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running2024.07.10

はじめてのレース出場に向けての準備:ギア選び編

■レースデイに“はじめてのこと”をしない

想像してください。今年の夏を乗り切って、ランニングを継続することができたら、パフォーマンスも上がってきて、自信がついてきているのではないでしょうか?そんな方こそ、このタイミングで“力試し”に是非レースに出場してみましょう。今回はその際の『ギア選び編』です。

> トレーニング編はこちら


まず、すべてにおいてそうですが、基本的にレースデイに “はじめてのことをしない” これはギア面においても鉄則です。シューズはもちろん、ウェア、その他ギアを含めて、トレーニングで使用した経験済み、慣れたものをレースデイに使う“勝負“ギアとして使いたいですね。

ちなみに、何かをぶっつけ本番ではじめて使用して、レース中何か起きるとか、また結果が思わしくないとか、そういう時は、その言い訳も “ギアのせい“ になりがちです。日頃のトレーニングの成果を確かめる力試しであるレースに行って、ギアにストレスを感じていてはそれも台無しですからね。


■レースに身につけるギアは厳選する

とは言え、いくら本番に “はじめてのこと” をしないと言っても、通常のトレーニングで持参しているものすべてをフル装備するような必要もないです。

流石に、力試しですから、なんでもかんでも体に身につけていくということではなくて、余計なものははずしていくといった取捨選択は必要です。場合によっては、保温やサポートよりも、走りやすさを優先すべきですね。

ランニング時のウェアに関しては、普段着として着ているウェアの10%は薄着が目安です。例えば、長袖のシーズンであればTシャツですし、Tシャツの季節ならノースリーブかタンクトップという具合です。

流石にTシャツではちょっと寒いということであれば、ウインドブレーカーを着て行って、腰に巻いてストレスを感じるよりも、Tシャツ+アームウォーマーにして後で調整できるようにしておくのはどうでしょうか。こんな感じで、ギアの取捨選択にもここは応用できて、無駄がない感じですかね。


■レースデイまでに試したいギア3選:ウエストベルトポーチ

あると便利なギアとしての筆頭は、ジェルのような補給食が入るウエストベルトポーチですね。ちなみに、スマホを入れていても違和感なく気にならないフィット感のいいものがオススメです。

素材は断然収縮する生地のものがおすすめです。ウエストポーチのようなベルトで調整するタイプはフィット感がイマイチなケースが多いですし、腕につけるものはフィット感と腕振りなど動きへの阻害感もあるので、個人的にはウエストベルトポーチ1択ですね。

逆に、そのようなフィット感が高い収縮性のあるタイプは後で調整できないので、購入前のサイズ合わせが大切です。スマホなど持っていくものを実際に入れてみたりして試すといいでしょう。揺れにくいサイズを選んだ方がいいですね。


■レースデイまでに試したいギア3選:カーフソックス

ランニング中のふくらはぎの血流を高めるカーフスリーブもあるといいですね。基本的に段階着圧の編み込みになっていて、第2の心臓と言われるふくらはぎの血流を補助するものです。

たかが繊維、されど繊維です。パフォーマンスをキープしてくれる強力な味方なのです。特につってしまうとか、ふくらはぎが張ることが多いランナーは是非事前に使っておきたいマストアイテムですよ。

また、冬のレースではカーフスリーブは、当然寒さよけにもなりますが、ロングスパッツで走るよりも膝が抜けたスタイルになるので動きの阻害感を少ないという面もあるかなと思います。

短パンにカーフ、ショートスパッツにカーフというようなウェアの方が、保温と動きの良さを一挙両得という感じがします。これらも当然ですが、トレーニングで試しておく必要があるのは言うまでもありません。


■レースデイまでに試したいギア3選:テンポアップシューズ

トレーニングできているランナーで、例えば10Kなど走ったことがあるディスタンスであれば、軽量で接地感覚が高く頑張りを応援してくれるようなテンポアップシューズをレースデイシューズとして検討みるのもいいでしょう。


特に、サポート意識の強いしっかりとしたデイリートレーナーしか持っていないというランナーの方にこそ、この際、軽量で接地感の高いテンポアップモデルを持つといいと思います。自分の可能性を高めてもらうのはもちろんのこと、トレーニングプロセスでも試して使うことで、体に変化が起きて心肺機能はもちろんですが、筋的にもいいトレーニング効果が期待できます。

逆に、こういったテンポアップシューズしか持っていないというランナーの方であれば、レース出場というステージアップを機に、重さや、地面との距離感をうまく感じるためにもデイリートレーナーモデルを購入しましょう。

今持っているテンポアップシューズと、デイリートレーナーを体が比較して重さを感じることも、怪我予防やトレーニング効果とても大事なことです。


■シューズで遊んでみるのもあり

フルマラソンという距離ですと、基本的にシューズ選びはやや保守的になって然るべきですが、10K(テンケー)や場合によってはハーフマラソンでも、履いてみたかったカーボンプレート搭載の蹴り出しを強化したモデルを履いてみるのもアリです。

それによって、モチベーションが上がることも間違いなし。それに、ランニングというスポーツは基本的に平等なスポーツです。

アスリートが使用するようなレースデイシューズを使えないのではなくて、使うレースの距離、スピードを工夫すれば、誰でも履いてみる価値がある“いい遊び道具”です。

シューズで遊んでみるのも楽しいですよ。

そして、それらのシューズはせっかくならジョグのようなゆっくりで試すのではなくて、当日のレースペースで試してみて、そして、バウンド感、推進要素を確認しましょう。トレーニングで使ってみてポジティブならレースデイで試してみるのも面白いはずですね。


■勝負ギアが決まったらフラットレイ写真をおさめてSNSに

さあ、勝負服が決まったら、レースデイ直前には、ゼッケンをつけてフラットレイ(ギアが横たわった)の写真を撮影しましょう。SNSにあげて、友人などに当日着用するユニフォームとゼッケンを知らせておくといいですよ。


しかも、SNSに自分の挑戦を宣言するような形になるので、単純にセルフモチベートされてレースへの気分も高まってきます。フラットレイはアスリートもルーティーンにしているのでインスタグラムなどSNSで見かけたこともあるかもしれません。

さあ、これでレースデイのギア準備は完了です。あとはトレーニング編でも言っておきましたが、イメージトレーニングを最後までしっかりやっておきましょう。

自分のイメージできる現実しか起こりえません。自分に期待して、レース当日を楽しんでいきましょう!
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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