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running2024.07.10

はじめてのレース出場に向けての準備:トレーニング編

■ランニングが継続できたら、力試しにレースに出場してみよう

想像してください。今年の夏を乗り切って、ランニングを継続することができたら、パフォーマンスも上がってきて、自信がついてきているのではないでしょうか?そんな方こそ、そのタイミングで“力試し”に是非レースに出場してみましょう。

日本人はフルマラソン出場を宴席のノリで目指しちゃうケースもあるようですが、レース出場は、“出来るか、出来ないか”の“冒険”ではなくて、どのぐらいのタイムで、どのぐらいの余裕で走れるのか、“挑戦=チャレンジ”であってほしいですね。まあ、フルマラソンもやりがいがありますが、フルマラソンだけがレースではないことを知ってほしいですね。

チャレンジということであれば、もっと気軽に参加できる10K(テンケー)とか、もう少しトライしてみたいという方ならマラソンの半分、ハーフマラソンあたりを検討してみるといいでしょう。

そして、力試しのために、何故レースに出場するのか?と言えば、やっぱり給水もあって、コース上にて信号に止まることもない、そんな頑張ることに集中する環境が整っているからではないでしょうか。

また、直接知り合いでないのに、応援してくれる方々がいて、レース中元気づけられ、勇気づけられることも多々あるのがレースです。

さあ、やる気が出てきたところで、今回はそんなはじめてのレースデイに向けての準備、そのトレーニング編をお伝えしていこうと思います。


■トレーニングは食事と同じ、量より質

ちなみに、トレーニングは基本的に量より質です。世界的なアスリートもその傾向がありますが、何かと忙しい我々市民ランナーこそそういう発想でありたいです。まずは「たくさん練習しなくては…」という考えに固執することはやめましょう。

良いトレーニングとは“変化を持たせること”と同義です。毎日カレーライスより、カツ丼だって、パスタだって食べたい。トレーニングメニューも、食事のメニュー同様にバリエーションが大事なわけです。


つまり、どのぐらい走るか、より、何をやるかがとても大事ということになりますね。

トレーニングの変化はもちろんですが、時にはランニングマシンや不整地を走ってみるなど路面環境変化をさせることも大事ですし、私の専門であるシューズを履き分けることも大きな変化になりますね。これらの組み合わせで、良質な負荷が何通りも生み出されて“いいメニュー”になるわけですね。

つまり、長距離のトレーニングの基本は、有酸素能力を高めるジョグや距離走ですが、偏らないことがとても大事。同じようなペースで同じ動きを過剰に繰り返すことは結果、怪我にもつながりますし、トレーニング効果も下がります。

有酸素運動に加えて、インターバルやペース走などバリエーションに富んでいることが重要です。


■トレーニングはタイミングが大事

そして、これも食事ととても似ていますが、質を高める、トレーニング効果を高めるという意味で、その“タイミング”も大事です。

例えば、週2回走っているランナーでも、週末集中型より、ウィークデイに1回、週末に1回のバランス型の方がトレーニング効果は高いです。その方がトレーニングのタイミングとしては良いですね。


トレーニングして、体に負荷がかかると、一旦疲労して、栄養や睡眠の力を借りて、体は次のトレーニングの準備をします。これが超回復という現象で、トレーニング効果そのものなのですが、トレーニングとトレーニングの間隔が開きすぎると負荷と休養のバランスが悪く、休み過ぎのような状態になってしまいます。

48時間から72時間、2~3日に一回の負荷が絶妙。頑張るというのは週末にガッツリ距離を走りだめするというより、平日にも軽くてもいいから負荷を与えて、そして、週末も走るというイメージですね。

タイミングは少しずれても構わないのですが、まずは週2から3回のタイミングでトレーニングをすることをオススメします。


■レース1週間前は”走りたい気持ち”を貯める

そして、充実したトレーニングが出来て、レースデイが近づいてきたら、今度は当日に“力を発揮する”準備に移りましょう。

当日までトレーニングを頑張らないと不安…という気持ちもわかりますが、メンタル面としても、フィジカル面としても、ここはグッとロジカルに、理論的に当日に合わせて、“走りたい気持ち”をためるようにしましょう。

そういう意味でも、レースの距離を直前に走って確かめるようなことをやりがちですが、“楽しみ”は結果と共に当日にとっておいた方がいいです。

何しろ、当日のレースの方が、応援もあるし、給水もあるし、信号で止まらなくてもいい、まさに発揮できる環境でしたよね、絶対自分一人で走るより頑張れますので、余計な“力の放出“を直前にやるべきではありません。

直前1週間前にハーフマラソンの距離を試して、もしそれがうまく行かなかったとき、それは、それは心理的にもマイナスですからね。


■メンタル、フィジカルどちらも充実した状態で当日を迎える

それよりもこの時期はメンタル面、もちろんフィジカル面で余裕を持つことの方が大事です。是非、当日のシミュレーションをたくさんしておいて不安を取り除いておきましょう。

きっと走ること自体には慣れてきているはずですが、レースに出場するのがはじめてなら、それまでの準備が心配かもしれません。

レース会場に行くまではもちろん、走り出してから、ゴールするまで、特に走っている間のイメージは妄想でもいいので、笑顔で走っている自分だったり、ゴールできている自分だったり、目標タイムだったり、楽しみながら、たくさん想像しておくことです。

イメージトレーニングってやつですね。ちなみに経験的にも、結果は自分が事前にイメージできる範囲に収まるものです。

繰り返しますが走ることだけなら簡単ですが、移動だったり、スタートラインに並んだり、トイレだったり、大会の規模によっても違いますが、シミュレーションと早めの行動に尽きます。メンタル面、フィジカル面の両方に余裕を持ってレースに臨めるようにできることがベストでだと思います。

さて、次回は、はじめてのレース出場に向けての準備:ギア編です。お楽しみに。

> ギア編を読む
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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