【松山英樹のメジャーを獲るギア選びVOL.2】ボールに求めるもの、それはパターで感じるあの感覚が重要だった

今月17日から、アメリカ、カリフォルニア州の「トーリーパインズゴルフコース」で、今シーズンのメジャー第3戦、全米オープンゴルフ選手権が始まる。

日本ゴルフ界の注目は、なんと言っても松山英樹選手。次なるメジャー制覇に期待がかかる。

松山選手の非常に強いギアへのこだわりに迫る【松山英樹のメジャーを捕るギア選び】、VOL.2はボールにスポットライトを当ててみた。今回、住友ゴム工業(株)の広報担当である浅妻肇さんに話をうかがった。

「松山選手は、2009年の発売以来、弊社の『スリクソンZスターXV』を一貫して愛用しています。」と切り出した浅妻さん。『スリクソンZスター』シリーズは、ウレタンカバーのスピン系ボールで、松山選手の使用する『ZスターXV』は、兄弟モデルの『Zスター』よりもしっかりした打感と高い飛距離性能が特徴だと言う。

飛距離性能・スピン性能ともに従来モデルから進化した【スリクソンZスターXV】

「『スリクソンZスターシリーズ』は、発売時からつねに飛距離性能にこだわり続けてきたスピン系ボールで、カバー層を極限まで薄くすることでコアや中間層の反発力を生かす設計です。

現在販売されているものは7代目となり、独自のコーティング技術「Spin Skin with SeRM」という特殊コーティング素材によって高いスピン性能とソフトフィーリングを両立しているのが特徴です。松山選手には、そういった飛距離性能やプロボールとしてのスピン性能は以前から高く評価していただいています」

独自のコーティング技術を駆使することで、よりソフトな打感とショートゲームでのスピン性能を高めている

「最新の7代目のモデルはお渡ししてすぐに使ってもらえたのですが、実は前作の6代目のモデルはフィーリングが合わず使ってもらえなかったという経緯があったんです。というのも、松山選手はボール選びの際にパターでの“打感”と“打球音”を非常に大事にしており、やわらかすぎずに手にしっかりした感触が残るボールを好みます。新しいボールのサンプルをお渡しすると、まずパターのフェース面にボールをぶつけてコンコンとフィーリングを確かめ、気に入ればパター、ウェッジ、ドライバーという順でテストしていきますが、パターの段階で気に入らなければ、1発も打たずにNGということさえあります。」

松山選手がボールを選ぶ際に最も重要にしているのは、ドライバーの飛距離でもショートゲームのスピンコントロールでもなく“打感”と“打球音”、しかもドライバーやアイアンでのそれではなく、パターでの“打感”と“打球音”だというのだから驚きだ。

「6代目はその点で若干要望が満たせない点があったようで、5代目から6代目にシフトせず、旧モデルを昨シーズンまで使い続けていたんです。今度の7代目は、データ上は6代目以上にソフトなはずなのですが、結果的に気に入っていただけたようで、すぐに試合に投入してくれました。」

細部については松山選手の感覚がすべてなので私たちも本当のところはよく分からない、という前置きをして、浅妻さんは次のようにも語ってくれた。

「結果的にマスターズで勝てたということはフィーリングも性能もバッチリだったことは間違いないはずだと思っています。あの試合で彼のイメージどおりに球が転がり、イメージどおりの弾道が出たからこそ、マスターズの勝利にこのボールが貢献できたのだと思っています。松山選手ほど道具にこだわる選手はほかにいません。そんな彼に納得して使ってもらえ、彼の最大の目標としていたマスターズ勝利つながったということは、私たちにとっても大きな自信になっています。」

マスターズ以来、松山選手の使用ギアには非常に高い注目が集まっており、スリクソンのクラブを始め、さまざまなアイテムが品薄状態になっているという。そんななか、アマチュアにも容易に手に入り、ラウンドで松山選手と同じように使えるのが『スリクソンZスターXV』のボールだ。しかもボールに関しては、マスターズでも他の試合でも市販品とまったく同じものを使用しているという。松山選手がボールに何を求めているのか、どんな打感を好むのか、どんな打球音を聞きながらマスターズを制覇したのか。この夏、松山選手と同じボールで、そんなことを考えながらベストスコアを目指してみるのはいかがだろうか。
 

＜松山選手使用クラブに関するマガジン記事はこちら＞

https://media.alpen-group.jp/media/detail/golf_210618_01.html

＜松山選手着用ウェアに関するマガジン記事はこちら＞

https://media.alpen-group.jp/media/detail/golf_210618_03.html