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running2024.10.23

マラソンにおける「テーパリング」とは? 大会で最大限のパフォーマンスを出す方法

マラソン大会の前日までハードな練習を続けると、疲れで体が動かしにくくなる可能性があります。レース当日に最高のパフォーマンスを発揮するには、やみくもに練習を積み重ねるだけではなく、大会前に体調を整えることも大切です。
マラソン大会当日にコンディションのピークを持っていきたい方は、テーパリングの考えを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ここでは、マラソンにおけるテーパリングの重要性や、具体的な行い方をご紹介します。

 

【目次】

■テーパリングとは?

■テーパリングの行い方

・トレーニング量を減らす

・2~3週間程度かけて行う

・睡眠をしっかり取る

・食事も見直そう

■テーパリングを行う際の注意点

■テーパリングでコンディションを整えよう

 

■テーパリングとは?

テーパリングとは?

 

テーパリング(Tapering)は「先細る」「先の尖った」などという意味を持つ英語です。そこから転じて、マラソンをはじめとしたスポーツの分野では、大会当日に向けて次第にトレーニングの負荷を軽くしていく調整方法のことを指します。

マラソン大会で良い結果を残すには、たくさんの練習を積んで、筋力や体力を鍛える必要があります。その反面、大会直前まで厳しい練習を続けてしまうと当日も疲れが抜け切らず、パフォーマンスを最大限発揮できないかもしれません。
マラソン大会で最高のパフォーマンスを発揮するには、レースが近くなるにつれてトレーニング量を徐々に減らし、大会当日にコンディションがピークになるように調整すること(ピーキング)が大切です。

マラソン大会に向けてトレーニング量を調整するテーパリングの考え方を取り入れると、疲労の回復やモチベーションの向上といった効果が期待できます。
結果として、体が動かしやすくなり、普段通りの練習を続けるよりも高いパフォーマンスを出せるようになるでしょう。

マラソン大会に参加したものの、疲れが原因で思うような結果を出せなかったという方は、テーパリングの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

■テーパリングの行い方

テーパリングの行い方

 

マラソンでベストパフォーマンスを出すために欠かせないテーパリングですが、やり方を間違えるとかえって体を動かしにくくなる恐れがあります。
マラソン大会で練習の成果を発揮するには、正しい方法でテーパリングを行うことが大切です。
テーパリングの基本的な行い方とコツをご紹介するので、大会に向けた調整期間の参考にしてみてください。

 

・トレーニング量を減らす

テーパリングの基本は、トレーニングの量を普段よりも減らすことです。レースの直前まで強度の高い練習を行うと、疲労がたまって速く走るのが難しくなります。
42.195kmという長距離を走り切るマラソンにおいて、疲労はパフォーマンスを大きく左右する要素です。テーパリングの期間中はトレーニング量を普段の半分程度まで減らし、体力の回復に努めましょう。

ただし、トレーニングの質まで落とす必要はありません。トレーニングの質を落とすと、マラソン完走に必要な体力や走力まで落ちてしまい、逆効果になる恐れがあります。
インターバル走やペース走といった練習は、走る距離を減らすだけにとどめて、ペース設定は普段通りに行いましょう。
長距離走を短距離のダッシュに変えるなど、距離を短くしながら走るスピードを上げて、ランニングの感覚を保つのも有効です。

 

・2~3週間程度かけて行う

テーパリングを行う期間も重要です。レース前の1~2日だけ練習量を減らす程度では、疲労は抜けません。急激にトレーニング量や質を変化させることでストレスがかかったり、けがのリスクが増したりする点も問題です。
反対に、1カ月や2カ月といった長期に渡ってテーパリングの期間を設けると、せっかくトレーニングで鍛えた体力が衰えてしまいます。

2~3週間程度の時間をかけて、徐々に練習量を減らしていくことを心がけましょう。例えば、レース3週間前のトレーニング量は普段の7割程度、2週間前は普段の6割、レース1週間前は普段の半分とルールを設ければ、体力や体のキレ低下を防ぎながら疲労を回復できます。

ただし、どれくらいの期間をかければ疲れが取れるのか、体力を維持できるのかといった点は、個人差が大きい部分です。さまざまな方法を試しながら、どれくらいで自分のコンディションを整えられるのかを確かめていきましょう。

 

・睡眠をしっかり取る

睡眠は、肉体的な疲労感や精神的なストレスを軽減するために重要な要素です。睡眠不足になると、マラソンのパフォーマンスが落ちるだけでなく、体調面の不調を抱える恐れもあります。
テーパリングの期間中は、十分に睡眠を取ることを心がけましょう。

個人差があるため、一概にいうことはできないものの、マラソン大会の前は一日7~8時間程度の睡眠時間を確保することをおすすめします。

 

・食事も見直そう

人の体は、毎日の食事によって作られています。大会当日に100%のパフォーマンスを発揮するために、食生活も見直しましょう。
暴飲暴食を控えながらバランスの良い食生活を心がけ、十分に栄養を摂ることが大切です。

ただし、テーパリングではトレーニングの質はそのままに、普段よりも量を減らしていきます。いつも通りの食事量だと、エネルギーを摂り過ぎてしまう恐れも捨てきれません。
エネルギーの摂取量にも注意が必要です。

 

■テーパリングを行う際の注意点

トレーニングを休んだり、量を減らしたりして疲れをいやすことはできますが、どうしても体力(スタミナ)が落ちたり、体のキレが鈍ったりするものです。
テーパリングを行う目的は、42.195kmという長距離を走るのに必要な体力をキープしながら肉体的・精神的な疲労をいやし、大会当日にコンディションのピークを持ってくることにあります。

元々のトレーニング量が少ない人がテーパリングでさらに練習の量を減らすと、マラソン完走に必要な体力や走力がそがれてしまいます。

経験値や体力などにもよりますが「週2~3日ランニングを行っている」程度の練習量であれば、マラソン大会前にあえてトレーニング量を減らす必要はありません。
体力回復よりもスタミナ低下のデメリットが大きくなるため、練習量はそのままに、トレーニングの内容を変更することをおすすめします。

また、極端にトレーニングの量や質を変えてしまうと、かえって心身に負荷がかかる恐れがある点にも注意が必要です。トレーニング頻度を極端に落とすのは避けましょう。
通常時の半分程度を目安に、時間をかけてトレーニング量を減らしていくのがポイントです。

 

■テーパリングでコンディションを整えよう

フルマラソンは、42.195kmという長距離を走る過酷なスポーツです。どれだけ練習を積んでいたとしても、マラソン大会当日に疲れが残っていると、良い成績を出すのは難しいかもしれません。
体力を維持しながら疲れをいやすために、大会前にテーパリング期間を設けて、コンディションを整えてみてはいかがでしょうか。

ただし、効果的なテーパリングのやり方や期間は個人差が大きく、正解はありません。
ご紹介した内容を参考に、自分の体の調子を確認しながら、テーパリングを行うことが大切です。

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