太陽の光で発熱! 冬ゴルフの必須アイテム、デサントの「ヒートナビ」【ゴルフ5ノンフィクション】Vol.7
だんだん気温が下がってきて、本格的な冬の訪れも近い今日この頃。
冬のゴルフは暖かさと動きやすさのバランスがむずかしく、ウェア選びがとてもむずかしい。
そんななか、デサントが展開している「ヒートナビ」という素材がすごいと聞き、機能素材開発に携わっている大石晃三さんに話を聞いた。
デサントR&D生産部門 機能開発部 機能・品質開発課 課長の大石晃三さん。
――「ヒートナビ」とはどんな素材なんでしょうか。
「デサント独自の太陽光吸収発熱素材で、糸に炭素系の素材を練り込むことで、太陽の光に反応して発熱する効果がある素材です。冬用のウェアに使われる保温素材には、人間の体温を逃さずにキープする防御的な保温方法と、外部のエネルギーを使って発熱する積極的な保温方法がありますが、ヒートナビは後者に属します。弊社には昔から『ソーラーα』という太陽光発熱素材があったのですが、それを発展・改良した形で開発されたのが『ヒートナビ』なんです」
繊維内の炭素が反応し光を吸収すると発熱するという「ヒートナビ」
――「+5℃」という発熱力が注目されています。
「一般的には3℃の差が出れば人間は体感できると言われていますが、スキーや登山などの低温環境下向けのウェアもたくさん作っている弊社としてはそれではダメだということで、+5℃にこだわりました。光を吸収する素材をより表面積の大きくなるものに改良したのがポイントです」
――ほかの発熱素材とは、どんなところが違うのでしょうか?
「発熱素材には、衣服内の湿度に反応して発熱するタイプがありますが、そういう素材は吸湿量が一定以上になると飽和して、放湿するまでは熱に変換されません。しかしヒートナビは太陽光をエネルギーとして発熱するので、より安定した発熱効果が発揮できるんです」
――なるほど。「ヒートナビ」はウェアのどんな部分の素材に使われているんでしょう?
「太陽光と言われると可視光だけをイメージしがちなので、アウターの表地だろうと思うかもしれませんが、表面を透過してくる赤外線など全波長の光に反応するので中地にも使えるんです。ですから、アウター用の表地だけでなく、アウターの裏地、中綿、そしてシャツなどあらゆる素材に使っています」
可視光線だけでなく全波長の光に反応するので、裏地としても機能する
――それはすごいですね。
「直射日光が少ない曇りの日にも十分に機能するので、環境対応力が高いウェアが作れるんです。とはいえ、炭素系の素材を使っているため素材が硬くなりやすく、真っ白の生地を作るのがむずかしいという点でいろいろ苦労しました。しかし糸の作り方や編み方が進化したことで、かなりやわらかく滑りのいい生地でオフホワイトの『ホワイトヒートナビ』の開発にも成功したので、シャツとしても満足のいく製品が作れました。ですのでシャツとアウター、2枚で十分な保温性を確保でき、着ぶくれせずに温かくプレーできると思います」
白いシャツの開発に成功したことで「2枚で完結」できる冬用ウェアといえる
――その開発は、ここ「DISC」で行われているんですよね?
「そうです。最先端の機材が揃い、開発から評価、テスト、試作などをワンストップで行えるDISCの力は大きいですね。たとえば超低温環境を作り出せる『CLIMART』という部屋で擬似的な太陽光を当ててテストもします。またこの『スキンモデル』という人間の皮膚を模した機械で熱の逃げ方などの温熱性試験を行って、実際に+5℃の効果が出るように試行錯誤しています」
「CLIMART」で低温環境を作り出し、光を当てるなどしてテスト
人間の皮膚の表面を模した「スキンモデル」を使って温熱性試験を実施
圧倒的に温かいのにかさばらず、デザイン面でもおしゃれ。「DISC」で進化し続けているジャパンメーカーの技術を盛り込んだデサントの「ヒートナビ」なら今年の冬ゴルフが快適になること間違いなしだ。
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