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football2020.02.12

『東京五輪、森保監督の未来予想図。オーバーエイジを誰に!』

チームの構成次第では、かなりの確率でメダルには届く。問題はどの色になるか。東京五輪の日本サッカーについて、わたしはそんな見方をしている。

言わずもがなのことでもあるが、オリンピックのサッカーはワールドカップに比べると格段にレベルが落ちる。クラブチームで修羅場を潜った経験のある選手も少ない。そうでなくても大きなホームのアドバンテージは、通常の大会よりも大きなものになる。

しかも、32チームで争われるようになったワールドカップの違い、オリンピックのサッカーには16チームしか出場が許されない。ということは、グループリーグを勝ち抜けば、次はもう準々決勝である。ここを突破すればメダルに手がかかるだけに、どのチームにとっても難しい戦いになるだろうが、グループリーグを1位で突破しておけばその可能性はグンと高くなる。

ただ、それもメンバー次第である。

韓国に惨敗した東アジア選手権や、屈辱のグループリーグ敗退を喫したU-23アジア選手権のメンバーで戦うのであれば、メダルはおろか、ベスト8進出もおぼつかない。勝つためには、メダルを獲得するためには、A代表で中心選手として活躍する23歳以上の選手、いわゆるオーバーエイジの3人の働きが極めて重要なものになってくる。

では、その3人は誰にすべきなのか。

もし、オリンピック本大会でも一時のA代表が見せた攻撃サッカーを展開したいというのであれば、柴崎、南野、中島の3人をセットで起用するのが一番だろう。森保体制に入って、日本代表は5敗を喫しているが、この3人が先発して敗れたのはそのうちの1試合だけ、内容では見るべきところの多かったコロンビア戦だけである。3人それぞれの現在のレベルは、世界のスーパースター・レベルにはまだ届かないが、3人が絡むことによって起きる化学反応の質は、ワールドカップでも上位のレベルにあるとわたしは見ている。

ただ、ワールドカップと違い、オリンピックはその国の協会が代表選手として呼び寄せたくとも、そこに強制力がないという問題点がある。主催が国際サッカー連盟ではないため、という理由なのだが、そもそもオリンピック・サッカーへの出場権を持たない“イングランド”のクラブであるリバプールが、新シーズン開幕前の大切な時期に選手が引き抜かれることを嫌がれば、南野はオリンピックに出場できないということになる。

幸い、イングランドには8年前のロンドン五輪の記憶が残っており、地元開催の大会のために主力を呼びたいという日本サッカー協会の願いを無下に断ることもないのでは、という期待もあるが、油断は禁物。協会の交渉力を信じるしかない。

もっとも、仮に協会がパーフェクトな交渉をしたとしても、3人をセットで揃えるには大きなハードルが残っている。そもそも、3人の枠を柴崎、南野、中島に使えるのか、という問題である。

この3人を使えば、試合の質、内容はある程度担保される。だが、オリンピックの本番で求められるのは内容以上に結果である。結果を残すためには、決定力のある選手がいる。普通に考えれば大迫。けれども、彼を使うということは、3人のうち誰かを呼べないということにつながってしまうのだ。

これは悩ましい。

昨年のコパ・アメリカあたりから、森保監督は上田、小川といった若いストライカーたちにこれでもか、と言わんばかりにチャンスを与えてきた。彼らが1本立ちしてくれれば大迫の枠を中盤に回せる──そんな狙いがあったのではないかとわたしは睨んでいる。

だが、いまのところ結果は出ていない。

このままでいけば、オーバーエイジの一人として大迫に声をかけざるをえない。ただ、そうなれば中盤の支配力をベースとしたスタイルで戦える可能性は少なからず損なわれる。

解決策はおそらく2つ。若いストライカーが覚醒するか、久保、堂安といった23歳以下のテクニシャンが一皮剥けるか──。どちらかが実現すればメダルの可能性は一気に高まり、実現しなければ遠ざかる。いずれにせよ、勝負はこれからの数カ月である。

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