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other2019.07.23

錦織圭選手が出席したマイケル・チャンコーチ主催の慈善イベントをレポート。東京五輪への想いを語る。

7月20日(日)、元男子プロテニス選手のマイケル・チャン氏(以下、チャン氏)が主催するチャリティーイベントに錦織圭選手(以下、錦織選手)が出席した。

このチャリティーイベントは、毎年夏に行われるテニストーナメント、「マイケル・チャン テニス クラシック2019」(7月26日(金)~28日(日))を前に行われるイベントで、今年で9回目を迎える。錦織選手は、毎年のように出席し、エキシビションマッチも行っている。今年は、全仏大会で痛めた右上腕部の回復を考慮してエキシビションマッチへの出場は見送られたが、チャリティーマッチには出場した。



チャリティーマッチを前に、錦織選手はチャン氏とともに記者会見を行い、そこで錦織選手の今後の展望やアルペングループマガジンの読者に向けてのメッセージも語ってくれた。

――「東京オリンピックではダブルスでも出場したい」と仰っていましたが、来季ツアーではダブルスでも出場をする可能性はありますか?

錦織:はい、今後ダブルスでも出場を増やしたいと思っています。シングルスとの両立とペア相手のスケジュールもあるので難しいと思いますが、オリンピックまでにはダブルスで何大会か出たいと思っています。

――では、チャンコーチにお聞きします。錦織選手はこれからシングルスとダブルスの練習を並行して行われると思いますが、コーチとしてどういったプランをお考えですか?

チャン:正直にお答えしますが、ケイはダブルスを特別に練習する必要はないと考えています。彼はダブルスでは年に数回しかプレーをしていませんが、彼はすでにダブルスでも優秀な選手です。もちろん、彼にとってはシングルスが最優先ですので、まずはその練習がメインになります。しかし、ダブルスでもすぐに適応すると考えます。

――ウィンブルドン・ジュニアで優勝した望月慎太郎選手とは何回練習を共に行いましたか?

錦織:今まで6、7回は一緒に練習をしたことがあります。彼はまだ16歳になったところで、レベルの差もありますからポイント練習まではやったことはありません。しかし、最近、特にこの1年は彼に成長を感じます。例えば、一緒に打ち合いをすることが当たり前にできるようになってきました。

――これからも望月選手と交流される機会はありますか?

錦織:もちろん。同じIMGアカデミーにいるので、機会があればこれからも練習すると思います。



――アルペングループマガジン読者にも部活生など多くのテニスプレイヤーがいるのですが、最後に、そういった日本国内にいる若いテニスプレイヤー世代に、錦織選手から伝えたいアドバイスをください。

錦織:まず、若い頃はたくさん練習することが大切です。もちろん、質のある練習をすることが大事なのですが、僕も18歳になるまではすごく練習をしていました。ですので、良い練習の量は必要だと思います。もし、海外で練習や指導を受ける機会がなくても、国内にいる多くの選手との練習や様々な大会に出るといったこともできると思います。

そして、僕が最近特に感じるのは、子供に将来どんな選手になってほしいのか、どんな方向に導きたいかといった、親の道しるべがないと成長するのは難しいのかなと思います。特に僕の場合は、父が毎日マンツーマンで練習に付き合ってくれましたし、13歳の時にアメリカに送り出してくれたおかげで、今があり、親には感謝しています。親御さんには、子供にとって良い選択、子供にできる支援を一緒に考えて欲しいと思います。



30分に渡る記者会見の後、メインイベントとなるチャリティーマッチが始まる。錦織選手は、現在男子シングルスの世界ランキング7位のトッププレイヤー。その姿を一目見ようとイベントには1000人を超える観客が集まった。



チャリティーマッチは、本イベントへの支援者やスポンサーを相手に錦織選手がチャン氏とペアを組みダブルスで試合を行う。6ポイント先取制での試合形式だが、対戦相手には3ポイントのアドバンテージが与えられる。また、相手のサーブミスはカウントされないなどの特別ルールも設定されているが、やはり錦織選手は強く、チャン氏との絶妙なコンビネーションで全戦全勝。



錦織選手の観客へのサービスも満載だった。普段では絶対に見られない足の下からボールを打ち返すシーンや、時にオーバーなうなり声をあげるといったパフォーマンスも見せる。ただ、一度相手の打球を見誤り、後ろへ逸らす場面もあった。チャン氏は、「今日の試合ではこういったミスも許すが、これを本戦でやった場合は、私は問答無用で怒ります!」とジョーク交じりに錦織選手に喝を入れる。チャン氏の言葉に観客席は大いに沸いた。



本戦とは違う和やかな雰囲気の中で行われ、錦織選手には終始笑みが絶えなかった。しかし、錦織選手のアスリートとしての本能はやはり本物だった。コートライン側の絶妙なボールを打ち返す時、または速い打球を捌く瞬間はまるで本戦を戦っているような気迫溢れるプレーだった。



イベント終了後には、錦織選手は観客にサインのサービスを行い、そしてチャン氏と軽く言葉を交わして会場を後にした。

今回のイベントで、東京オリンピック出場への熱い想いを改めて語った錦織選手。全米オープンから始まるシーズン後半戦、そして今後の活躍に期待が高まる。

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