【ゴルフ５レディスレポート】選手の練習ラウンドに密着「練ランにはスコアメークのエッセンスが詰まっている！」

「ゴルフ５レディス」指定練習日２日目の今日は、選手たちの練習ラウンドの様子をレポート。

午前10時６分にインコース10番ホールからスタートした穴井詩プロと武尾咲希プロに、伊藤元気プロと「ざわざわコンビ」の藤澤心之介さんが密着。その様子を伊藤プロにレポートしてもらった。

練習ラウンドは、試合の前日や前々日に行い、グリーンのコンディションやラフの長さ、さまざまな距離情報などコースの状況を確認をするとともに、それに応じたシチュエーションを想定し、その予行演習をするラウンドです。同じところからショットを２発打ったり、実際にはボールが行かなかったところからショットやアプローチをするなど、通常のラウンドとは全く別物のプレーをします。

しかし練習ランドの様子を見ていると、選手たちが何を考え、何を想定してプレーしているかというスコアメークのエッセンスがよくわかって非常に興味深いんです。

今日は雷雨の影響でレポートが14番ホールで終わってしまいましたが、その短い間にもいろいろなことが見られました。


ラインを読み合いながらパット練習する穴井プロと武尾プロ

たとえば10番ホールパー５では、武尾選手が３打目地点から２発のショットを打っていたのに対し穴井選手は2打目を打ったらすぐにグリーンに向かってパット練習を入念に行っていました。

このホール、武尾選手は「ショットが上手くいけば2オンを狙う」と言っていましたが、今回のようにティショットがラフに入るなどして２打目を狙えず３打目勝負になるケースも多々あります。そのためレイアップしてもバーディが狙えるよう、試合でのピン位置を考慮して右手前、左奥と２発のショットを打って距離感の確認をしていました。一方飛ばし屋の穴井選手にとっては２オンが前提のホールですので、イーグルパットをものにするためにグリーン上のチェックに時間を割いていたというわけです。

このように、同じホールでも選手によって事前に準備しておくことに違いがあって面白いですよね。


武尾選手は３打目地点から異なるピン位置を想定して２発のショット練習

次の11番ホールはパー４ですが、穴井選手が２打目を打ったあと、グリーンまで80Yくらいの地点からグリーン上にキャディさんを立たせてウェッジショットをしていたのが印象的です。

これは、自分の得意な距離を気持ちよく打って距離感をチェックしていたそうで、こういう練習が今週の自分のコンディションを確認し、１週間を通して精度の高いショットを打つうえで重要なんです。


グリーンにキャディさんを立たせて距離感の調整をする穴井選手

一方武尾プロは、グリーン周りのラフからピンのないところに向かってアプローチ練習を繰り返していました。

練習ラウンドの日はグリーンを痛めないように手前にピンが切ってあるのですが、そのピンを狙うのではなく、試合の日のピン位置を想定し、そのピンを狙ったときに自分が外しやすい場所からアプローチしておくことで、万全の準備をしておくのです。


実際のピンを狙わずに、外したときのことを想定してアプローチ練習

12番ホールのパー３では、２人とも２発ずつのティショットを打っていました。これも試合中のピン位置を想定し、それぞれに対して1発ずつ狙うショットでした。また、グリーンは必ず手前エッジと奥エッジの距離を確認し、ピッチマークまでの正確な距離を測ってキャリーの距離をチェックするなどの作業を入念に行っていました。

このように選手は、キャリーの距離を非常に大事にしていること、グリーンの奥行きを考慮してピンの攻め方を考えているこがわかります。


キャディさんと距離の確認を入念に行う

このほかにも、キャディさんが選手がパッティングをしているところとは別のラインで、手でボールを転がしてグリーンの傾斜や転がりをチェックしたり、ヤーデージブックに載っていない目印までの距離を測って描き込んだりするなど、本番に向けたさまざまな準備をしています。

穴井選手、武尾選手だけでなく、チームゴルフ５の選手やキャディさんたちはとても仲がいいので、こういった作業を分担して行っていたりすることもあるんです。


本戦のカップ位置を想定したパッティング練習

このように練習ラウンドでは、本番でスコアを出すためにさまざまな準備を行っています。実際には、一般のゴルファーの方がプロのような練習ラウンドをするのは無理ですが、プロの練習ラウンドの様子を見ているだけでもものすごく勉強になりますし、面白いと思います。

新型コロナウイルスが終息し、以前のように試合会場にギャラリーのみなさんが入れるようになったら、ぜひ練習ラウンドに注目して見てみてください。