

わたしはスーパーシューズを履いているランナーを、レース後半デイリートレーナーモデルを着用しているランナーが抜いていく様は多くのことを物語っているような気がしてなりません。


■レースデイシューズとどう信頼関係を築くか

そう言った信頼できる、自分の頑張りを応援してくれるレースデイシューズを選んだら、次はそれらのシューズと信頼関係を構築する番です。トレーニングプロセスの中でMYレースデイシューズで走れば頑張れる、それも本当に効果があることを確かめる必要があります。

とにかくトレーニングでそれを掴むことが大事です。助力が少な目の明らかにメリットがあると感じられるような、ちょっとカテゴリーやタイプの違うシューズと比較することで、レースデイシューズとして信頼を生むプロセスを作り出すことができるでしょう。


やり方としては、自分のレースデイシューズと比較対象のシューズを同じトレーニング、同じ場所で行って、定点観測して履き比べるといいでしょう。基本はレースペースやそれより速いペースのテンポアップペースで比べるといいです。

また、それぞれ別の日にシューズ使い分けをして比べるといいですが、それでもはっきりしない場合は同じ日のトレーニングで履き変えてみて観測をするといいでしょう。面倒くさいかもしれませんが、これがいちばんはっきりするかもしれません。

MYレースデイシューズは、「明らかに他のシューズとは違う」と自分自身に仕掛けた魔法にかかっていくような感じですかね。信じるものは救われるってやつでしょうか。


■レースデイシューズで最後のチェック

最後1週間前には、このレースを共にする“相棒“を最終テストします。このときは自分の自信がある、最も達成ができそうなトレーニングにすることがコツ。くれぐれもレースに対して自信をつけるためのトレーニングなので、例えば30kmで試すような達成確率が低いトレーニングで試さないことをオススメします。

最後に完全に魔法にかかってしまえば、これで準備は万端。当日をワクワクしながら待つだけです。


トレーニングで積み重ねるシューズとの経験は量的なものより、中身のある経験が必要です。

最後は自分が頑張るのですが、信頼できる道具と練習でこうすれば推進力を感じたとか、こうしたら楽だったとか、そういったロジックに基づくな裏付けをベースに、もちろんトレーニングを継続してきた自分も信じてレース中、最後までシューズとコミュニケーションを取りながらゴールを目指してほしい。

この記事がみなさんの目標が達成される一助になればと思いますね。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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