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golf2021.06.18

【松山英樹のメジャーを獲るギア選びVOL.3】ウェア、それは肌で感じるあの感覚が重要だった

日本人初のメジャー制覇をマスターズという大舞台成し遂げ、さらなる飛躍が期待される松山英樹選手。彼が着用するデサントのゴルフウェアも4月以降大人気となり、大幅に売れ行きを伸ばしている。

松山選手はクラブに関して非常に強いこだわりがあることで有名だが、ウェアに関しても我々の想像を絶する高いクオリティを求めているという。その高い要求に応えられたのは、スポーツウェアブランドとして多くの実績と高い技術を持つデサントであればこそ。

【松山英樹のメジャーを捕るギア選び】VOL.3では、ギア同様に強いこだわりを持つウェアについて、デサントジャパン(株)ゴルフマーケティング部スリクソン担当MDの岡田育朗さんに話を聞いてみた。


「『SRIXON by DESCENTE』としては2016年からウェアを販売しており、松山選手にはそのタイミングからデサント製のウェアを着用してもらっています。当初はウェアにかなり強いこだわりがあるという事前情報もあり、既に着用していたウェアを出来る限り近い状態で再現したものを着てもらいつつ、弊社の提案製品を試してもらい、気に入ったらシフトしていくという方法でスタートしました。自社のものに関しては、着用が見えたころから準備をして臨んだのですが、最初に渡したサンプルは、着るなり“これはちょっと違いますね”と、スイングさえしてもらえないこともありました。」

岡田さんは苦笑いしながら話を始めてくれた。着用プロからのダメ出しは、メーカーにとってはつらいこと。しかし、そのダメ出しがあってこそ始まるストーリーがあると言わんばかりに、岡部さんが語気を強める。

「松山選手がいちばんこだわっているのは肌に触れる部分の生地と考えています。スイングの際にどれだけストレスがないか。服がスイングをジャマしないことが何より大事で、少しでも違和感があるものは着用しません。」

松山選手が感じる違和感とは一体何なのか。さらに話は続く。

「弊社では当初、多くのプレーヤーから高く評価されていた伸縮性が非常に高い生地のシャツも提案したのですが、これは松山選手には受け入れられませんでした。というのも、伸縮性がどれだけ高い生地でも伸度には限界があり、伸ばしていけば必ずどこかで止まります。そのため、伸びている間はスムーズでも、スイング中にその伸展の限界に達してしまうのではという意識が心理的な負荷になるということなのです。これは我々の想像の域をはるかに超えた反応で、本当に驚きました。」

まさにトップアスリートの感覚だと、対峙する松山選手の偉大さを改めて感じたという。

「そこで試行錯誤の結果、私たちが目指したのは「滑り」のいい生地です。シャツの内側の摩擦抵抗が小さければ、服の中で肌が引っかからずに滑り、体のスムーズな回転を邪魔しません。さまざまな生地を試してもらったなかで、松山選手に納得してもらえたのは『サンスクリーンメッシュリバース』というポリエステルの素材でした。肌に触れる部分がメッシュ状になっていて滑りがよく、吸汗速乾性のある高機能生地です。いま、松山選手の着用しているシャツは全てにこの『サンスクリーンメッシュリバース』を使用したものです。」



デサントでは松山選手に対し、1つのデザインのシャツごとに6色のカラーバリエーションを用意して提供しているという。

「シャツの柄が変わると、プリントの配置や生地の組み合わせ、縫製の位置の違いなどによって、服の動きにほんのわずかな違いが出ます。松山選手は、そのわずかな着心地の差がスイングに影響を与えることを避けるために、練習日の初日から最終日まで、1週間同じデザインの服を着るのです。そのため、市販品にはないカラーバリエーションを、松山選手用に特別に用意しているウェアも多数あります。」



シャツ同様、パンツもこだわりがあるという。

「このほかでは、パンツも同様に「肌離れ」のいいものを好みます。具体的には、バンカーショットや急斜面でスイングした後など、パンツの裾が持ち上がり、ふくらはぎに引っかかって止まることがあると思いますが、そんなときに軽く足を振っただけでストンと落ちてくることを求めます。」



「また上着も、極力肌に接しないようにニットのベストを優先的に着用し、それでも寒いときはニットのセーター。ウインドブレーカー等の布帛系の服はレインウェア以外に、基本的に着用しません。」

松山選手は着るものすべてに対して、細心の注意を払っているのだ。

「私たちも、彼のこだわりの細かさには本当に驚きました。しかしよく考えれば、デサントのゴルフウェアを世界でもっとも長時間着用しているのは、間違いなく松山選手なんです。なにしろ練習量が圧倒的に多いですし、朝起きてから夕食後の練習を終えるまでずっと、場合によってはトレーニングやボディケアをする時間まで含め、ゴルフウェアを着ている時間がものすごく長い。そう考えると、試合でのパフォーマンスはもちろんですが、着ていてストレスのないウェアを求めるのは当然かもしれません。彼にウェアを着用していただき、コミュニケーションを深めれば深めるほど、ゴルフに対する真摯な姿勢とプロ意識の高さを思い知らされ、私たちも襟を正す思いです。5月20日には、今年のメジャー第2戦全米プロも始まりますので、松山選手のウェアにも注目しながら応援してください!」


松山選手のこだわりに何とか応えて、彼のパフォーマンスをサポートし続けたデサント。彼らが世界のトップアスリートと対峙し、試行錯誤の末に出来上がったゴルフウェアは、クラブと違って、我々アマチュアもプロと同じものを着用することができる“ギア”とも言える。

松山選手の愛用ウェアは、 ゴルフ5 でも取り扱っている。ぜひ一度袖を通して、同じ感覚でプレーしてみてはどうだろうか。
 


<松山選手使用クラブに関するマガジン記事はこちら>

https://media.alpen-group.jp/media/detail/golf_210618_01.html


<松山選手使用ボールに関するマガジン記事はこちら>

https://media.alpen-group.jp/media/detail/golf_210618_02.html

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