フリーワード検索

running2018.02.12

藤光謙司(世界陸上銅メダリスト)にとっての走ることvol.1「ランニングが基本的にできていないとスプリントの動きはできない」

2017年世界陸上ロンドン大会男子4×100mリレーで見事銅メダルを獲得した日本チームでアンカーを務めた藤光謙司選手(ゼンリン)。陸上界で大旋風を起こし続ける藤光選手に、走ることについて熱く語っていただいた。

藤光さん
――いつから陸上を開始しましたか。

藤光:そんなに足が速かったわけではないですが、中学生になる時に友人から陸上部に誘われ、個人での結果を追求したくなり短距離を始めました。自分の努力が結果に結び付くのでやりがいがあると思いましたよね。

中学生の時に全国大会に出場することはできましたが、予選落ちばかりだったので自分に未来はないのかなとも思いましたが、負けず嫌いの精神があり、このまま負けっ放しでは終われないと、高校に行ってからリベンジしたいという気持ちがありました。


――リベンジできましたか。

藤光:高校ではどうすればパフォーマンスが上がるのかと専門的に考えるようになり、それで結果も自然と付いてきたのでのめり込んでいきましたね。

世界大会に出場するチャンスを得ると自分の中でも世界が変わり、もっと陸上を頑張りたいという気持ちになりましが、高校3年生の時にハムストリングを肉離れしてインターハイ等の大きな大会に出れなく、もう1回リベンジをしたくなり大学でも陸上を続けました。


――大学時代はどうでしたか。

藤光:大学に入ってからもずっとハムストリングの怪我との戦いで、片方を痛めてもう片方でかばうと、かばった方の足が肉離れをするというのをひたすら繰り返しました。

それでどうにか4年生の時に大会で優勝して日本ランキングもトップとなりオリンピック標準記録をクリアしましたが、北京オリンピックの選考会で再び怪我をしたんですよね。それでオリンピックにも出れずに大学時代も悔しいまま終わりました。

藤光さん
 ――その後どうしましたか。

藤光:社会人でもう一度リベンジをしたいと思い、実業団に入った1年目に世界選手権に出場しまして、2年目に日本選手権で勝って3年目にまた故障していまい次のオリンピックにも出れずに棒に振ってしまいました。

このまま終わってしまうのかとも思いましたが、負けず嫌いの精神は続いていて自分がこれまでやってきたことは間違っていないと思っていたので、自分を信じてやり続けるともう一度取り戻すことができました。

2013年から今までずっと日本代表選手として継続してやってこれていて、昨年のロンドン世界陸上の4×100リレーに出場して銅メダルを獲得できたということは、こつこつ積み重ねてきた結果だと思いますので、続けてきて良かったですね。

――決勝を走る前の心境はどうでしたか。

藤光:どこかにプレッシャーであったり緊張があったのでしょうが、そういうことよりも走れる喜びであったり自分へのワクワクする期待感の方が強かったですね。

予選の時はリザーブでしたが、皆をサポートするよりも自分で結果を残すために準備をしてきましたから。決勝に出れたのも今までの積み重ねがあったからこそ僕を選択してくれたのだと思っていますので、自分のやってきたことが間違っていなかったということをあらためて証明できたのだと思っています。

――決勝で走っている時の記憶はありますか。

藤光:ほぼないですね。覚えているのは1走の多田から2走の飯塚にバトンを渡したところと、ゴールをして順位を確認したところくらいですね(笑)。それから桐生が遠くからニコニコしながら走ってきたので、どうやら結果が良かったらしいと思いました。その直後に、電光掲示板に結果が出て、ウワー!ウワー!と高揚しましたよ。

藤光さん
――走るにあたって何が大切となりますか。

藤光:スプリント(短距離走)を走る際に、ランニングが基本的にできていないとスプリントの動きはできないと思っています。基礎を固めないとレベルが高いことはできないですからね。高校生の時にアメリカに行くと、走り方を全否定されたことがあったんですよね。そこで1から直されまして、それを習得するのに時間がかかりました。

自分の中ではこういうやり方で走れば速くなると思っていたのですが、全てを否定されたのでランニングやジョギングのやり方、走り方や身体の使い方がしっかりとできていないとスプリントはそもそもできないということが分かりました。

ランニングやジョギングは物凄く大切なものだと思っているので、体のちょっとした健康状態や動きを確認するにあたってのポイントとなっています。人間は1日1日体が変化しているので、その日によって体の使い方が違うと思います。

例えば、足の太腿を上げる感覚が良い日があれば、足を振り下ろす感覚の方が良い日もあります。昨日は腕をよく振って走っていたけど、今日はそうでもないとか。動き1つにしても刻一刻と体の状態は変わっていくので、その日の体や動きについて確認できるのがランニングやジョギングだと思いますね。そこからスプリントに繋げていくので、凄く大切なツールです。
 


vol.2 へ続く。


藤光謙司 公式Instagram
https://www.instagram.com/gold_kenny51/

藤光謙司 公式Twitter
https://mobile.twitter.com/kenny_0501

KIZUNA-絆- 藤光謙司と交流しましょう。
  https://kizuna-athletes.jp/
 

BUY NOW

  • ナイキ オデッセイ リアクト (AO9819 001) メンズ ランニングシューズ : ブラック×ホワイト NIKE

SEARCH フリーワード検索